- 更新日 : 2026年2月5日
機械設備や装置の減価償却を解説!器具や備品とは何が異なる?
機械設備や装置を減価償却するにあたって、器具や備品との違いがよく分からないという人もいるかもしれません。この記事では、機械装置と器具備品の違い、法定耐用年数の調べ方、総合償却の考え方など、機械装置の減価償却で必要な基礎知識をまとめました。機械装置の減価償却に不安がある人は、ぜひこの記事を参考にしてください。
目次
機械設備や装置の耐用年数は何年?
測量機器や建設機械などの機械や装置には、法律で定められた「法定耐用年数」があります。正しく減価償却を行うためには、国税庁のウェブサイトなどを参照して適切な法定耐用年数を用いなければなりません。まずは、「そもそも機械装置とは何か」「耐用年数が何年か分からない」という人のために、機械や装置の耐用年数で知っておきたい基礎知識を振り返っておきましょう。
そもそも減価償却とは?
減価償却とは、時間の経過や使用により価値が低下していく固定資産を、利益を生み出すものとして使用可能な期間で分割し、長期にわたって費用計上していくことをいいます。固定資産の中でも土地などは、時間が経過しても価値が低下しないため減価償却の対象外です。
会計上の手続きとしては、対象となる固定資産の資産価値を減らして費用を計上する作業です。よって、貸借対照表では資産の減少、損益計算書では費用の増加の形を取ります。
減価償却の対象となる固定資産には、その種類や用途によって法律で細かく耐用年数が定められています。耐用年数とは、取得した固定資産をその目的のために使用できる期間のことです。法律で決められた耐用年数のことを「法定耐用年数」といいます。
減価償却の方法には「定額法」と「定率法」があります。定額法は、固定資産の購入代金を法定耐用年数で割った金額を、毎年同額ずつ償却していく方法です。これに対して定率法は、期首の未償却残高に対して一定の割合をかけた金額を毎年償却していきます。定率法では、購入してすぐのほうが減価償却費は大きく、時間が経つほど減価償却費が少なくなるのが特徴です。機械装置の減価償却では、原則的に定率法が採用されます。
減価償却について詳しく知りたい人は、次の記事も参考にしてください。
機械設備や装置にあたるものは何?
機械や装置とは、複数のものが一体となって設備を形成し、ひとつの機能を果たすものをいいます。イメージしやすいのは製造業の生産ラインです。生産ラインには数多くの機械や装置が配置され、それ単体で何かを作ることはできません。ひとつの目的を果たすために作られた生産ラインの中で、その一部として機能するものを機械や装置といいます。
全体でひとつの機能を果たすという考え方は、機械装置の減価償却方法にも影響しています。機械装置の減価償却では「総合償却」という方法が採用されますが、これは生産ライン全体でひとつのグループであるという考え方に基づいたものです(総合償却については後で詳しく解説します)。
この考え方をもとにすると、自動車や電話機などの単体で役割を果たせるものは機械装置にはあたらないことが分かります。
機械設備や装置の耐用年数
機械や装置は固定資産であり、減価償却の対象です。減価償却を行う際には、正しい耐用年数を知っておかなければなりません。
機械装置は、その種類によって法定耐用年数が定められています。法定耐用年数は国が定めたものであるため、各自の判断で耐用年数を変更することはできません。
機械装置の種類はかなり細かく細分化されており、それぞれの法定耐用年数が国税庁のウェブサイトに一覧化されています。例えば食肉又は食鳥処理加工設備は9年、印刷設備は10年といった具合です。次のリンクに掲載されているものがそれぞれの機械装置の法定耐用年数です。
機械設備や装置の減価償却の仕訳例
機械や装置はどのように減価償却するのか、具体的な仕訳例を見てみましょう。法定耐用年数を用いて計算していますので、そこにも注目してみてください。
機械装置の償却方法は定率法が法定の償却方法ですが、計算式を簡便にするためここでは定額法を採用しています。法人税の申告を定額法で行う場合は事前に申請が必要です。ご注意ください。
10万円未満の場合
10万円未満の機械装置は、資産計上する必要がありません。固定資産であっても、購入金額が10万円に満たないものは購入時に全額を即時損金算入できます。
購入時に全額費用処理する条件としては、「使用期間が1年未満であるもの」「取得価額が10万円未満であるもの」のいずれかを満たしている必要があります。
生産ラインなどの機械装置を10万円未満で購入することは考えづらいですが、そうした場合は購入時に費用処理することになります。実際にはパソコンなどが費用処理されることが多いため、ここでは機械装置の一部としてパソコンを購入した事例を紹介します。
なお、生産ラインに組み込まずに汎用的に使うパソコン(事務用など)は、機械装置ではなく器具備品として取り扱う必要があります(その場合でも、10万円未満なら購入時に費用処理できるという点は同じです)。ご注意ください。
(仕訳例)パソコンを9万円で購入し、代金は現金で支払った。
費用科目は消耗品費を使用します。
10万円以上の場合
先ほど紹介したパソコンも、10万円以上の場合は機械装置として資産計上することになります。しかしここでは、事業用装置としてイメージしやすいクリーニング設備を例にとってみましょう。
なお、20万円未満の場合は一括償却資産を選択適用できます。一括償却資産を適用した場合は、月割計算は行わずいつ購入しても1年分、全体の1/3の減価償却費を計上します(この例では購入金額が70万円のため、一括償却資産とすることはできません)。そうしたやり方もあることを知っておいてください。
(仕訳例)期首にクリーニング設備を70万円で導入した。代金は購入時に現金で支払った。
期末にクリーニング設備の減価償却費を計上する。クリーニング設備の法定耐用年数は7年であるため、減価償却費は70万円/7年=10万円
器具や備品とは異なることに注意
機械装置は複合的な設備からなり、それぞれが設備の一部として機能を果たしているものです。これに対して器具備品は、それ自体で固有の機能を果たしており、独立して使用するものと定義されています。
製造工程の一部として用いられる機械は機械装置であり、持ち運びが可能で単独で機能する機械などは器具備品に分類されます。例えば電動工具などは器具備品の代表的なものです。
機械装置と器具備品は償却方法が異なり、機械装置は総合償却、器具備品は個別償却が基本です。個別償却は、指定された耐用年数に応じて個別に償却する方法です。減価償却と言われてイメージする人が多いのはこちらでしょう。
総合償却は機械装置に特徴的な方法です。慣れない人も多いと思いますので、詳しく解説していきます。
総合償却とは
総合償却とは、減価償却の方法の一つです。複数の固定資産をグループ単位でまとめた上で、一括して減価償却計算を行う処理のことをいいます。ここで言う「グループ」とは、製品を作る生産ラインなど、ひとつの目的を果たすために作られたまとまりのことです。
減価償却の基本は、個別の資産が持つ法定耐用年数に応じて個別償却を行う方法です。しかし、大規模な機械設備では個別償却を実施すると実務上の手間が膨大になってしまいます。自動車の生産ラインを想像してみてください。無数の機械装置が連なっており、すべて個別に減価償却するのは大変な手間だと想像がつくのではないでしょうか。
総合償却は、このような手間を簡略化するために使用されます。総合償却は、資産の種類にもよりますが、グループ全体を一括して減価償却することを認める制度なのです。機械装置はライン全体が一体となってひとつの機能を果たす資産であるため、総合償却を行うのは実態に合った会計処理であるとも言えます。
機械装置は法定耐用年数に応じた償却が必要
機械装置は、その種類に応じて耐用年数が法律で定められています。法定耐用年数は機械の種類に応じてかなり細分化されており、任意の判断では耐用年数を決められません。国税庁の通達などをチェックして正しい減価償却を行いましょう。また、生産ラインを構成するような場合は総合償却にも対応する必要があることに注意してください。
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よくある質問
機械や装置の耐用年数は何年ですか?
機械や装置の耐用年数は、種類に応じて法律で定められています。これを「法定耐用年数」と言います。機械や装置の内容によって法定耐用年数は異なります。詳しくはこちらをご覧ください。
機械や装置の減価償却はどう仕訳すればいいですか?
機械や装置は購入時に「機械装置」として資産計上し、法定耐用年数に応じて減価償却費を計上する必要があります。詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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