• 更新日 : 2020年9月17日

決算月にもう一度見直したい決算対策とは?

決算月に思ったより利益が出てしまい、もっと経費を増やせないかと検討することがあります。

決算月にもできる節税対策とは

決算月にもできる節税対策の代表的なものには、以下の6つがあります。

1.30万円未満の少額減価償却資産の購入
2.小規模企業共済個人事業主の場合)
3.中小企業倒産防止共済(経営セーフティ共済
4.中小企業退職金共済(中退共)
5.翌期以降に予定している支出の前倒し
6.保険の見直し

決算対策1 30万円未満の少額減価償却資産の購入

減価償却資産を購入した場合、取得価格を数年間に分けて按分(あんぶん)して費用計上することになっています。しかし、10万円未満の少額減価償却資産を購入した場合は一括償却(一度に費用計上すること)できます

また、一定の条件を満たす中小企業者が10万円から30万円未満の備品を購入した場合は、一括償却か、通常通りの償却を行うかを選択できます。少額減価償却資産として一括償却できる金額の合計は300万円までです。

よって、30万円までの資産を複数回購入し、300万円までを一括償却して費用計上することで決算対策として有効になります。

決算対策2 小規模企業共済への加入(個人事業主の場合)

小規模企業共済は、従業員20人以下の個人事業主や、会社の経営者、法人の役員が加入できる共済制度です。加入者本人の退職金や、個人事業を廃業したときの生活資金のためのもので、独立行政法人中小企業基盤整備機構(中小機構)が運営を行っています。

月額掛け金は1,000円から7万円で、全額課税所得から控除されます。掛け金は前納することで、当年度分の掛け金が所得控除となります。

個人事業主の場合は節税対策となりますが、事業の必要経費にならないため、決算対策として検討するには注意が必要です。

決算対策3 経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済)

取引先の倒産の影響を受けた連鎖倒産を防ぐための共済です。月額掛け金は、5,000円から20万円まで、総額800万円になるまで積み立てられ、月払い、半年払い、年払い、前納が可能です。

前納するには、希望する月の5日までに中小機構に申込書類が届くようにする必要があります。払い込んだ掛け金は、法人の場合は全額損金算入でき、個人の場合は全額経費算入が可能です。前納の場合は決算事業年度分の損金算入となり、法人の決算対策として有効です。

決算対策4 中小企業退職金共済(中退共)への加入

中退共は、事業主が契約者になり、従業員を被保険者とした退職金のための共済で、事業主が掛け金を払います。従業員が退職したときは、事業主を介さずに、従業員に直接退職金を支払います。

こちらも前納でき、法人の場合は全額を損金算入、個人事業主の場合は全額を必要経費にできるので決算対策になります。

決算対策5 翌期以降に予定している支出を今期中に実施する

決算対策として、翌期以降に予定している広告宣伝や修繕を、今期中に行うことで損金算入する方法があります。

広告宣伝費 ポスター、チラシ、DMなど
・社員旅行 決算月に行うと、損金算入できる。

決算対策6 保険の見直し

保険を解約したときに、解約返戻金が払い込み保険料を上回るような貯蓄性のあるものは、支払い保険料が資産計上となりますが、保険料が掛け捨てのものは損金算入でき、決算対策に向いています。

例えば保険料掛け捨ての定期保険は、受取人が法人でも保険料は損金算入できます。貯蓄性のある養老保険は、死亡保険金の受取人が法人の場合は、保険料は資産計上となり、死亡受取人が遺族で生存保険金(満期金、解約返戻金など)の受取人が法人の場合は、支払い保険料の半分が損金計上となります。払い込み期間の経過によって損金算入する額が変わってきます。

まとめ

決算対策はどれも、支出を伴っていることに注意が必要です。決算対策だからといって経費を使いすぎてしまい、備品の在庫が過多にならないように、必要なものを前倒しで支出するよう心がけましょう。

また、税制の変更によって扱いが変わってくるため、決算対策をする前に、その方法が決算対策に有効かをもう一度しっかり調べてから決算対策を実施するようにしましょう。

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※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

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監修:加地 延行 (公認会計士 / 税理士)

税理士法人ゆびすい
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