- 更新日 : 2024年8月8日
食材を経費にする時の仕訳に使う勘定科目まとめ
事業に関係のある食材であれば、かかった費用は経費として計上できます。例えば、レシピを考案するために購入した食材や、グルメ記事を執筆する際に注文した食事代などもすべて経費の対象です。どのような勘定科目を使えるのか、仕訳例を挙げて説明します。
食材の仕訳に使える勘定科目
食材の購入が事業に不可欠なものであれば、かかった費用は経費計上できます。例えば、食材を購入し、休憩室のミニキッチンでカルボナーラを作って食べたとしましょう。従業員が自分のランチとして作った場合であれば、事業とは無関係なため、経費計上は難しいと考えられます。
しかし、レストランを経営している企業内でメニュー開発のためにカルボナーラを作ったのであれば、事業に不可欠と考えられるため、食材代は経費として計上できます。
なお、食材代を仕訳をする際には、仕入や材料費、研修費、雑費、福利厚生費などの勘定科目を使用することが一般的です。勘定科目はどのような目的で食材を購入したかによって異なります。勘定科目ごとに解説します。
食材を仕入で仕訳する
飲食店が食材を仕入れたときは、「仕入」の勘定科目で仕訳をします。例えば、ケーキ店がケーキをつくるために必要なフルーツを5万円分仕入れたとしましょう。この場合は、以下のように「仕入」の勘定科目で仕訳をします。
借方 | 貸方 | 摘要 | |||
---|---|---|---|---|---|
仕入 | 50,000円 | 預金 | 50,000円 | A青果店からフルーツを仕入れた |
食材を材料費で仕訳する
例えば、レシピ記事を作成する仕事をしている場合であれば、食材を購入したときは「材料費」の勘定科目で仕訳をします。また、ホームページを作る業務をしている場合、トップページの画像撮影のために食材を購入したとしましょう。この場合も「材料費」の勘定科目が適切です。
お弁当記事を作成するときに食材を5,000円分購入した場合は、以下のように仕訳をします。
借方 | 貸方 | 摘要 | |||
---|---|---|---|---|---|
材料費 | 5,000円 | 現金 | 5,000円 | 記事作成用の食材をBスーパーで購入 |
食材を研修費で仕訳する
業務に必要な資格などを取得するときにかかった費用は、「研修費」の勘定科目を使って仕訳をします。
例えば、レストランを運営している会社の社員が、調理師などの資格取得のためにセミナーを受けたときは、かかった食材代は「研修費」で仕訳をすることが可能です。また、試験のために実際に調理をして自主訓練をしたときなども、かかった食材は「研修費」の勘定科目で仕訳ができます。
飲食店を経営している人が、オーガニックについての知見を広めるために研修を受け、食材の費用として3,000円を支払った場合は、以下のように仕訳をしましょう。
借方 | 貸方 | 摘要 | |||
---|---|---|---|---|---|
研修費 | 3,000円 | 現金 | 3,000円 | オーガニック講習の食材実費 |
食材を雑費で仕訳する
事業に必要な食材ではあるが、繰り返して発生しない支出に対しては「雑費」の勘定科目を用いて仕訳ができます。
例えば、自社ホームページを作成するときに食材の写真が必要になったとしましょう。何度もホームページ用の食材を購入することはないと思われるため、かかった食材代は雑費の勘定科目で仕訳ができます。
借方 | 貸方 | 摘要 | |||
---|---|---|---|---|---|
雑費 | 10,000円 | 現金 | 10,000円 | ホームページ撮影用の食材購入費 |
福利厚生費で仕訳する
創業記念などのイベントで、食材を購入してランチを作り、従業員全員にふるまったとしましょう。このときは食材代は「福利厚生費」の勘定科目で仕訳ができます。
福利厚生費とは、従業員すべてが利用でき、妥当な費用かつ現金で支給されない(現物支給)ときに使用される勘定科目です。30人の従業員全員にふるまう食材代が30,000円かかったのであれば、以下のように仕訳ができます。
借方 | 貸方 | 摘要 | |||
---|---|---|---|---|---|
福利厚生費 | 30,000円 | 現金 | 30,000円 | 創業記念ちらし寿司の食材購入費 |
適切な勘定科目で食材の仕訳をしよう
食材の購入が事業に必要なことであれば、経費として計上することができます。ただし、目的によって適切な勘定科目が異なるので、正しい勘定科目を選び、適切に仕訳をすることが大切です。
何度も繰り返すことがない支出に関しては、雑費の勘定科目で仕訳ができます。繰り返されることが予想される場合には、仕入や材料費、研修費、福利厚生費などに該当しないか確認してみましょう。
よくある質問
食材は経費にできる?
事業に関連する支出であれば経費計上できます。例えば、飲食店の仕入、グルメ記事の執筆、レシピの考案などの事業であれば、食材購入費は経費として扱えます。詳しくはこちらをご覧ください。
食材の仕訳ポイントは?
飲食店の場合は「仕入」、レシピ作成に関しては「材料費」、資格取得などの目的なら「研修費」、従業員の福利厚生のためなら「福利厚生費」、反復性がないと想定されるときは「雑費」で仕訳をします。詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
会計の知識をさらに深めるなら
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
関連記事
繰延消費税の仕訳とは?費用の計上方法や会計処理を解説
消費税の処理は、日々の取引や決算業務で欠かせません。中でも「繰延消費税(くりのべしょうひぜい)」は、将来にわたって費用化する特殊な処理で、内容を正しく理解していないと会計上のミスにつながるおそれがあります。 この記事では、繰延消費税がどのよ…
詳しくみる荷為替手形とは?仕組みや仕訳をわかりやすく解説
荷為替手形とは運送中の商品の引渡請求権を表章する運送業者発行の運送証券(貸物引換証、船荷証券などの有価証券)が担保として添付された為替手形のことです。 また、代金は第三者である取引銀行を通じて支払われます。今回は、荷為替手形はどのようなもの…
詳しくみる仕入帳の書き方は?作成義務の有無や記入例を解説
仕入帳とは、仕入によって発生するお金の流れを記載する書類です。仕入先や単価、数量など、仕入にかかわる情報はすべて記載します。仕入帳があることでお金の流れを時系列に把握しやすくなりますが、作成義務はありません。本記事では、仕入帳の書き方や保存…
詳しくみる小口現金の勘定科目は?仕訳例や廃止して管理を効率化する方法を紹介
小口現金とは、会社の経費を精算するために用意しておく少額の現金のことです。小口現金のやり取りの仕訳をする際は、交通費・消耗品費・通信費・新聞図書費・雑費などの勘定科目を用います。 小口現金をやり取りする際は、出納帳での管理が一般的です。本記…
詳しくみる生命保険料の勘定科目は?個人事業主と法人で異なる?保険金や解約返戻金についても解説!
生命保険とは、人の生死や病気のリスクに関わる保険を指します。生命保険は個人で契約できるほか、法人も契約することができます。では、個人事業主や法人が生命保険料を支払った場合や保険金を受け取った場合は、どのように処理するべきなのでしょうか。この…
詳しくみる助成金や補助金、支援金・協力金の仕訳に使える勘定科目まとめ
助成金や補助金、支援金・協力金を受け取ったときは、雑収入の勘定科目で仕訳をします。また、協賛金を受け取ったときも雑収入として仕訳ができますが、協賛金収入や事業収益の勘定科目を使って仕訳をすることも可能です。 補助金を受け取ると課税所得が増え…
詳しくみる