寄付をした場合

一定の寄付をすると寄附金控除が適用され、確定申告時に所得控除や税額控除を受けることができます。ここでは、確定申告時の寄附金控除の適用の範囲や控除のしくみ、また寄付文化について説明します。

寄附控除制度の趣旨

欧米では、自己の財産・資産を社会に還元したいという寄付文化が根付いています。個人が積極的に寄附を行い、寄附をしたお金をTax Retrunの際に申請をすることで、一定額を減税できるというしくみがあるのです。これは、自分の税金処理はすべて自分で行うという文化の国ならではのものかもしれません。一方で、日本では社会に還元したいと考えても、そういった環境が欧米ほど整ってはいないのが現状です。寄附金控除は、社会還元・社会福祉に参加する敷居を下げる意図もあると言われています。

特定寄附金とは

寄附金控除は寄附をしたすべての金額が控除対象となるわけではありません。まずは控除の対象となる特定寄附金を知る必要があります。主な特定寄附金は下記のとおりです。

・国や地方公共団体に対する寄附金

・指定寄附金(公益社団法人などに対する寄附金で、幅広く一般に公募された緊急性の高いもの)

・特定公益増進法人への寄附(学校法人、社会福祉法人、日本赤十字など)

・政治活動に関する寄附金の一部

・認定NPO(NPO-非営利団体)法人に対する寄附金の一部

控除を受けるためには領収書や寄附をしたことを証明する書類を、確定申告書に添付、もしくは申告時に提示する必要があります。

参考
No.1150 一定の寄附金を支払ったとき(寄附金控除)|所得税|国税庁)
寄附金を支出したとき|税について調べる|国税庁

個人で寄附金を出したときの確定申告

どこに対する寄附金かによって、大きく2つの方法にわかれます。国や地方公共団体に寄附をした場合は寄附金控除(所得控除)、政治活動に関する寄附やNPOへの寄附の場合は、寄附金控除(所得控除)と寄附金特別控除(税額控除)のどちらかを選択できます

なお、特定寄附金のうち適用対象となるのは所得金額の40%が限度とされています。どちらの控除にもさらに細かな規定がありますので、申告をする際には、必ず詳細を確認してから行うようにしましょう。

1.寄附金控除(所得控除)
(年内の特定寄附金の総額)−2,000円=寄附金控除額

2.寄附金特別控除(税額控除)
(ア)政党寄附金の場合
((政党寄附金合計額)−2,000円)×30%=政党等寄附金特別控除

(イ)NPOなどの場合
((NPOなどへの寄附金合計額)−2,000円)×40%=認定NPO法人等寄附金特別控除額

(ウ)公益社団法人などの場合
((公益社団法人などへの寄附金合計額)−2,000円)×40%=公益社団法人等寄附金特別控除額

ふるさと納税をした場合の確定申告

ふるさと納税は上記の特定寄附金とは別のものとして考えられていますが、他の特定寄附金と同様に確定申告をすることで控除をうけることが可能です。寄付した合計金額が2,000円を超えた人が適用対象となり、所得税・住民税から一定の金額を控除することができます。複数の自治体へ寄付をしたら、その合計額で計算をします。

1.所得税からの控除額=寄附金合計額−2,000円
2.住民税からの控除額(基本分)=(寄附金合計額−2,000円)×10%
3.住民税からの控除額(特例分)=(寄附金合計額−2,000円)×(100%−10%−所得税率)

ただし、3は住民税所得割額×20%が限度になります。

例えば、給与所得450万円の会社員が複数の自治体に合計50,000円のふるさと納税をしたとしましょう。その場合は、以下のようになります。

所得税からの控除額:50,000円−2,000円=48,000円
住民税からの控除額(基本分):(50,000円−2,000円)×10%=4,800円
住民税からの控除額(特例分):(50,000円−2,000円)×(100%-10%-20%)=33,600円
住民税からの控除額合計:4,800円+33,600円=38,400円

所得税の還付額と住民税の控除額を足すと48,000円になります。つまり、2,000円を超えた金額のすべてが控除されることになります。

なお、平成49年までの期間は復興特別所得税率も加味した税率が所得税率となります。

また、これは個人でふるさと納税をした場合の計算方法ですが、法人もふるさと納税をすることが可能です。その場合は、国や地方公共団体へ寄附金と捉えられ、寄付した全額を損金算入することが可能であり、一定の金額が法人住民税等から控除されます。

募金や義援金も確定申告できる?

駅前で募金活動をしている人たちに直接募金をしたり、コンビニのレジ横にある募金箱に募金をしたりした場合も確定申告で控除ができるのでしょうか?

私たちにとっては一番身近な募金方法かもしれませんが、この方法の場合は寄附金控除の適用はできません。募金や義援金も控除対象ではありますが、支払った証明ができないからです。

募金や義援金をするときは、支払った証明ができる方法で行うことがポイントです。例えば、銀行や郵便貯金の口座から支払い、その振込用紙の控えや利用明細票などを確定申告字時に提出することで、寄附金控除を受けることができます。

法人で寄附金を出した場合の損金算入

法人の場合は、国や地方公共団体への寄附金と指定寄附金については、支払った寄附金の全額が損金算入できます。それ以外の寄附金については一定金額が損金算入可能です。

一般の寄附金
以下の計算式で損金算入限度額を求めることができます。
{(資本金等の額×(当期月数/12)×(2.5/1.000)+所得の金額×(2.5/100))}×(1/4)=寄附金控除額

国や地方公共団体への寄附
全額を損金算入することができます。

特定公益増進法人、特定公益信託、NPO法人などに対する寄附金
次の2種類の計算をして少額のほうが損金算入となります。
1.特定公益増進法人への寄附金総額
2.{資本金等の額(当期月数/12)×(3.75/1.000)+所得の金額×(6.25/100))}×(1/2)
参考:「寄附金を支出したとき」(PDF/556KB) – 国税庁

まとめ

寄付と一言でいっても「ふるさと納税」や「震災義援金」など様々なものがあります。寄附金の制度を理解することで、社会貢献もしつつ節税することも可能になります。どんな寄附金にいくら支払ったかがわかるようにしておき、確定申告までしっかりと対応しましょう。

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監修:土屋 英則 (税理士)

税理士法人ゆびすい
ゆびすいグループは、国内8拠点に7法人を展開し、税理士・公認会計士・司法書士・社会保険労務士・中小企業診断士など約250名を擁する専門家集団です。
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