- 更新日 : 2025年2月20日
EDINETとは?有価証券報告書等の開示書類がデータ化され検索も可能!
EDINETは、金融庁が公開している有価証券報告書などを開示閲覧するシステムです。
気になる企業の有価証券報告書の閲覧やダウンロードが簡単にでき、同業他社などの状況を知る目的などにも利用できます。
いつでも誰でも利用できるEDINETについて、概要をまとめましたので是非参考にしてください。
EDINETとは?
EDINET(エディネット)とは「Electronic Disclosure for Investors’ Network」の略語で、金融庁が公開した「金融商品取引法に基づく有価証券報告書等の開示書類に関する電子開示システム」のことを指します。
EDINETでは、内閣府のホストコンピューターと提出会社の使用するコンピューター、そして金融商品取引所等のコンピューターを結んだ、開示文書に関する大規模な電子情報開示システムです。
EDINETは、アメリカの証券取引委員会(SEC)が運営する情報開示システムであるEDGARをモデルとして構築されたシステムです。原則24時間365日稼働し、誰でも開示文書をウェブサイト上で閲覧できます。
EDINETは2000年の証券取引法改正の際に導入され、2008年からは新EDINETシステムの運用が開始されました。以前のものと比較した新EDINETの特徴として、閲覧者・提出者双方の利便性の向上、また財務情報等についての国際標準のコンピュータ言語であるXBRLの導入などが挙げられます。
新EDINETは企業が提出するデータ形式をXBRLにすることによって、従来のHTML形式での閲覧だけでなく、情報をさらに分析したいアナリストにも効率的に企業データが利用できるようになったのです。
EDINETは、2005年にライブドアがニッポン放送の買収を企てた際に、多くの報道等で触れられ一時話題となりました。
EDINETにより開示書類を電子データで提出可能に
EDINETの登場により、これまで紙媒体による提出を行なっていた有価証券報告書や四半期報告書、有価証券届出書などの開示書類を、電子データ形式で提出することが可能となりました。また、開示された書類はWEB上で自由に閲覧が出来ます。
EDINETの提出義務や提出方法
有価証券報告書を紙で提出していた時には「上場企業のみ」の発行でしたが、EDINETに切り替わってからは、提示された条件に合う企業は非上場会社であっても提出義務があり、その情報は公開されるようになりました。
有価証券報告書の提出期限は、金融証券取引法第24条において、事業年度経過後3月以内と決められています。
しかしながら、「やむを得ない理由により期間内に提出できないと認められる場合には、内閣府令で定めるところにより、あらかじめ内閣総理大臣の承認を受けた期間内」に提出すればよいとされています。
実際、新型コロナウィルス感染症の影響などを考慮した内閣府令により、2020年4月20日から9月29日までの期間に提出期限がくる有価証券報告書等については、一律に2020年9月30日まで提出期限を延長する措置が取られました。また、それ以降の遅延についても対応があります。
EDINETによる有価証券報告書等の提出方法については、「EDINET 書類提出操作ガイド」に詳しく記載されています。まずは、EDINET内に「提出者のサイト」が設けられていますので、登録をしてから始めます。なお、EDINET提出用のデータを作成する業者もよく見かけます。
EDINETで有価証券報告書を検索・閲覧する方法
EDINETによる検索はとても簡単です。
- EDINETのトップページで、「書類検索」を選択します。
- 「提出者/発行者/ファンド」の欄に会社名を入れます。証券コードやEDINETコードでも可能です。
EDINETコードは、アルファベットと数字でできており、1文字目は「E」で始まり、2文字目以降は5桁の数字となっています。EDINETコードは、EDINETのウェブサイトからダウンロードすることができます。 - 「検索」ボタンを押すと、直近に提出したものから順に表示されます。
- 開示書類を選択すると別ウィンドウが開き、書類が表示されます。
EDINETのサイトには操作ガイドも備わっていますので、閲覧したい情報について詳細な検索も可能です。
【引用】EDINETの書類検索
EDINETを活用しよう
EDINETによる報告が強制されたのは2004年でしたので、それ以前は有価証券報告書を見たいときは、金融庁で閲覧するか、書店で購入する方法ぐらいでした。
EDINETは、企業が一度開示した書類を任意に改変することができない強固なしくみとなっているため、投資家にとっては信頼できるシステムが手軽に利用できるようになったわけです。
「企業の情報の宝庫」とまで言われるEDINETです。気になる企業があれば検索をしてみましょう。
よくある質問
EDINETとは?
金融庁が公開した「金融商品取引法に基づく有価証券報告書等の開示書類に関する電子開示システム」のことです。詳しくはこちらをご覧ください。
EDINETの提出義務は?
上場企業だけでなく非上場会社にも提出義務があります。詳しくはこちらをご覧ください。
EDINETで有価証券報告書を検索・閲覧する方法は?
EDINETのサイトの「書類検索」から検索・閲覧できます。詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
会計の知識をさらに深めるなら
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
関連記事
パーシャルスピンオフ税制とは?対象になるスピンオフや認定に必要な手続きを解説
パーシャルスピンオフ税制とは、2023年度に創設された特例措置のことです。一定の条件下でパーシャルスピンオフを実施した会社の譲渡損益課税が繰り延べられ、株主に対する配当課税が非課税となります。 ただし、適用には事業再編計画認定要件などを満た…
詳しくみる持ち帰りとイートインスペース利用、軽減税率の適用基準や罰則は?
2019年10月、消費税が10%に上がるにともない、生活に密接にかかわる飲食物については、そのほとんどが現行の消費税のまま8%に据え置かれる、軽減税率の措置が取られることが決まっています。 しかし、同じ飲食物でもすべてが対象になる訳ではあり…
詳しくみるISSBとは?IFRSサステナビリティ開示基準の内容や今後の動向を解説
IFRSとは国際財務報告基準のことを指します。グローバル化が進む中、世界で会計基準を統一することを目的に制定されました。これに関連してISSBという機関が設立されたのです。この記事では、ISSBの概要とIFRSサステナビリティ開示基準(S1…
詳しくみる経理のペーパーレス事例7選!実現に向けた課題や進め方、失敗事例も解説
経理におけるペーパーレス化には多くのメリットがあります。しかしながら、実施には多くの課題もあります。 目的意識があいまいなまま物事を進めてもうまく行かないように、ペーパーレス化においても計画性が重要で、法的・技術的課題もあります。 本記事で…
詳しくみる工事原価と4つの構成要素をわかりやすく解説
建設業では、工事原価といって、工事ごとに原価計算を行い、完成工事高(収益)との対応を行ったのちに、利益を計算します。それでは、工事原価にはどのようなものが含まれるのでしょうか。この記事では、工事原価の概要、工事原価を構成する4要素、工事原価…
詳しくみる外貨建取引と外貨建取引等会計処理基準について解説
一般的な商取引では、取引金額は「円建て」で行うのが通常です。しかし、海外の企業との取引では「ドル建て」「ユーロ建て」といったような外国通貨で行うこともあります。今回は外貨建て取引と、国内において外貨建取引を会計処理する際のガイドラインである…
詳しくみる