- 更新日 : 2026年1月27日
休眠会社の決算はどうする?必要な申告や手続きを解説
休眠会社も、通常の株式会社と同様に決算申告をしなければなりません。加えて、法人住民税や固定資産税の納付、役員の任期満了に伴う登記も義務付けられています。本記事では、休眠会社の概要や課されている義務を詳しく解説します。加えて、休眠会社の将来を考えるポイントも紹介するため、会社が休眠状態の場合はぜひ参考にしてください。
目次
休眠会社でも決算および申告が必要
休眠会社であっても、税務申告は義務付けられています。通常の株式会社と同様、決算期ごとに申告しなければなりません。
休眠会社とは、事業活動は停止しているものの存続している会社のことです。税務署や市町村、都道府県に届出を出すことで、休眠会社とする手続きができます。
会社の休眠とみなし解散の違い
みなし解散とは、12年間登記上の変更がない株式会社に対して経営実態がないとみなし、法務局が登記を抹消することです。
株式会社の役員には任期があり、最長で10年に設定できます。役員は登記事項であるため、同じ役員が10年の任期を終えたのちも再選という形で役員を継続するのであれば、登記も再度行わなければなりません。つまり、株式会社は少なくとも10年に1度は登記をしなければならないということです。
登記を行わず12年経過した株式会社は、登記に対する信頼の維持や防犯の観点から、法務局によって登記を抹消され、「休眠会社」となります。
つまり、休眠会社は自らが休眠の届出を行った会社のほか、みなし解散によって登記を抹消された会社も含まれます。
会社の休眠と廃業の違い
廃業とは、会社が債務を支払える状態で、事業主が自主的に事業を終了させることです。なお、廃業は債務が支払えなくなって事業を終了させる倒産とは異なります。
会社の休眠は、会社は存続しているものの事業活動を停止している状態です。一方で、廃業では事業活動を終了しています。
届出によって休眠状態となった会社は「再開届」を提出することで事業を再開でき、みなし解散による休眠会社も3年以内であれば「会社継続登記」を行うことで事業の再開が可能です。しかし、廃業した会社は事業を再開できません。
休眠会社にも義務付けられていること
休眠会社であっても、通常の株式会社と同様に以下の事項が義務付けられています。
- 決算申告
- 法人住民税の支払い
- 固定資産税の支払い
- 役員変更の登記
それぞれについて、以下で詳しく見ていきましょう。
決算申告
休眠会社であっても、税務署への決算申告は義務付けられています。事業活動をしておらず、売上が0円の場合は法人税も0円となります。ただし、申告の義務が免除されるわけではありません。また、罰金などの定めもないのが現状です。
2期連続で申告を行わなければ、青色申告の承認が取り消されます。もし休眠状態から復帰して事業を再開する意思がある場合は、毎年申告しておくと安心です。
法人住民税の支払い
法人税が0円であっても、法人住民税は納付しなければなりません。都道府県や市区町村に納付する法人住民税には「均等割」があり、利益の有無にかかわらず納税の義務があるためです(ただし、後述する通り免除される場合もあります)。また、決算申告は税務署だけでなく、都道府県税事務所や市区町村に対しても行う必要があります。
固定資産税の支払い
会社が休眠状態であっても、会社の保有する試算にかかる固定資産税は支払わなければなりません。会社が事業活動を行っているかどうかは、固定資産税には無関係です。土地や建物、看板など、固定資産税のかかる資産がある場合は、忘れずに納付しましょう。
役員変更の登記
休眠会社の場合も、通常の株式会社と同様に役員の登記が必要です。通常、取締役の任期は2年、監査役の任期は4年ですが、株式非公開の会社であれば最長10年に設定できます。いずれの場合も任期満了に伴い新たな役員の登記が必要で、同じ人が再任する場合でも再度登記しなくてはなりません。休眠状態だからといって登記を忘れないよう、注意が必要です。
休眠会社の法人住民税が免除されるケース
休眠会社の場合、休眠届を提出しているなどの条件を満たすことで法人住民税の均等割が免除される場合もあります。条件は自治体によって異なるため、免除を希望する場合は問い合わせてみましょう。
ただし、少しでも売上や経費が生じている場合は、免除は認められません。
休眠会社を維持すべきか検討する際のポイント
休眠会社を将来的にどうするかは、先の見通しを考慮して決める必要があります。今後、株式会社として事業を再開する見込みがあれば、再度会社を設立する手間を考えて休眠状態を維持しておいてもよいでしょう。「先の見通しが立っておらず、保留の状態にしておきたい」という場合も、休眠状態を維持しておいた方が無難です。
一方で、規模を縮小して個人事業主として事業を継続するのであれば、株式会社は廃業することも選択肢の1つです。
加えて、会社を休眠させたまま個人事業主として事業を続け、将来規模が拡大した場合に備えるという選択肢も考えられます。
現状に加えて将来の見通しも考慮しながら、休眠会社を維持するかどうかを検討しましょう。
休眠会社でも決算申告をしておくと安心
休眠会社であっても、決算申告は義務付けられています。また、法人住民税や固定資産税は支払わなければなりません。休眠会社が決算申告をしないことに罰則はありませんが、2期連続で無申告の場合は青色申告の承認が取り消されます。そのため、事業を再開する見込みがあれば、法人税の納税がなくても毎年申告をしておくと安心です。休眠状態を維持するかどうかについては、現状と将来を考慮して検討しましょう。
この記事をお読みの方におすすめのガイド4選
最後に、この記事をお読みの方によく活用いただいている人気の資料を紹介します。すべて無料ですので、ぜひお気軽にご活用ください。
電子帳簿保存法 徹底解説(2025/10 最新版)
電子帳簿保存法は、1998年の制定以降、これまでに何度も改正を重ねてきました。特に直近数年は大きな改正が続いた上に、現在も国税庁による一問一答の追加・改定が続いており、常に最新情報の把握が必要です。
70P以上にわたるボリュームであることから、ダウンロードいただいた方から大好評をいただいている1冊です。
インボイス制度 徹底解説(2024/10 最新版)
インボイス制度は施行後もさまざまな実務論点が浮上し、国税庁によるQ&Aの追加・改訂が続いています。これを受けて、「結局どうすればいいのか、わからなくなってしまった」という疑問の声も多く聞かれるようになりました。
そこで、インボイス制度を改めて整理し、実務上の落とし穴や対応のヒントまで網羅的に解説した最新資料を作成しました。問題なく制度対応できているかの確認や、新人社員向けの教育用など、様々な用途にご活用いただける充実の資料です。
マネーフォワード クラウド会計Plus サービス資料
マネーフォワード クラウド会計Plusは、データの自動取得、自動仕訳、自動学習の3つの自動化で経理業務が効率化できる会計ソフトです。
仕訳承認フローや業務分担にあわせた詳細な権限設定が可能で、内部統制を強化したい企業におすすめです。
マネーフォワード クラウド経費 サービス資料
マネーフォワード クラウド経費を利用すると、申請者も承認者も経費精算処理の時間が削減でき、ペーパーレスでテレワークも可能に。
経理業務はチェック業務や仕訳連携・振込業務の効率化が実現でき、一連の流れがリモートで運用できます。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
会計の知識をさらに深めるなら
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
決算報告書の関連記事
新着記事
- # 会計・経理業務
請求書支払いの効率化はどう進める?手順と自動化のポイントを解説
請求書支払いの効率化はどう進める? 請求書支払いの効率化は、業務フローの標準化とシステムによる自動化の組み合わせで実現できます。 受領形式をPDF等の電子データに統一 AI-OCR…
詳しくみる - # 会計・経理業務
請求書を一括で振込できる?マナーや手数料の負担、効率化の手順を解説
請求書を一括で振込できる? 同一取引先への複数請求書は、事前に合意があれば合算して一括で振り込めます。 内訳を明記した支払通知書の送付がマナー 振込先口座が異なる場合は個別対応が原…
詳しくみる - # 会計・経理業務
振込代行サービスとは?比較ポイントや手数料を安く抑える方法を解説
振込代行サービスとは? 企業の送金業務を外部へ委託し、手数料削減と経理業務の効率化を同時に実現する仕組みです。 大口契約の活用により手数料を半額以下に CSV連携で入力業務をなくし…
詳しくみる - # 会計・経理業務
振込代行サービスのセキュリティは安全?仕組みや管理方法を解説
振込代行のセキュリティは安全? 銀行同等の暗号化と法的な保全措置により極めて安全です。 全通信をSSL暗号化し盗聴・改ざんを防止 倒産時も信託保全で預かり金を全額保護 社内でも権限…
詳しくみる - # 会計・経理業務
振込手数料を削減するには?法人のコスト対策と見直し術を解説
振込手数料を削減するには? 振込手数料の削減には、ネット銀行への移行や振込代行サービスの活用が最も効果的です。 ネット銀行活用で窓口より約30〜50%のコスト削減が可能 同行宛口座…
詳しくみる - # 会計・経理業務
振込作業を効率化するには?経理の支払い業務をラクにする方法
振込作業を効率化するには? 銀行APIや全銀データを活用し、会計ソフトと銀行口座をシステム接続することで実現します。 API連携で手入力とログインの手間を削減 AI-OCRで請求書…
詳しくみる
会計の注目テーマ
- 損益分岐点
- 勘定科目 消耗品費
- 国際会計基準(IFRS)
- 会計帳簿
- キャッシュフロー計算書
- 予実管理
- 損益計算書
- 減価償却
- 決算報告書
- 財務分析
- 総勘定元帳
- 資金繰り表
- 連結決算
- 支払調書
- 経理の仕事
- 会計ソフト
- 貸借対照表
- 外注費
- 勘定科目 交際費
- 法人の節税
- 法人税 節税
- 給付金
- 手形
- 損金
- 決算書
- 勘定科目 福利厚生
- 法人税申告書
- 原価計算 棚卸資産評価
- 勘定科目 引当金
- 財務諸表
- 勘定科目 修繕費
- 仕訳 仮勘定
- 仕訳 のれん
- 一括償却資産
- 工具器具備品
- 勘定科目 地代家賃
- リース取引
- 中小企業 業務課題
- 税理士
- 原価計算
- 軽減税率
- 簡易課税
- 法人税申告
- 税務調査
- 貸倒引当金
- 売掛金 会計処理
- 電子帳簿保存法
- 粉飾決算
- 勘定科目
- 勘定科目 固定資産
- 勘定科目 税務
- 勘定科目 業種別
- 勘定科目 収益
- 勘定科目 車両費
- 簿記
- 勘定科目 水道光熱費
- 資産除去債務
- 圧縮記帳
- 会計ソフト 運用
- 利益
- 経理 効率化
- 前受金
- 固定資産
- 勘定科目 営業外収益
- 月次決算
- 勘定科目 広告宣伝費
- 益金
- 資産
- 勘定科目 人件費
- 勘定科目 負債
- 予算管理
- 勘定科目 流動資産
- 棚卸
- 資金繰り
- 会計システム
- 原価計算 売上原価
- 未払金
- 労働分配率
- 飲食店 経理
- 電子帳簿保存法 保存要件
- 売上台帳
- 勘定科目 前払い
- 収支計算書
- 収支報告書
- 勘定科目 荷造運賃
- 勘定科目 支払手数料
- 仕訳 固定資産
- 消費税
- 借地権
- 役員報酬
- 中小企業
- 勘定科目 損害
- 勘定科目 被服費
- 仕訳
- 仕訳 金融商品
- 決算
- 預金
- 会計の基本
- 勘定科目 仕入れ
- 仕訳 仕入
- 経費精算
- 経費精算 領収書
- 勘定科目 資産
- 原価計算 原価率
- 電子帳簿保存法 対応
- 電子帳簿保存法 対応 ケース別
- 減価償却 機械 設備
- 勘定科目 旅費交通費
- 旅費交通費
- 減価償却 少額資産
- 勘定科目 資本
- 小口現金
- 電子取引
- 勘定科目 固定資産 車両
- 個人事業主 経費 固定資産
- 勘定科目 固定資産 PC
- 勘定科目 固定資産 建物
- 勘定科目 通信費
- 法人税
- 連結納税
- 勘定科目 保険料
- 督促状
- 請求管理
- 勘定科目 諸会費
- 入金
- 消込
- 債権管理
- M&A 資本政策
- 決算公告
- 決算業務
- スキャナ保存
- 仕訳 経費
- 経費精算 効率化
- 債権
- 電子記録債権
- 売掛金回収
- 口座振替
- 確定申告 法人
- 入出金管理
- 与信管理
- 請求代行
- 決済代行
- 財務会計
- 小切手
- オペレーティングリース
- 新リース会計
- 購買申請
- 消費税 会計処理
- ファクタリング
- 償却資産
- 会計基準
- 法人税 関連税



