- 更新日 : 2025年2月20日
資産とは何か?個人や会社、会計学上の資産について簡単に解説
資産とは会計学上、会社の経済主体に帰属する用益潜在力と定義されています。わかりやすく言うと、会社が持っている財産のことです。財産にはお金や商品の他、使用している機械や建物も含まれます。また、売掛金といった、これから受け取るお金の権利も資産になります。貸借対照表では左側に記載されますが、これは資産をどのように使っているかを表しているともいえます。今回は、会社や個人の資産について簡単に解説していきます。
資産とは何か?
資産とは、会社の現金や貯金(預金)だけでなく、建物や土地、機械設備などすべての財産のことです。
また、経営においてすでに保有している財産だけではなく、売掛金など将来会社に収益をもたらす可能性があり、金額で評価できるものも資産に含みます。
会計学上の資産
会計学的には、資産とは会社の経済主体に帰属する用益潜在力と定義されていますが、利益をもたらす可能性のあるもの全てが資産となるわけではなく、貨幣額で評価できる利益を生み出す確実性が大きいものだけが資産と定義されています。
内容については、前述した解説のとおりですが、もう少し具体的に掘り下げると、資産は流動資産・固定資産・繰延資産に分けることができます。
流動資産
物流資産とは現金、預金、貸付金など1年以内に現金化できる資産のことをさします。
固定資産
固定資産とは上記資産のうち1年以内に現金化しないものや、土地や建物など長期保有することを目的とした資産のことを言います。
繰延資産
繰延資産とは創立費、開業費など、その効果が将来にわたって及ぶものとして、税法上・会計上資産として計上すべき資産のことを言います。
資産は貸借対照表では左側に記載され、合計を総資産と呼び、以下の式で表されます。
(総資産) (他人資本) (自己資本)
会社における資産
一方、貸借対照表の右側(負債+純資産)は資産を手にするための「元手」です。
純資産(自己資本)は株主から集めた資本金等、返済義務のないお金をさします。
総資産と間違えやすいので注意しましょう。
個人事業主における資産
個人における資産も会社における資産の定義と大きく変わりません。
例えば個人事業者であれば、会社も個人事業者も資産の定義は全く同じです。
異なる点と言えば事業外の支出を振り替えるための勘定科目である「事業主貸勘定」があるくらいでしょう。
(「事業主貸勘定」は資産の部に表記されますが、実質的には貸方「元入金」のマイナス項目です)
具体的な勘定科目や金額は、青色申告で貸借対照表を作成している個人事業者の場合、貸借対照表の借方「資産の部」で確認することができます。
資産の定義は同じでも会社と個人事業者で異なるのが「資産」の表記方法です。
上記で解説したとおり、会社が作成する貸借対照表は会計学上、資産を「流動資産」「固定資産」「繰延資産」の3つに区分することとされています。
しかし個人事業者が作成する「青色申告決算書」の資産の部は3つに区分されていません。
資産についてご理解いただけましたでしょうか?
会計では、資産(財産)と負債+純資産(元手)を会社のお金の「運用(左側)」と「調達(右側)」とよくいいます。両者を記載する貸借対照表では「左右の合計が必ず一致」します。決算書(貸借対照表)から自社の実情を読み解くことができるよう、資産の内容を正しく理解しましょう。
よくある質問
資産とは?
会社の現金や貯金(預金)だけでなく、建物や土地、機械設備などすべての財産のことです。詳しくはこちらをご覧ください。
会計学上の資産とは?
会計学的には、資産とは会社の経済主体に帰属する用益潜在力と定義されており、「流動資産」「固定資産」「繰越資産」に分類できます。詳しくはこちらをご覧ください。
会社における資産とは?
純資産(自己資本)は株主から集めた資本金等、返済義務のないお金をさします。詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
会計の知識をさらに深めるなら
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
資産の関連記事
新着記事
神戸市で経理代行サービスを依頼するには?依頼先や対応範囲、費用などを解説
神戸市(兵庫県)で事業を営む方々、日々の経理業務に追われ、本業に集中できないと感じることはないでしょうか。人材の確保や、インボイス制度・電子帳簿保存法といった度重なる法改正への対応は、特に中小企業や個人事業主にとって大きな負担となりがちです…
詳しくみる複数基準配賦法とは?単一基準配賦法との違いや計算例をわかりやすく解説
より正確な原価計算を目指すうえで、複数基準配賦法は原価管理の精度向上に有効とされる手法の一つです。製造間接費を適切に製品へ配賦することで、経営判断の精度を高めます。しかし、単一基準配賦法との違いや、計算が複雑そうだと感じて導入をためらう方も…
詳しくみる単一基準配賦法とは?原価計算例や複数基準配賦法への検討をわかりやすく解説
原価計算の第一歩として、中小企業を中心に採用されることが多い「単一基準配賦法」。計算がシンプルというメリットがある一方で、実は原価情報の誤差が経営判断に影響する可能性があります。なぜこの方法では原価が不正確になることがあるのでしょうか。 こ…
詳しくみる消費税の申告とは?やり方を初心者にもわかりやすく解説
消費税の申告とは、対象事業者が期限内に正しい手順で納税額を計算し、申告・納税を完了させる手続きです。インボイス制度の開始にともない、これまで対象でなかった事業者も申告が必要になるケースもあるでしょう。 消費税の申告には一般課税と簡易課税の選…
詳しくみる予定配賦の仕訳とは?製造間接費の具体例や配賦差異の調整をわかりやすく解説
原価計算をタイムリーに行うために有効な手法の一つである「予定配賦」。とくに製造間接費の仕訳は、期中の配賦から年度末の配賦差異の調整まで、工業簿記の中でもつまずきやすいポイントの一つです。なぜ予定額で計算するのか、勘定科目はどうなるのか、悩む…
詳しくみる本社費の配賦基準とは?目安や会計処理をわかりやすく解説
多角化経営を行う企業にとって、本社費の配賦は、事業部ごとの正確な損益を把握するうえで欠かせない管理会計の手法です。しかし、どのような配賦基準を用いれば公平なのか、その目安や会計処理に悩む経理担当者も多いでしょう。この記事では、本社費配賦の基…
詳しくみる