- 更新日 : 2024年8月8日
動画制作費や撮影費を経費に!仕訳に使う勘定科目まとめ
商品やサービス、あるいは企業自体を宣伝するための動画を制作したり撮影する場合、かかった費用を経費として計上できることがあります。動画制作費や動画編集のソフト代、編集機材費に使える勘定科目について、仕訳例とともにまとめました。また、減価償却するときの償却期間や仕分けもわかりやすく解説します。
動画制作費や撮影費の仕訳に使える勘定科目
動画制作にかかった費用は、「広告宣伝費」の勘定科目で仕訳をすることが一般的です。長期的な利用が見込まれないウェブサイトや動画は、一時的な費用として一括で費用計上できます。
例えばPR動画を制作した場合は、長期的な利用が見込まれないため、制作費は「広告宣伝費」として扱います。
なお、動画制作の目的によっても、勘定科目が異なります。例えば、キャンペーン動画の場合は「販売促進費」、広告収入目的かつ自社制作は「売上原価」などの勘定科目を使うことが可能です。
ただしECサイトのように、長期にわたって利用することが想定されるサイトの作成費用は「ソフトウェア」の勘定科目を用い、償却期間5年の償却資産として扱います。
動画編集ソフト代の仕訳に使える勘定科目
10万円未満の編集ソフトは、「消耗品費」の勘定科目を使って経費計上します。クラウドのソフトの場合は、「通信費」の勘定科目を使うことが一般的です。
動画編集ソフトの購入費が10万円以上のときは、資産として扱います。10万円以上20万円未満であれば、「一括償却資産」の勘定科目で3年間で同額ずつ償却しましょう。
12万円のソフトを購入した場合は、まずは購入時に以下のように仕訳をします。
<購入時>
決算時には、購入費用の1/3の金額を減価償却費として計上します。摘要に何年目か記載しておくと、後で見返しやすくなるでしょう。
<決算時>
(1年目/3年) | ||||
動画編集ソフトの購入費用が20万円以上のときは、「ソフトウェア」の勘定科目で5年間で償却します。20万円のソフトウェアを購入した場合は、以下のように仕訳をします。
<購入時>
決算時には、購入費用の1/5(定額法の場合)を減価償却費として計上します。摘要欄に何面目か記載しておくと、後で見返しやすくなるでしょう。
<決算時>
(1年目/5年) | ||||
※定額法の場合。2~5年目も同額を減価償却
動画編集用機材費の仕訳に使える勘定科目
10万円未満の編集用機材は「消耗品費」の勘定科目を使用することが一般的です。9万円のデジタルシネマカメラを購入した場合は、以下のように仕訳ができます。
編集用機材の購入費用が10万円以上のときは、資産として扱わなくてはいけません。10万円以上20万円未満であれば、「一括償却資産」の勘定科目で3年間で同額ずつ償却します。
12万円のデジタルシネマカメラを購入した場合は、以下のように仕訳をします。
<購入時>
決算時には購入費用の1/3を減価償却費として計上します。
<決算時>
(1年目/3年) | ||||
編集用機材の購入費用が20万円以上のときは、「工具器具備品」の勘定科目を使い、5年間で償却しましょう。20万円のデジタルシネマカメラを購入した場合は、以下のように仕訳をします。
<購入時>
決算時には購入費用の1/5(定額法の場合)を減価償却費として計上します。
<決算時>
(1年目/5年) | ||||
※定額法の場合。2~5年目も同額を減価償却
動作制作にかかる費用を正しく経費計上しよう
動画制作にかかる費用は、内容によって使用する勘定科目が異なります。また10万円以上は資産として減価償却しますが、金額によって償却期間が異なることもあるので注意しましょう。
よくある質問
動画制作費の仕訳のポイントは?
基本的には広告宣伝費として一括計上します。ただし、長期にわたって使用すると想定されるときは、ソフトウェアの勘定科目を使い、5年間かけて減価償却します。詳しくはこちらをご覧ください。
動画編集ソフト代の仕訳のポイントは?
勘定科目は消耗品費が一般的です。クラウド型の場合は通信費となります。10万円以上20万円未満のときは一括償却資産として3年間で減価償却し、20万円以上のときはソフトウェアとして5年で減価償却します。詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
会計の知識をさらに深めるなら
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
関連記事
修繕引当金と特別修繕引当金とは?
修繕引当金や特別修繕引当金は、決算整理仕訳で計上される勘定科目です。日常的に使用される勘定科目ではないため、扱い方がよく分からない経理担当者も多いのではないでしょうか。本記事では、修繕引当金や特別修繕引当金の考え方を仕訳例も交えて紹介します…
詳しくみる土地購入時の仕訳・勘定科目まとめ
事業に利用する土地を購入した場合、経費に計上できます。その際の仕訳は仮契約時と本契約時、その後の不動産登記時に分け、支払い内容に合う勘定科目で記帳しましょう。また、土地付建物を購入した場合の仕訳は、建物利用が目的か、それとも土地を利用するこ…
詳しくみる洗車代の仕訳に使う勘定科目まとめ
社用車に汚れや傷がついていると、取引先や顧客からの信用を失いかねないため、こまめな洗車が必要です。事業に使用している車両であれば、洗車代を経費に計上できます。洗車代の勘定科目として可能性があるものは、洗車代・修繕費・雑費の3つ。それぞれ適し…
詳しくみる契約負債とは?ポイントはどう処理する?仕訳方法や管理をわかりやすく解説
契約負債とは、企業が顧客から受け取った着手金や付与したポイントについて、商品やサービスが未提供である場合の負債を指します。 ここでは、契約負債の定義や契約資産・前受金との違い、収益認識会計基準の導入背景、契約負債が計上される具体的なケースに…
詳しくみるエアコン購入費・設置費の仕訳と勘定科目まとめ
エアコンの購入費や設置費は、消耗品費や工具器具備品、一括償却資産などの勘定科目で仕訳ができます。金額によって勘定科目が変わるため、仕訳をする際には注意が必要です。また、エアコンクリーニング代や撤去費用も経費計上ができます。それぞれの勘定科目…
詳しくみる不動産取得税の勘定科目は?仕訳方法や取得価額に含めるかを解説
土地や建物を取得する際にかかる不動産取得税の勘定科目は、「租税公課」とするのが妥当です。償却できない土地や、耐用年数が長期となる建物の取得価額に含めて資産計上してしまうと、経費になるまでに長い期間がかかってしまいます。損金算入時期は納税通知…
詳しくみる