- 更新日 : 2024年8月8日
買い替えの方がお得!?中小企業投資促進税制を使って賢く設備投資!
中小企業にとって、設備投資は大きな負担として両肩にのしかかります。しかし、一方で既存の古い設備のままでは生産性が向上しません。そういったジレンマを抱える方も多いのではないでしょうか。
そんな中、今回紹介する中小企業投資促進税制はうまく活用することで、設備投資によって発生する税金を大幅に節約することができるようになります。もちろん、全ての設備投資に適用されるわけではなく、一定の要件が定められています。
今回はどういった場合に「中小企業投資促進税制」を適用することができるのかを解説していきます。
目次
中小企業投資促進税制とは
中小企業投資促進税制とは、機械装置などの税制対象の設備を購入したり、製作したりした場合に特別償却か税額控除のどちらかを選択できる制度のことです。さらに、一定の条件を満たすと特別償却もしくは税額控除に加え、さらに上乗せして節税ができる措置もあります。
各種条件を満たした上で、平成31年3月31日(今後延長される可能性もあります)までに設備を購入し、指定された事業に使用した場合にのみ適用されます。では、本制度を適用される条件を確認しましょう。
制度を利用するための条件
中小企業の定義
最初に、中小企業投資促進税制を受けることができる中小企業の条件を紹介します。下記の区分に当てはまれば、中小企業に該当します。す。
・資本金又は出資金の額が1億円以下の法人の場合
・資本金又は出資金をもたない法人のうちで、常時使用する従業員が1,000人以下の法人の場合
・個人事業主で、常時使用する従業員が1,000人以下の場合
・農業組合など
特別償却と税額控除に必要な条件
次に、特別償却と、税額控除を受ける条件を解説します。中小企業の中でも、中小企業投資促進税制の適用対象は、さらに下記の条件のどちらかを満たすものに限られます。
1.個人事業主の場合及び資本金3,000万円以下の法人
2.資本金3,000万円を超え、1億円以下の法人
このどちらにも該当しない場合は、税制の適用対象外となります。また、大規模法人から2分の1以上の出資を受けている場合や、複数の大規模法人から3分の2以上の出資を受けている場合も、適用対象外となります。
上記の条件に加え、さらに投資する設備の種類と投資額にも条件があります。
ここまでの条件を満たしかつ、上記1.に該当すれば、特別償却か、税額控除のいずれかを受けることができます。上記2.に該当する場合は、特別償却のみ受けることができます。限度額が定められていますので注意が必要です。特別償却の限度額の計算方法は以下の通りです。
特別償却限度額
基準取得価額×30%+普通償却限度額
※基準取得額⇒ ・船舶:取得価額×75%
   ・その他の資産:取得価額
また、税制控除の限度額の計算方法は以下の通りになります。
税額控除限度額
基準取得価額×7%
※ 税額控除限度額>法人税額×20%の場合、税額控除限度額は法人税額×20%
※2 20%を超えた分は1年間の繰越が可能
※3 前述2の法人は適用なし
適用される事業
中小企業投資促進税制は全ての事業に対して適用される訳ではありません。以下が適用対象となる事業です。
上乗せ措置を受けるために必要な条件
上乗せ措置の内容は以下の表のものになります。
上乗せ措置を受けるための投資は「生産性向上に資する設備」であると認定を受ける必要があります。認定を受けるための条件は「先端設備である」もしくは「生産ラインやオペレーションの改善に資する設備である」のどちらかです。では、次にこれら2つに認定されるための条件を確認しましょう。
※上乗せ措置の適用は、平成29年3月31日までに、取得や製作等をして事業の用に供した場合のみ利用できます。
中小企業投資促進税制の上乗せ措置は、平成29年度税制改正において、中小企業経営強化税制に改組されました。
先端設備とは
先端設備の対象となるのは、機械装置、サーバー用電子計算機、試験又は測定機器、一定のソフトウェアでかつ、次の3つの条件を満たす必要があります。
・旧モデル比で生産性が年平均1%以上向上するもの(ソフトウェアは除く)
・表1の取得価額要件を満たしていること
※サーバー用電算機、ソフトウェアを複数台購入して要件を満たす場合、1台・1基あたりの取得価額が30万円以上であること
生産ラインやオペレーションの改善に資する設備とは
これに該当するものは、機械装置、試験又は測定機器、一定のソフトウェアに加え、測定工具・検査工具、一定のデジタル複合機、一定の電子計算機です。その上で次の2つの条件を満たす必要があります。
5%以上になることを承認されるためには税理士又は公認会計士のサポートが必須になります。
「営業利益+減価償却費」の増加額 / 設備投資額 ≧5%
※サーバー用電算機、ソフトウェアを複数台購入して要件を満たす場合、1台・1基あたりの取得価額が30万円以上であること
申請方法
中小企業投資促進税制を受けるためには、これまでに紹介した諸条件を満たすだけでなく、自分から申請する必要があります。最大で10%も税額が控除される可能性がある制度ですので必ず申請する様にしましょう。また、申請方法は個人事業主と法人で異なりますので注意してください。
個人事業主の場合
特別償却を申請する場合には、青色申告の「減価償却の計算」に記載する必要があります。税額控除を申請するときには、「中小企業者が機械等を取得した場合の所得税額の特別控除に関する明細書」を確定申告の際に添付して提出する必要があります。
法人の場合
特別償却を申請するときには、法人税の確定申告をする書類に「特別償却の付表(二)」と「適用額明細書」を併せて提出する必要があります。税額控除を申請する場合には、法人税の確定申告書類に「別表」(中小企業者等が機械等を取得した場合の法人税額の特別控除に関する明細書)と「適用額明細書」を添付する必要があります。
中小企業投資促進税制を利用するときのQ&A4選
Q1.中古資産でも適用できる?
A,できません。適用対象は「新品」に限られます。
Q2.5年後くらいに使う予定のものだけど、今のうちに買っておいても適用内?
A.適用を受けるためには事業年度中に取得・使い始め(稼働し)なければなりません。したがって適用外です。逆に支払が完了していなくても取得・稼働していれば適用されます。
Q3.検査工具と電子計算機の両方で価額要件を満たすから、適用は受けられる?
A.受けられません。適用要件の判定は「一定の試験又は測定機器、測定工具、検査工具」の合計価額、「一定の電子計算機」の合計価額でそれぞれ別で行われます。
Q4.リース資産は適用外?
A.リース資産については、ファイナンス・リース取引のうち所有権移転リース取引により賃借人が取得したものとされる資産については対象となります。ただし、ファイナンス・リース取引のうちの所有権移転外リース取引により賃借人が取得したものとされる資産については、税額控除の規定のみの適用となります。
まとめ
中小企業投資促進税制の利用による節税額は、とても大きくなるケースがあります。特別償却は本来何年もかかって少しずつ経費となるものをまとめて経費として計上できるため、課税所得の圧縮に大いに貢献してくれます。
なお、本税制を利用できる期間は平成31年3月31日までと限られているため、積極的に活用して資産負担を軽くしましょう。また、平成29年度税制改正において、中小企業経営強化税制が創設されたため、あわせてご確認頂くことをお勧めします。
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