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  2. 会計の基礎知識
  3. 会社経費を個人のクレジットカードで立替えた場合の仕訳・勘定科目は?
  • 更新日 : 2026年7月24日

会社経費を個人のクレジットカードで立替えた場合の仕訳・勘定科目は?

監修:安木 識晃/監修:岡 和恵 
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Point会社経費を個人カードで立替えたときの仕訳は?

該当する勘定科目で計上し、後日に取り崩して処理します。

  • 発生時は貸方を未払い金などの負債勘定として記録する
  • 精算時に逆仕訳で消し込む
  • 原則として領収書と利用明細を7年間保存する

仕入税額控除には店舗発行の適格請求書または簡易インボイスが必要で、カード会社の明細書だけでは適用されません。

法人で従業員が会社経費を立て替える際、個人クレジットカードを使った場合の処理に迷う方も多いのではないでしょうか。会計上は問題のない取引ですが、勘定科目の選び方や利用明細の扱いには独自の注意点があります。本記事では、立替金の仕訳例から領収書の保管、インボイス制度下での仕入税額控除まで、実務担当者が押さえておきたい論点をまとめて解説します。

目次

  • 会社経費は個人のクレジットカードで立替えできる?
  • 会社経費を個人のクレジットカードで立替えた場合の仕訳例
    • 立替金が発生したときの仕訳
    • 立替金を現金で精算したときの仕訳
    • 給与と同時に立替金を精算する場合の仕訳
    • 立替金が月をまたぐ場合の仕訳
  • 個人カード立替と法人カードでの処理はどう違う?
  • 個人のクレジットカードで立替えるメリット
    • 利用明細で月々の支出を管理しやすい
    • 急な出費にも対応できる
  • 個人のクレジットカードで立替える時の注意点
    • 立替時に必要な書類と利用明細の扱い
    • インボイス制度下で仕入税額控除を受けるための要件
    • 電子帳簿保存法に基づく保管要件
    • クレジット決済時の領収書と収入印紙
    • プライベートの支出と分ける必要がある
  • 個人カード立替で起こりやすい仕訳ミスと対策
    • 仕訳作業で最も工数がかかるのは勘定科目の判定
  • 個人カード立替の仕訳ルールを整備しよう

会社経費は個人のクレジットカードで立替えできる?

個人名義のクレジットカードで会社経費を立て替えることは、会計処理上は問題ありません。法人カードを発行していない場面や、急な出費で社員が立て替えるケースは中小企業を中心によく見られます。

会計で求められるのは、いつ・誰が・どこで・何の費用を・いくら立て替えたかが書類で証明できることであり、決済手段が現金かカードかは判断の中心ではありません。社内ルールに沿った申請とレシート添付ができていれば、立替者の支払手段による問題視はされにくいといえます。

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会社経費を個人のクレジットカードで立替えた場合の仕訳例

個人カードでの立替経費は「立替金」を介して仕訳します。発生時に経費の勘定科目で計上し、精算時に立替金を取り崩す流れが基本で、月をまたぐ場合は中間の処理を加えます。以下、仕訳はすべて税込経理・日付省略で記載します。

立替金が発生したときの仕訳

立替金発生時は、借方に経費の勘定科目、貸方に立替金を計上します。

例えば、従業員Aが訪問先への手土産3,300円を購入し、社内ルールに沿って立替金の申請をしたケースを考えます。仕訳は次のとおりです。

借方 金額 貸方 金額 摘要
接待交際費 3,300円 立替金 3,300円 X社訪問につき手土産、Y商店

立替金は社内の多くの従業員に発生する可能性があるため、補助科目で従業員別に分類しておくと、後日の精算や残高確認が進めやすくなります。

立替金を現金で精算したときの仕訳

精算時は、借方に立替金、貸方に現金を計上して立替金を消し込みます。

上記の手土産代について申請が承認され、Aに現金で精算した場合の仕訳は次のとおりです。

借方 金額 貸方 金額 摘要
立替金 3,300円 現金 3,300円 従業員A:立替金精算

給与と同時に立替金を精算する場合の仕訳

給与同時精算では、貸方の現預金を立替金と給与の合計額にします。

立替金が頻繁に発生する営業担当者などは、月ぎめでまとめて精算したり、給与と同時に支払うケースもあります。給与15万円と立替金3,300円を合算して支払う場合の仕訳は次のとおりです。

借方 金額 貸方 金額 摘要
立替金 3,300円 現預金 153,300円 従業員A:立替金精算
給与 150,000円 従業員A:給与

立替金が月をまたぐ場合の仕訳

月をまたぐ立替金のケースでも、購入した月に経費と未払金を計上し、従業員へ精算した月に未払金を消し込みます。

クレジットカードの引き落としは利用月の翌月から翌々月にずれるため、発生と精算が月をまたぐことがあります。発生月の仕訳と精算月の仕訳を未払金でつなぎ、翌月振り替えることで月次決算の整合性を保てます。

参照:クレジットカード会社からの請求明細書|国税庁

個人カード立替と法人カードでの処理はどう違う?

個人カードでの立替と法人カードでの決済は、使用するクレジットカードの名義によって貸方の勘定科目が変わります。決済の流れと精算ルートが異なるため、両者の仕訳と管理のしどころを整理しておくと判断がぶれにくくなります。

項目 個人カードでの立替 法人カードでの決済
貸方の勘定科目 立替金(未払金も多い) 未払金
精算先 立替者(従業員・役員) クレジットカード会社
仕訳の段階 発生時と精算時に分けて記録 決済時と引落時に分けて記録
管理の中心 立替申請書・レシート 利用明細・適格請求書
公私混同のリスク 発生しやすい 発生しにくい

個人カード立替が頻発している場合は、法人カードの発行で仕訳が「未払金」中心となり、立替金精算の事務作業が減ります。経費とプライベートの分離が明確になることもあり、運用負荷を抑えやすい選択肢といえます。

個人のクレジットカードで立替えるメリット

個人カードで会社経費を立て替えるメリットは、現金がなくても支払いに対応できる点と、立替者にポイントが還元される点に整理できます。社内ルールが整っていれば、運用上のデメリットも抑えられます。

利用明細で月々の支出を管理しやすい

継続的な経費は、利用明細と契約書をセットで保管すれば一元管理しやすくなります。

業界新聞の購読料など、毎月定額で発生する経費を個人カードで立て替える場合、当初の契約書とクレジットカード会社からの利用明細を残しておけば、会社側で立替処理を進めやすくなります。一方で、利用明細には立替者本人のプライベートな買い物が混在することがあるため、提出時に必要部分を抜粋する運用が現実的です。

急な出費にも対応できる

法人カードを携行していない場面でも、立替対応であれば緊急の支払いに動けます。

出先での緊急対応や、想定外の支払いが必要になった場面では、個人カードでの立替がスムーズな解決策になります。ただし、どの程度の緊急性を許容するか、いくらまでなら個人カードで対応してよいかなど、社内ルールを整備しておかないと公私の境界があいまいになりやすい状況も起こります。

個人のクレジットカードで立替える時の注意点

個人カード立替で問題視されやすいのは、書類の整備不足と、インボイス制度・電子帳簿保存法への対応漏れです。立替の事実を客観的に証明できる状態を保ち、関連法令の保管要件を満たすことが求められます。

立替時に必要な書類と利用明細の扱い

クレジット決済でも、購入の事実を示す領収書やレシートが必要です。

クレジット決済であっても、何を、いつ、どの店で、いくらで購入したかがわかる書類は欠かせません。店舗によっては領収書ではなく「利用明細書」や「クレジット売上票」が交付されますが、これらはクレジットカード会社が発行するもののため、レシートと併せて保管します。電子取引の場合は、取得した電子データそのものを保管対象とします。

インボイス制度下で仕入税額控除を受けるための要件

クレジットカード会社が発行する利用明細書だけでは、消費税の仕入税額控除を受けられません。

仕入税額控除を受けるには、購入した店(カード加盟店)が発行する適格請求書または適格簡易請求書(簡易インボイス)が必要です。タクシー業や小売業など簡易インボイスの発行が認められている業種であれば、受領したレシートに登録番号などの必要事項が記載されているかを立替申請時に確認します。

参照:クレジットカード会社からの請求明細書|国税庁

参照:インボイス制度に関するQ&A|国税庁

電子帳簿保存法に基づく保管要件

電子取引で受領したデータは、原則として電子のまま保存します。

立替で利用したオンラインショップの注文確認メールや、ウェブ明細書のPDFなどは、電子取引データに該当します。法人は、これらを真実性・可視性を確保した方法で7年間保存する必要があります。紙に印刷して保存するだけでは要件を満たさないため、立替申請時の書類受領方法とあわせて運用ルールを見直しておくと安心です。

参照:帳簿書類等の保存期間|国税庁

クレジット決済時の領収書と収入印紙

クレジット決済を明示した領収書は、課税文書に該当しないため収入印紙が不要となります。

領収書は本来「課税文書」に該当し、5万円以上では収入印紙の貼付が求められます。ただし、クレジットカードのように直接金銭をやり取りしない取引については、領収書に「クレジットカードによる受領」などと記載すれば課税文書から外れます。記載が漏れていると現金取引と同じ扱いになり印紙が必要となるため、書き方の確認は欠かせません。

参照:クレジット販売の場合の領収書|国税庁

プライベートの支出と分ける必要がある

個人カードでの立替が継続的になる場合は、専用カードの貸与や利用ルールでの分離が望ましい対応となります。

法人の経費は法人カードで支払うのが原則です。特定の費用が継続的に役員個人のクレジットカードから引き落とされているようなケースでは、その役員専用の法人カードを貸与する、もしくは個人カードのうちプライベート利用と区別する運用に切り替えることで、公私混同の発生を抑えやすくなります。

個人カード立替で起こりやすい仕訳ミスと対策

会社の経費を個人のクレジットカードで立て替える場合、精算時に適切な勘定科目を判定し、利用明細と帳簿を突合する作業が発生します。こうした日々の仕訳作業は、多くの担当者にとって大きな負担となっています。

仕訳作業で最も工数がかかるのは勘定科目の判定

株式会社マネーフォワードが実施した調査で、仕訳作業の工程において最も工数がかかっている作業を尋ねたところ、「適切な勘定科目や消費税区分(課税・非課税等)の判定」で、36.8%でした。次いで「銀行明細やクレジットカード明細と帳簿の突合作業」で、34.5%でした。

個人のクレジットカードでの立替が頻繁に発生すると、経費ごとの勘定科目の判定や、複雑な明細の突合作業が都度発生することになります。手作業による経理処理が煩雑になり、入力ミスも生じやすくなるため、立替精算のルールを明確に定めるとともに、クラウド会計ソフトなどを導入して仕訳作業を自動化することが業務効率化につながります。

出典:マネーフォワード クラウド、仕訳作業の工程において最も工数がかかっている作業【勘定科目に関する調査データ】(回答者:707名、集計期間:2026年3月実施)

個人カード立替の仕訳ルールを整備しよう

会社経費を個人クレジットカードで立替える処理は、書類の整備と仕訳のルール化で品質が大きく変わります。立替金の仕訳は発生時と精算時に分けて記録し、月をまたぐ場合は中間の処理を加えるのが基本です。

インボイス制度や電子帳簿保存法への対応も含めて、立替に関する社内ルールを明文化し、上限額や利用シーンをあらかじめ定めておくと判断のぶれを防げます。日常的な処理はクラウド会計ソフトで自動化し、ルールから外れる申請のみ事前承認を求める運用が、ミスと工数の両方を抑える方向につながります。

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※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
  • 監修:安木 識晃(公認会計士準会員)

    公認会計士準会員。監査法人にて4年弱、外資系保険会社などの財務諸表監査・内部統制監査に従事。その後、FAS(財務アドバイザリー)領域にてIPO支援(事業計画・資本政策・内部統制構築)、M\&AにおけるPPA・無形資産評価などを担当。スタートアップ企業のCFOとして、経理財務体制の構築、資金調達、海外展開支援にも従事。現在は都内のFASコンサルティングにて、IPO準備企業や成長企業の財務支援を行う傍ら、ライティング・記事監修業務も精力的に実施。専門分野に根差した実務的かつ分かりやすい情報発信を得意とする。

  • 監修:岡 和恵 (税理士 / CFP)

    大学卒業後、教職と専業主婦を経てシステム会社に入社。経理や会計システム開発に携わり、税理士・FP資格(CFP)を取得。
    2019年税理士事務所開業後は、個人・法人の税務全般に幅広く対応。ERP技術者としてのIT知見を活かしたサポートに自信があり、個人事業主の確定申告から法人の決算までトータルで支える。現在は実務の傍ら執筆や監修も手掛け、会計・税務のあらゆる側面からクライアントに併走している。ビジネステンプレート集の監修も担当。

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