- 更新日 : 2026年2月18日
経費精算時の未払金の扱いは?仕訳や年度またぎの際の注意点を解説
未払金とは、単発的な取引から発生した債務を対象とする勘定科目を指します。経費精算時の未払金の扱いに対しては、支払期日に応じて取り扱い方が異なるため、注意が必要です。
本記事では、経費精算時の未払金の扱いや未払金と混同しやすい勘定科目、立替経費の精算で未払金を計上する場合の仕訳などについて解説します。
目次
経費精算時の未払金の扱い
未払金とは、通常の営業に関連しない、単発的取引によって生じた債務に用いる勘定科目のことです。決算日において、ワン・イヤー・ルールの適用を受けます。
貸借対照表日の翌日から1年以内に支払期日が到達するものは「未払金」として流動負債の部に計上されるのが特徴です。また、支払期日が1年を超えるものは「長期未払金」として固定負債の部に計上されます。
買掛金や未払費用など同く負債の部にあるものに含まれないよう、しっかりと区別できるようになりましょう。
未払金の具体例
勘定科目に未払金を使う具体的な例としては、次のようなものを後払いで購入した場合が挙げられます。
- 事務用品
- 消耗品
- 備品 など
そのほか、広告のデザインや自動車修理などを外部に後払いで依頼した場合などが挙げられます。ほかにも、物品をクレジットカード払いで購入した場合なども未払金に該当します。
支払期日が事業年度末日の翌日から1年以内の場合
未払金に適用されるものとして、ワン・イヤー・ルールがあります。ワン・イヤー・ルールとは、貸借対照表において資産・負債を流動/固定のどちらに分けるかを判断するための基準です。
支払期日が事業年度末日の翌日から1年以内に来るか、1年を超えるかによって計上先が異なるため注意しましょう。支払期日が事業年度末日の翌日から1年以内に来る場合は、未払金として流動負債に区分されます。
支払期日が事業年度末日の翌日から1年超の場合
支払期限が事業年度末日の翌日から1年超のものは、長期未払金として固定負債の部に計上されます。
長期未払金とは、通常の営業活動で発生する買掛金以外のもので、サービスの提供自体はすでに完了しているものの支払いがまだ終わっていないものに用いる勘定科目です。具体的な例としては、次のようなものがあります。
- 1年以上支払いが滞っている債務
- 1年以上にわたって割賦で支払う債務
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未払金と混同しやすい勘定科目
未払金と混同しやすい勘定科目も存在するため、違いを把握しておきましょう。混同しやすい勘定科目には、未払費用や買掛金などがあります。それぞれ詳しく見ていきましょう。
未払費用
未払費用とは、継続的に利用するサービスへの支払いが後払いになる場合に使う勘定科目のことです。未払費用は、貸借対照表上では負債にあたります。
未払費用の具体的な例は、次のようなものです。
未払金との違いは、未払金は商品の引き渡しやサービスの提供が完了しているのに対して、未払費用は役務提供のすべてが完了していない状態にあります。未払金と未払費用はどちらも代金をまだ払っていない状態ですが、次のような点が相違点です。
未払金:役務提供が全て完了し、支払も確定済みだが、まだ支払っていない代金である
商品・サービスの引き渡し/提供が終わっている取引に使用する
未払費用:役務提供が全て完了しておらず、既に受けた役務提供について支払っていない代金である
サービスを受けている途中の取引に使用する
上記からわかるように、未払費用はサービスを受けている途中で期間の経過に対して費用が発生することになるため、負債として計上します。
買掛金
買掛金とは、通常の営業活動(取引先からの仕入など)から発生する買入代金で、未払いであるものに使う勘定科目のことです。貸借対照表上においては、負債にあたります。
買掛金の具体的な例は、次のとおりです。
- 商品の仕入れ
- 外注加工の依頼費用
- 原材料などの仕入れ など
未払金との違いは、それぞれの費用がどのようにして発生したかにあります。未払金と買掛金は、どちらも確定した未払いです。
- 買掛金:原材料や商品を仕入れた際の未払分に使う勘定科目
- 未払金:上記以外の確定している未払分
買掛金と未払金・未払費用を区別するうえでの注目点は、仕入れに関連しているかどうかという点です。
立替経費の精算で未払金を計上する場合
立替経費の精算で未払金を計上する場合の仕訳方法を解説します。立替経費とは、会社が本来は支払う必要のある費用を、一時的に従業員が立て替えることです。従業員が立て替えた費用を精算する処理のことを、立替経費精算と呼びます。
立替経費は、従業員に肩代わりしてもらっている経費であるため、会社はその分の費用を返す必要があります。
<例>事務用品5万円分を後払いで購入した場合:
| 借方 | 貸方 | 摘要 | ||
|---|---|---|---|---|
| 消耗品費 | 50,000円 | 未払金 | 50,000円 | 事務用品50,000円分の 未払金 |
上記代金5万円を預金から支払った場合:
| 借方 | 貸方 | 摘要 | ||
|---|---|---|---|---|
| 未払金 | 50,000円 | 普通預金 | 50,000円 | 未払金を預金から支払い |
未払金の経費精算が年度をまたぐ場合の注意点
月/年度またぎの経費精算とは、従業員が立て替えた交通費や経費などの精算を月や年度をまたいで行うことです。
月/年度をまたいでいても、経費精算自体は行えます。従業員が立て替えた経費は、従業員の債権に該当し、債権の時効は民法で5年と定められているため、従業員は5年間経費精算を行うことが可能です。
未払金の経費精算が年度をまたぐ場合の注意点について、解説します。
信用低下の恐れがある
年度またぎの経費精算を行った場合、社外からの信用低下を招く恐れがある点には注意が必要です。年度をまたいで経費精算が発生すると、決算業務の遅れを招くほか、決算のやり直しにもつながります。
また、決算書は企業の経営状況を金融機関や取引先といった外部の関係者に報告する役割も持ちます。決算の遅れや訂正が発生すると、この会社は決算を正確に行えていないと判断されかねません。
会社の社会的信用を維持するためにも、未払金の経費精算が年度をまたがないように注意しましょう。
追加コストが発生する
前述したように、年度またぎの経費精算が発生すると、経理処理のやり直しが必要です。
対外的には社会的信用が低下する恐れがありますが、社内では経理担当者に追加作業を強いることになります。担当部署の作業負担が増えて、それに伴う人的コストも発生するため、未払金の経費精算が年度をまたがないように社内周知を行いましょう。
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未払金の意味を理解して適切に経費精算をしよう
未払金を経費精算する場合には、ワン・イヤー・ルールの適用を受けます。支払期日が事業年度末日の翌日から1年以内の場合と1年超の場合では、対応が異なるため注意しましょう。
また、 未払金と混同しやすい勘定科目としては未払費用や買掛金などが挙げられます。経理担当者としてはミスが許されないため、しっかりと違いを理解しておいてください。
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