- 更新日 : 2025年4月23日
税理士資格はどう役に立つ?試験の概要と仕事内容
会社員として働いていても税理士資格の取得は大幅なスキルアップにつながり、独立することも可能です。ここではこの税理士資格を取得するための試験の概要と、試験を受けるために必要な資格、そして税理士だけができる仕事について解説します。
※本記事の内容は国税庁ホームページの税理士試験情報を出典元としています。試験日程・内容等は年度によって変更がある可能性があります。
目次
税理士試験の概要
税理士試験の日程・必要書類・受験地
税理士試験は年によって細かな違いはあるものの、毎年4月第2週頃から5月第3週頃までの間に申し込み用紙が交付され、5月第2週頃から第3週頃までの間に申し込みが受け付けられています。申し込みに必要な書類は次の3つです。
1.税理士試験受験願書・税理士試験受験申込書
2.受験票及び写真票
3.受験資格を有することを証する書面
試験本番は8月中の平日3日間を使って毎日午前9時から午後5時までの間に実施されます。受験手数料は受験申込科目数で変動し、1科目は3,500円、それ以降は1科目ごとに1,000円ずつ必要です。全国どこでも受験可能というわけではなく、受験地は北海道・宮城県・埼玉県・東京都・石川県・愛知県・大阪府・京都府・広島県・香川県・福岡県・熊本県・沖縄県に限られます。
税理士試験の内容と合格基準
税理士試験は大きく「会計学」と「税法」に属する科目から構成されています。会計学に属する科目とは簿記論と財務諸表論の2科目です。この2科目はどちらも受験しなくてはなりません。一方で税法に属する科目は所得税法・法人税法・相続税法・消費税法または酒税法・国税徴収法・住民税または事業税・固定資産税の7科目から、受験者が3科目選択することができます(所得税法か法人税法のいずれかは必修)。
合格基準はどの科目でも満点の60%で、合計科目数が会計学に属する科目2科目と税法に属する科目3科目の合計5科目になってはじめて「合格」となります。ただし税理士試験は一度の試験で5科目すべての合格基準を超える必要はありません。そのため、1科目ずつ受験して合格を目指すことも可能です。
勉強は計画的に
税理士試験は例年合格率15%前後と、一般的に難易度の高い試験です。そのため税理士資格を取得するまでに試験を5回や10回受けたという人も少なくありません。そのため勉強を始めるときは1回目での合格を目指すよりも、長期的な視点で計画を立て、じっくり腰を据えて取り組む必要があります。
税理士試験の受験資格
税理士試験の受験資格は大きく「資格」「学識」「職歴」に分かれており、以下のうちどれか1つでも満たしていれば受験資格が与えられます。なお以下の各項目は国税庁の「税理士試験に関するQ&A」から引用しています。
受験資格が与えられる「資格」
・日商簿記検定1級合格者
・全経簿記検定上級合格者
・会計士補
・会計士補となる資格を有する者
申込書類としてこれらの資格を証明するための合格証明書や登録証明書が必要となります。
受験資格が与えられる「学識」
・大学3年次以上の学生で法律学又は経済学に属する科目を含め62単位以上を取得した者
・専修学校の専門課程(1修業年限が2年以上かつ2課程の修了に必要な総授業時数が1,700時間以上に限る。)を修了した者等で、これらの専修学校等において法律学又は経済学に属する科目を1科目以上履修した者
・司法試験に合格した者
・旧司法試験法の規定による司法試験の第二次試験又は旧司法試験の第二次試験に合格した者
・公認会計士試験短答式試験合格者(平成18年度以降の合格者に限る。)
・公認会計士試験短答式試験全科目免除者
資格証明のためには大学などの履修科目や単位数により受験する場合は成績証明書や課程証明書、その他は合格証明書などが必要になります。
受験資格が与えられる「職歴」
以下の事務または業務に2年以上従事した者
・法人又は事業を営む個人の会計に関する事務
・税理士・弁護士・公認会計士等の業務の補助の事務
・税務官公署における事務又はその他の官公署における国税若しくは地方税に関する事務
・行政機関における会計検査等に関する事務
・銀行等における貸付け等に関する事務
弁理士・司法書士・行政書士・社会保険労務士・不動産鑑定士等の経験により受験する場合は登録証明書だけでなく、同業者2人以上にその業務に従事したことを証明してもらう書面が必要となります。その他の場合は職歴証明書の提出が必要です。
税理士だからできる仕事とは?
税理士法に定められた3つの業務
税理士には法律で定められた、税理士にしか許されていない業務が3つあります。それは「税務代理」「税務書類の作成」「税務相談」です。
「税務代理」とは法人や個人などの納税者の代理として、青色申告の承認申請や税務調査の立会などを行う仕事です。「税務書類の作成」とは確定申告書・相続税申告書などの税務書類を、納税者の代理として作成する仕事です。税務相談は納税者からの税についての相談に応じる仕事となります。「税務相談」は、主に事業主の税務に関するサポートを行うことを指します。
これらの業務は「無償独占業務」と呼び、たとえ無償でも税理士の資格がない者は行ってはいけないことになっています。
もっと広がる可能性
税理士の資格はこの3つの業務以外にも、様々な仕事につながる可能性を持っています。例えば税務だけでなく会計・財務・経営管理のプロフェッショナルとして、経営戦略などの立案にアドバイスを行う「経営コンサルタント」もそのうちのひとつです。税務はどんなビジネスをするうえでも、決して切り離せません。したがって税理士資格は働き方や働く場所を本人次第で選ぶことができるのです。
まとめ
税理士資格は何年もかけて取得する人も多い難関資格です。しかし取得した先には無償独占業務を始めとする様々な活躍の舞台が待っています。合格までの計画を長期的な視点から立て、独学で勉強するか通信教育や資格学校を利用するかなど自分に合った学習スタイルを検討・実行すれば、取得できるはずです。興味がある人は是非一度挑戦してみましょう。
関連記事
・この依頼はどっち?具体例でわかる税理士と公認会計士の違い【5つの質問付き】
・クラウドが描く未来。東欧の小国エストニアから税理士が消えたわけ
・ふるさと納税制度の概要とやり方・計算方法を税理士が詳しく解説
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
会計の知識をさらに深めるなら
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
関連記事
都度購入とは?定期購入との違いや売上アップのコツを解説
商品の購入方法には、都度購入・定期購入の2つがあります。最近では、通販を利用するときに購入方法を選択できることも多くなりました。また、都度購入を定期購入に切り替えてもらうと、売上アップにつながります。 今回は、都度購入・定期購入の特徴と違い…
詳しくみる100億宣言が開始!中小企業成長加速化補助金と100億宣言について解説
100億円宣言とは、中小企業が将来的に達成を目指す売上目標を公表し、その達成に向けた挑戦を国が後押しする制度です。 本記事では、100億円宣言の目的やメリット、関連する中小企業成長加速化補助金の内容や申請方法について、わかりやすく解説します…
詳しくみる富山で経理代行サービスを依頼するには?依頼先や対応範囲、費用などを解説
富山県で事業を営む方々、日々の経理業務に追われ、本業に集中できないと感じることはないでしょうか。人材の確保や、インボイス制度・電子帳簿保存法といった度重なる法改正への対応は、特に中小企業や個人事業主にとって大きな負担となりがちです。 こうし…
詳しくみる【公益法人会計基準とは】法人税が非課税になるのには理由があった
公益法人は税制面で優遇されています。法人なら支払うべき法人税がなぜ非課税になるのでしょうか? 公益法人は税制面で優遇されるため財務状況が厳しく審査されています。(これを公益法人会計基準といいます) 税制優遇の光と影について解説します。 公益…
詳しくみる収益認識基準の注記は何を記載する?項目ごとに記載例を紹介
収益認識基準の導入によって、対象となる企業は計算書内に新たに追加された注記の記載を求められるようになりました。その一方で、具体的にどういった内容を記載すればよいのか、そもそも記載の仕方がわからないという方もいらっしゃるでしょう。 この記事で…
詳しくみる共通費の配賦とは?基準の考え方や手順、会計処理をわかりやすく解説
共通費の配賦は、複数の部門や製品にまたがって発生する経費を、一定の基準で各所に割り振る管理会計の手法です。これにより、部門ごとの正確な採算性を把握し、より的確な経営判断が可能になります。しかし、基準の決め方や会計処理がわからず、悩む担当者の…
詳しくみる会計の注目テーマ
- 勘定科目 消耗品費
- 国際会計基準(IFRS)
- 会計帳簿
- キャッシュフロー計算書
- 予実管理
- 損益計算書
- 減価償却
- 総勘定元帳
- 資金繰り表
- 連結決算
- 支払調書
- 経理
- 会計ソフト
- 貸借対照表
- 外注費
- 法人の節税
- 手形
- 損金
- 決算書
- 勘定科目 福利厚生
- 法人税申告書
- 財務諸表
- 勘定科目 修繕費
- 一括償却資産
- 勘定科目 地代家賃
- 原価計算
- 税理士
- 簡易課税
- 税務調査
- 売掛金
- 電子帳簿保存法
- 勘定科目
- 勘定科目 固定資産
- 勘定科目 交際費
- 勘定科目 税務
- 勘定科目 流動資産
- 勘定科目 業種別
- 勘定科目 収益
- 勘定科目 車両費
- 簿記
- 勘定科目 水道光熱費
- 資産除去債務
- 圧縮記帳
- 利益
- 前受金
- 固定資産
- 勘定科目 営業外収益
- 月次決算
- 勘定科目 広告宣伝費
- 益金
- 資産
- 勘定科目 人件費
- 予算管理
- 小口現金
- 資金繰り
- 会計システム
- 決算
- 未払金
- 労働分配率
- 飲食店
- 売上台帳
- 勘定科目 前払い
- 収支報告書
- 勘定科目 荷造運賃
- 勘定科目 支払手数料
- 消費税
- 借地権
- 中小企業
- 勘定科目 被服費
- 仕訳
- 会計の基本
- 勘定科目 仕入れ
- 経費精算
- 交通費
- 勘定科目 旅費交通費
- 電子取引
- 勘定科目 通信費
- 法人税
- 請求管理
- 勘定科目 諸会費
- 入金
- 消込
- 債権管理
- スキャナ保存
- 電子記録債権
- 入出金管理
- 与信管理
- 請求代行
- 財務会計
- オペレーティングリース
- 新リース会計
- 購買申請
- ファクタリング
- 償却資産
- リース取引