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  3. 保険料を経費にする場合の仕訳に使う勘定科目まとめ
  • 更新日 : 2024年8月8日

保険料を経費にする場合の仕訳に使う勘定科目まとめ

法人や個人事業主が事業の継続に必要な生命保険や損害保険などの保険料を支出したとき、経費として処理できます。支出した保険料の仕訳は、保険の種類や内容、保険金の受取人によって勘定科目が異なるため、注意しましょう。

本記事では、保険料を支払って経費に計上する際の勘定科目を解説し、さまざまなケースの仕訳例を紹介します。

目次

  • 保険料の仕訳に使える勘定科目
  • 保険料を保険料で仕訳する
  • 保険料を前払費用で仕訳する
  • 保険料を事業主貸で仕訳する
  • 保険料を法定福利費・預り金で仕訳する
  • 保険金を雑収入で仕訳する
  • 保険の種類別仕訳例
    • 生命保険料(定期保険)の仕訳
    • 生命保険料(終身保険)の仕訳
    • 生命保険料(養老保険)の仕訳
    • 損害保険料(火災保険)の仕訳
  • 勘定科目や仕訳に役立つテンプレート-無料ダウンロード
  • 保険料の勘定科目や仕訳例を正しく把握しよう

保険料の仕訳に使える勘定科目

法人や個人事業主が事業を継続するために必要な保険に加入して保険料を支払ったとき、経費として認められます。

事業に関連して加入する保険には、主に次のようなものが挙げられます。

  • 火災保険料
  • 地震保険料
  • 従業員の傷害保険料
  • 従業員の生命保険料・社会保険料

支払った保険料の勘定科目や仕訳方法は、保険の種類や内容によって異なります。

例えば、法人が役員や従業員を被保険者とする保険契約の保険料を支払った場合は「保険料」や「保険積立金」の勘定科目を使います。

社会保険料の仕訳で使う勘定科目は、会社負担分の社会保険料を処理する場合は「法定福利費」、従業員の給与から徴収した社会保険料は「預り金」です。

保険金を受け取ったときは「雑収入」の勘定科目を使います。

個人事業主が自身の保険料を事業資金から支払った場合、使う勘定科目は「事業主貸」です。

また、2年分の保険料を払った場合は、当年分を「保険料」に計上し、翌年分は「前払費用」として処理します。

保険料を保険料で仕訳する

ここからは、勘定科目ごとの仕訳をみていきましょう。まず、法人が役員や全従業員を被保険者とする定期保険の保険料を支払ったときは、「保険料」の勘定科目で経費に計上します。

全従業員の定期保険の保険料10万円を支払った場合の仕訳は、以下のとおりです。

借方貸方摘要
保険料100,000円普通預金100,000円従業員の定期保険を支払い

一方、役員または特定の社員のみを被保険者として支払った場合は給与となり、その役員または従業員の給与課税の対象となります。

保険料を前払費用で仕訳する

保険の契約期間が1年を超える場合、保険料を事業年度ごとに按分して計上します。保険料のうち、翌期にあたる分は「前払費用」で仕訳し、翌々期以降にあたる分は「長期前払費用」として計上してください。

事業年度が4月1日から翌年3月31日の企業が、2年契約(2024年7月から2026年6月までの2年間)の損害保険(月額2,000円)に加入して損害保険料4万8,000円を支払う場合、仕訳例は以下のとおりです。

(支払い時)

借方貸方摘要
保険料48,000円普通預金48,000円損害保険料2年分

(決算時)

借方貸方摘要
前払費用24,000円保険料30,000円次年度以降分の損害保険料
長期前払費用6,000円

(翌期に経費として計上および翌々期分を前払費用に振り替え)

借方貸方摘要
保険料
前払費用
24,000円
6,000円
前払費用
長期前払費用
24,000円
6,000円
本年度分の損害保険料
翌々期分を前払費用に振り替え

(翌々期に経費として計上)

借方貸方摘要
保険料6,000円前払費用6,000円本年度分の損害保険料

当期の経費にあたるのは、2024年7月から2025年3月までの9ヶ月分・1万8,000円です。翌期(事例では2025年度)や翌々期(事例では2026年度)に対応する金額も計算し、それぞれ決算時と各期に仕訳します。

保険料を事業主貸で仕訳する

個人事業主が個人として加入した保険の保険料は事業に関する支出ではなく、経費になりません。保険料を事業資金から支払ったときは、「事業主貸」の勘定科目で処理します。

事業主貸とは、事業用の資金と私用の支出を区別するために使う科目です。事業で使っている口座から個人的な支払いのために支出したときなどに使います。

個人事業主が、自身が加入する生命保険の保険料1万円を支払った仕訳は、以下のとおりです。

借方貸方摘要
事業主貸10,000円普通預金10,000円保険料支払い

保険料を法定福利費・預り金で仕訳する

会社が従業員を雇用した場合は社会保険に加入することになり、社会保険料は会社と従業員が負担します。まず、従業員負担分を従業員の給与から差し引き、その後、会社が負担する分と合算して納付するという流れです。

従業員に給与30万円を支給し、そこから5万円の社会保険料を差し引いた場合の仕訳例は、以下のとおりです。

借方貸方摘要
給与300,000円普通預金250,000円給与を支給し、社会保険料を控除
預り金50,000円

社会保険料を納付するときには、会社負担分と従業員負担分を合算し、会社負担分を「法定福利費」として、従業員負担分は「預り金」として計上します。

借方貸方摘要
法定福利費50,000円普通預金100,000円社会保険料支払い
預り金50,000円

保険金を雑収入で仕訳する

法人が生命保険や損害保険の保険金を受け取ったときは、「雑収入」で仕訳します。雑収入とは本業と直接関係のない収益のうち、ほかの勘定科目に分類されない収入のことで、主に重要性の低い項目に使います。

定期保険の死亡保険金1,000万円を受け取ったときの仕訳例は、以下のとおりです。

借方貸方摘要
普通預金10,000,000円雑収入10,000,000円生命保険金の受け取り

保険の種類別仕訳例

ここからは、保険の種類別に仕訳例をみていきましょう。

生命保険料(定期保険)の仕訳

定期保険は、生命保険のうち一定期間を保障する保険のことです。契約期間が設定されており、契約期間中に契約者が死亡した場合には死亡保険金が受け取れます。

契約期間終了時に生存している場合は保険金の支払いがなく、掛け捨ての保険で貯蓄性がないため、基本的には損金算入します。

従業員の定期保険に加入し、保険料10万円を支払った場合の仕訳は、以下のようになります。

借方貸方摘要
保険料100,000円普通預金100,000円従業員の定期保険を支払い

生命保険料(終身保険)の仕訳

終身保険は、保障が一生涯続く生命保険です。契約者が死亡した場合に死亡保険金が受け取れ、保険契約の解約時には解約返戻金が支払われます。保険金を必ず受け取れる保険であり、貯蓄性があるため、損金算入ではなく資産に計上します。

会社が受取人となる終身保険の保険料支払いで使う勘定科目は、「保険積立金」です。

終身保険の保険料30万円を支出したときの仕訳は、以下のとおりです。

借方貸方摘要
保険積立金300,000円普通預金300,000円終身保険の支払い

生命保険料(養老保険)の仕訳

養老保険とは、一定の保障期間を定め、満期時に死亡保険金と同額の満期保険金が支払われる生命保険です。一定期間の保障と貯蓄性を兼ね備えています。

会社が養老保険に加入して保険料を支出した際は、保険金受取人を誰に指定しているかによって処理が異なります。

まず、会社が死亡保険金・生存保険金の受取人となる場合、「保険積立金」の勘定科目で処理します。

会社を受取人とする養老保険金40万円を支出したときの仕訳例は、次のとおりです。

借方貸方摘要
保険積立金400,000円普通預金400,000円養老保険の支払い

死亡保険金の受取人が役員・従業員の遺族、生存保険金の受取人が会社の場合は、1/2を「保険積立金」として資産に計上し、1/2を「保険料」として損金に算入します。

40万円の保険料を支出した場合の仕訳例は、以下のとおりです。

借方貸方摘要
保険積立金200,000円普通預金400,000円養老保険の支払い
保険料200,000円

損害保険料(火災保険)の仕訳

会社が火災保険の保険料を支出したときは、「保険料」の勘定科目で損金算入します。

火災保険の保険料3万円を支出したときの仕訳例は、以下のとおりです。

借方貸方摘要
保険料30,000円普通預金30,000円火災保険料の支払い

保険の契約期間が1年を超える場合は、前に説明した「前払費用」による仕訳を行ってください。

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保険料の勘定科目や仕訳例を正しく把握しよう

法人や個人事業主が保険料を支払ったとき、保険の種類や保険金の受取人などで仕訳の勘定科目が異なるため、間違えないようにしましょう。個人事業主が自分の保険料を事業用口座から支払ったときは経費に計上できず、事業主貸で仕訳します。

1年を超える保険料を支払う場合は、決算時と翌期(翌々期)の仕訳も必要です。

保険料の仕訳は勘定科目を間違えないよう注意し、正しく処理しましょう。

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