法人税を節税するために押さえておきたい3つのポイント

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なるべくなら払う法人税は節約したい、と思うのはどの事業主にとっても当然のことです。

少しでも多くの資金を会社に残すことは、財務状況や経営の維持と発展、また投資などをするうえでさまざまな影響を与えます。

法人税を減額するには、税率を掛ける基となる所得金額を減らす必要があります。

所得は、益金から損金を差し引いて計算した結果です。
益金とは税務上の収益にあたるもので、損金は費用にあたるものですが、それぞれを調整することで節税が可能となります。

そこで今回は、いくつかの具体例とともに節税のポイントをご紹介します。

益金を減らす

益金を減らすことによって所得を減らし、法人税の節税ができます。

売上などの益金を減らすことは容易ではありませんが、例えば次のような方法があります。

売上計上基準

できるだけ多く売上を上げることが会社の使命である一方で、収益を抑えることは節税につながります。

売上は、各会社が決めた売上計上基準に則り、計上しなければならないと、税法上で定められています。

具体的な物を販売する売上は、全ての物品を相手先へ引き渡した日付となります。
また、サービスの提供にかかる売上は、全ての役務が完了した日付となります。
物品販売では、出荷基準、検収基準、使用収益基準、検針基準などが認められています。

そのなかでも、相手先からの検収を待って売上を計上する検収基準を採用すれば、他の基準に比べて売上の計上を繰り延べられます。

一度採用した売上計上基準は、毎期継続して適用することになっていますが、合理的な理由がある場合のみ変更が認められています。

変更した場合は、税務調査のポイントとなりやすいので、根拠となる資料を準備しておきましょう。

損金を増やす

損金を増やすことによって所得を減らし、法人税の節税効果をねらいます。

例えば次のような方法があります。

固定資産の見直し

固定資産は高額のため、内容を精査して最適化すればその節税効果は大きいでしょう。

減価償却方法として定率法と定額法がありますが、定率法だとより早期に損金化が可能で、高い節税効果が生まれます。

また、固定資産の付随費用は取得価額に含まれるものが多いですが、取得時にかかる租税公課や計画変更による不要物の処理費用といった一部の付随費用はすぐに損金化できます。

そして事業で使用していない固定資産は年度末までに廃棄しましょう。
廃棄したときの帳簿価額がそのまま損金となります。

貸倒引当金と貸倒損失

売掛金や未収金といった債権の回収見込みが低い場合は、貸倒引当金を計上します。

また、見込みが全く無くなった債権については貸倒損失を計上します。

どちらも損金となりますので法人税の節税効果があります。
貸倒損失は計上必須ですので、節税に関わらず処理してください。

未回収の残高がないか、また取引先の規模や過去の実績に応じても引当金の計上が可能ですので、今一度確認してみましょう。

ただし、損金に算入できる限度額があります

特別控除の利用

国の制度を利用して法人税の優遇措置を受けられます。例えば以下のような制度があります。

雇用促進税制

雇用機会が不足している地域において、無期・フルタイム雇用した場合に限定し、一定の人数を雇用するなどの要件を満たした場合に、法人税額の税額控除が受けられましたが、平成29年度をもって終了しました。

しかし、地方拠点強化税制における雇用促進税制は存続しており、平成30年度より適用要件が緩和されています。

また、地方拠点強化税制における雇用促進税制の適用を受けるためには、都道府県知事に設備計画の認定を受け、公共職業安定所へ雇用促進計画を提出する必要があります。

所得拡大促進税制

国内の雇用者に対する給与支給額が一定の割合で増加するなどの要件を満たした場合に、支給増加額の10%が税額控除できる制度です。平均給与が2%以上である場合にはさらなる上乗せ措置があります。

事前の準備はありませんが、確定申告時に明細書の添付が必要です。
また、雇用促進税制との重複適用が可能です。

中小企業投資等促進税制

個人事業主または資本金1億円以下の指定事業に該当する中小企業等を対象とした制度です。
なお、特別償却(即時償却)と税額控除の重複適用は認められません。

1.特定の機械装置などの対象設備を購入または製作をした場合
 ・取得価額の30%の特別償却
 ・7%の税額控除(特定中小企業者等に該当する場合のみ)

2.特定経営力向上設備等に該当する資産を取得した場合
 ・即時償却
 ・7%の税額控除(特定中小企業者等に該当する場合は10%)

3.経営改善設備に該当する資産を取得した場合
 ・取得価額の30%の特別償却
 ・7%の税額控除(特定中小企業者等に該当する場合のみ)

また、特定中小企業者等とは、個人事業主、資本金が3,000万円以下の法人または農業協同組合等に該当する法人です。

各会社に適した節税方法を選びましょう

このように、会社の規模や財政状況によって手段はさまざまです。

法人税の節税に取り組む前には、最新の税法や制度を確認するとともに、顧問税理士に相談するようにしてください。

ルールに則ったとしても、合理性がなく無理な節税を行えば税務調査で指摘されることもあります。

適正な内容と手続きによって、確実な節税を目指しましょう。

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※2015年7月30日 一部記事を修正させていただきました。

監修:緒方 康人 (公認会計士 / 税理士)

税理士法人ゆびすい
ゆびすいグループは、国内8拠点に7法人を展開し、税理士・公認会計士・司法書士・社会保険労務士・中小企業診断士など約250名を擁する専門家集団です。
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