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  • 更新日 : 2021年1月22日

交際費等の損金不算入制度の活路はこれだ!-飲食業編

損金不算入

法改正や規制緩和を背景として発展していくビジネスは多く存在しています。

今回は、飲食業界に関連する税制を紹介します。

飲食業を営む方は、ぜひ参考にしてください。

交際費等とは、企業が得意先などの事業関係者に対し、取引関係を円滑にすることを目的として、接待のための飲食費や贈答行為を行う場合に支出する費用を言います。
この交際費等は、会計上も費用計上することが認められていますが、税務上は一定の金額を超える場合は、損金とは認められず、課税対象(不算入)になります。
(注)接待飲食費のうち、1人あたりの支出額が5,000円以下のもの(社内飲食費を除く)は、交際費等に該当せず、損金として認められています。

期末資本金1億円以下の企業の場合

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  • 期末資本金が1億円以下の企業は、800万円までの全額が損金算入できます。

(注)期末資本金1億円以下の企業のうち、期末資本金5億円以上の大企業と完全支配関係にある場合(グループ企業など)は、以下の「期末資本金1億円超の企業の場合」と同様、支出飲食費(社内飲食費を除く)の50%が損金算入限度額となります。

期末資本金1億円超の企業の場合

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期末資本金1億円超の企業は、支出飲食費(社内飲食費を除く)のうち、50%が損金として認められます。

大企業は、交際費の額も多額であるため、ビジネスパーソンをターゲットにした戦略は、売上増加につながるといえるでしょう。

飲食店にとっての影響は?

話が少しずれますが、飲食店の何割が黒字化しているかご存知ですか?

国税庁の会社標本調査によると飲食店全体の約3割程度が黒字企業という結果が出ています。
これは残りの約7割は赤字であるということを意味しています。
(参考:国税庁 平成28年度分「会社標本調査」調査結果について)

参入障壁の低さのために競争が激化し、価格競争になってしまっていることが要因のひとつとして考えられます。

大企業の平均交際費は?

そこでおそらく気になるのは、現状いくら交際費が発生しているのかというところではないでしょうか。

  • 黒字の大企業で、会社の平均交際費が3,712万円
  • 欠損(赤字)の大企業で、1社平均の交際費支出額は約1,041万円 

という結果が出ています。
*参考:国税庁 会社標本調査 平成28年度調査結果より

以上より、1年間で多額の交際費が支出されていることがわかります。この交際費のうち、限度額までは損金として認められているので、税制が飲食業界に与える影響も大きいと言えるでしょう。

以下では、飲食業界の方が、この税制を有効活用できる戦略について解説します。

店舗運営

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まず、ターゲットとする顧客層にあった(今回であれば40~50代のビジネスパーソンの方がメインになると考えられます)雰囲気のお店作り。
具体的には、落ち着いていて個室があり、くつろげる空間であることが大事でしょう。

続いて、人の効率的な活用を意識する必要があります。
人手不足になってしまうとサービスが行き届かないためにお客様に満足していただくこともできず、

  • 再訪に繋がらない
  • お店の評判が落ちる 

という状況にならないように注意してください。

また現在、学生などをターゲットにしている場合、少し高級なコースを新たに設定するなどして戦略の転換を図ることが、新たな顧客の開拓に繋がるかもしれません。

ずばり!出店するならこんな店だ!

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では、具体的にはどのような形態のお店なのでしょうか?
以下のようなお店を提案してみたいと思います。

【ステーキ屋】
ステーキ

価格で勝負するのではなく、質で勝負をするお店を想定しています。

出店にあたり、たとえば客単価を2万円程度に設定します。
それは、大企業の接待相手はおそらくその企業と同等以上の企業であると思われるため、料理の質だけでなくお店の外観・内装などにもこだわる必要があると考えられるからです。

またスーツでの来店が多くなると予想できますので、臭いのつかない工夫や紙エプロンなど、徹底してこだわると好印象でしょう。

【ふぐ屋】
フグ

ふぐ屋を新規出店するに当たっては、そもそもフグ調理師免許が必要・水槽などのメンテナンスが必要などの懸案事項があります。

また現在、格安店(客単価6千円程度)も台頭しているため、新規出店をすることのハードルは高くなっています。

ただ、フグという食だけでなく、日本酒や焼酎など他店とは違った物を取り揃えられれば出店の価値ありと言えるでしょう。

フグ店はお店によって値段の違いが一目瞭然であり、また出店にあたってフグの調理師免許の取得・フグの産地・天然か養殖か・水槽のメンテナンス・他店との差別化など検討すべき要素は多々ありますが、金額以上の価値を見出せるのであれば、収益を上げられる可能性は高まると考えられます。

【フレンチ】
フレンチ

最近では、低価格帯フレンチ料理店(客単価4千円程)が台頭しております。
しかし接待という場において、低価格帯のお店を選んでしまうと逆に印象が悪くなってしまうかもしれません。

フランス料理店において重要なことは、味はもちろん、ブランディングが重要といわれています。シェフが●●ホテルで料理長をしていたなど、これは接待先に対して印象を残すという観点からも重要になってきます。

以上の高級路線の3形態が出店には望ましいでしょう。

いかにマネージャークラス以上のビジネスパーソンに利用してもらえるかを考え抜き、しっかりとした計画運営を行う事によって、顧客の数は少なくても収益を上げられる可能性があるでしょう。

まとめ

以上をまとめると、

  • 企業の交際費の損金算入限度額は以下のとおり
  • ※期末資本金が1億円以下の企業では800万円、期末資本金1億円超の企業でも支出飲食費(社内飲食費を除く)の50%が交際費として損金算入する事が出来る

  • 企業の交際費需要に合わせた店舗運営の戦略(価格・店構えなど)の検討が大事
  • ということがいえます。

    交際費等の損金不算入制度は、時限立法です。

    飲食業界の方は、この制度が施行されているうちに、ビジネスパーソン向けの戦略を実施することにより、新たな顧客や需要の開拓が期待できるのではないでしょうか。

    交際費についてより詳しい情報を知りたい方は以下のサイトをご参照ください
    国税庁|交際費

    ※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

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    監修:土屋 英則 (税理士)

    税理士法人ゆびすい
    ゆびすいグループは、国内8拠点に7法人を展開し、税理士・公認会計士・司法書士・社会保険労務士・中小企業診断士など約250名を擁する専門家集団です。
    創業は70年を超え、税務・会計はもちろんのこと経営コンサルティングや法務、労務、ITにいたるまで、多岐にわたる事業を展開し今では4500件を超えるお客様と関与させて頂いております。
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