- 更新日 : 2024年8月8日
楽器の耐用年数と減価償却費計算を解説
楽器は時間の経過とともに価値が減少する減価償却資産であるため、減価償却が必要です。本記事では、楽器の減価償却費の計算方法や仕訳について解説します。耐用年数についても解説しているので、併せて参考にしてください。
楽器は減価償却が必要
楽器は減価償却資産に該当するため、減価償却が必要です。減価償却とは、時間が経つにつれて価値が減っていく資産に対して行われる会計処理のことです。取得する際に支払った金額を耐用年数に応じて計上していきます。
なお、減価償却に関する詳細は、以下の記事をご覧ください。
参考:国税庁 減価償却のあらまし
楽器の耐用年数
楽器の法定耐用年数は以下のとおりです。
| 細目 | 耐用年数 |
|---|---|
| 器具及び備品 | 5年 |
そもそも法定耐用年数とは、対象資産を使用できる期間のことです。メーカーが定めた耐久年数とは異なり、税法上に定められています。減価償却資産は、法定耐用年数に応じて会計処理を進めることが多いです。
参考:法定耐用年数(国税庁)
楽器の減価償却費計算と仕訳例
ここでは、楽器の減価償却費計算方法と仕訳例について詳しく解説します。
10万円未満の楽器の場合
楽器の取得価額が10万円未満の場合は、消耗品費として全額を経費計上できるため、減価償却はしません。
10万円以上の楽器の場合
楽器の取得価額が10万円以上の場合は、「定額法」または「定率法」を用いて減価償却を行います。定額法とは、毎年同じ金額を減価償却する方法のことです。「購入金額に定額法の償却率をかける」ことで表されます。
例えば、30万円のギターを購入した場合は、以下の計算式で減価償却費を求められます。
定額法で求めた減価償却費を仕訳すると以下のとおりです。
直接法(固定資産から減価償却費を直接差し引く方法)
減価償却 1年目/5年 | ||||
間接法(減価償却累計額を計上し、これまでの合計を表す方法)
減価償却 1年目/5年 | ||||
一方、定率法とは、減価償却資産を購入した年度に減価償却費を多く計上して、毎年計上額を減らしていく計算方法のことです。購入費用から前年度までに計上した累計の減価償却費を差し引いて、定率法の償却率をかけて計算する決まりとされています。
例えば、30万円のギターを購入した場合は、以下の計算式で減価償却費が求められます。
2年目:(30万円ー15万円)×0.5=7万5千円
定率法で求めた減価償却費を仕訳すると以下のようになります。
直接法(固定資産から減価償却費を直接差し引く方法)
減価償却 1年目/5年 | ||||
間接法(減価償却累計額を計上し、これまでの合計を表す方法)
減価償却 1年目/5年 | ||||
なお、10万円以上20万円未満の楽器を購入した場合は、一括償却資産として処理できます。また、中小企業は特例として、取得価額が30万円未満の減価償却資産を購入した場合、合計額300万円までは全額損金として計上することが可能です(適用期間:令和6年3月31日まで)。
参考:法定耐用年数(国税庁)
参考:経済産業省 少額減価償却資産の特例
楽器を購入したら減価償却できるか確認が必要
楽器は減価償却資産に該当するため、減価償却を行いましょう。楽器の減価償却は、定額法または定率法のどちらかで求められます。ただし、10万円未満で購入した場合は、消耗品費として計上できるため、減価償却を行いません。10万円以上の楽器を購入した場合に限り、対象となる点に注意が必要です。
よくある質問
楽器は減価償却が必要?
楽器は減価償却資産に該当するため、減価償却は必要です。詳しくはこちらをご覧ください。
楽器の耐用年数は?
楽器の法定耐用年数は5年です。詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
会計の知識をさらに深めるなら
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
関連記事
一括償却資産はなぜ償却資産税の対象外?固定資産台帳に載せない理由も解説
一括償却資産は、償却資産税の対象外です。この記事を読めば、「一括償却資産はなぜ償却資産税の対象外?」「一括償却資産の仕訳がわからない」という悩みを解決できます。 本記事で、一括償却資産の概要や、償却資産税の仕組み等について確認していきましょ…
詳しくみる資産除去債務と敷金支出時について分かりやすく解説!
不動産の賃貸借契約にあたって敷金を支払った場合には、資産除去債務を簡便法によって計上することが可能です。 簡便法を適用することで、原則法のような資産と負債の両建て処理や現在価値への割引計算が不要となるため、経理負担の軽減にも効果的です。 こ…
詳しくみる車両運搬具の適用範囲は?仕訳方法から減価償却方法まで解説
「車両運搬具」は、例えば日常的に使っている営業車、業務で利用している車両全般を表すための勘定科目です。 車両運搬具は、業務で利用している車両がすべて含まれるものではなく、一定の基準が存在しています。今回は、車両運搬具の分類や線引きについてと…
詳しくみるソフトウェアは少額減価償却資産に計上できる?メリットや仕訳方法も解説
法人税法上ソフトウェアは固定資産となるため、5年間かけて減価償却が必要です。しかし、一定要件を満たせば少額減価償却資産に計上でき、初年度に全額経費計上して節税も可能です。 本記事では、ソフトウェアの少額減価償却資産計上について解説します。少…
詳しくみるソフトウェアには固定資産税がかからない?償却資産税との違いや二重課税も解説
ソフトウェアや特許権などの無形固定資産は、原則として固定資産税がかかりません。無形固定資産以外にも税金がかからない資産としては、繰延資産や時の経過により価値が減少しない骨董品などが挙げられます。本記事では、固定資産税の税率や償却資産税との違…
詳しくみるリース取引の消費税の取り扱いは?種類別の会計処理や仕訳、インボイス制度対応まで解説
リース取引における消費税の扱いは、経理処理の中でも特に間違いやすく、複雑なポイントの一つです。契約の種類によって消費税を控除するタイミングが異なり、インボイス制度の導入によって新たな対応も求められています。 この記事では、リース料にかかる消…
詳しくみる会計の注目テーマ
- 勘定科目 消耗品費
- 国際会計基準(IFRS)
- 会計帳簿
- キャッシュフロー計算書
- 予実管理
- 損益計算書
- 減価償却
- 総勘定元帳
- 資金繰り表
- 連結決算
- 支払調書
- 経理
- 会計ソフト
- 貸借対照表
- 外注費
- 法人の節税
- 手形
- 損金
- 決算書
- 勘定科目 福利厚生
- 法人税申告書
- 財務諸表
- 勘定科目 修繕費
- 一括償却資産
- 勘定科目 地代家賃
- 原価計算
- 税理士
- 簡易課税
- 税務調査
- 売掛金
- 電子帳簿保存法
- 勘定科目
- 勘定科目 固定資産
- 勘定科目 交際費
- 勘定科目 税務
- 勘定科目 流動資産
- 勘定科目 業種別
- 勘定科目 収益
- 勘定科目 車両費
- 簿記
- 勘定科目 水道光熱費
- 資産除去債務
- 圧縮記帳
- 利益
- 前受金
- 固定資産
- 勘定科目 営業外収益
- 月次決算
- 勘定科目 広告宣伝費
- 益金
- 資産
- 勘定科目 人件費
- 予算管理
- 小口現金
- 資金繰り
- 会計システム
- 決算
- 未払金
- 労働分配率
- 飲食店
- 売上台帳
- 勘定科目 前払い
- 収支報告書
- 勘定科目 荷造運賃
- 勘定科目 支払手数料
- 消費税
- 借地権
- 中小企業
- 勘定科目 被服費
- 仕訳
- 会計の基本
- 勘定科目 仕入れ
- 経費精算
- 交通費
- 勘定科目 旅費交通費
- 電子取引
- 勘定科目 通信費
- 法人税
- 請求管理
- 勘定科目 諸会費
- 入金
- 消込
- 債権管理
- スキャナ保存
- 電子記録債権
- 入出金管理
- 与信管理
- 請求代行
- 財務会計
- オペレーティングリース
- 新リース会計
- 購買申請
- ファクタリング
- 償却資産
- リース取引