• 作成日 : 2016年10月25日
  • 更新日 : 2020年9月17日

中小企業倒産防止共済で連鎖倒産を防ごう

取引先が突然倒産したとき、売掛金を回収することは困難になってしまいます。そのようなとき、すぐに資金を調達する手立てはできているでしょうか?

中小企業は大企業に比べると経営基盤が安定しておらず、自社が健全に経営していても、取引先の倒産といった外的要因で資金繰りに行き詰まり、経営が窮地に陥ることがあります。

中小企業倒産防止共済(経営セーフティ共済)は、取引先の倒産による連鎖倒産から中小企業を守る共済制度です。取引先の倒産以外でも、資金が必要になったときに融資を受けることができます。

中小企業倒産防止共済のメリット

中小企業倒産防止共済の最大のメリットは、取引先の倒産による連鎖倒産を防ぐことができる点です。

8,000万円まで無利子で融資

中小企業倒産防止共済では、取引先の倒産で債権が回収できなくなったときに、無利子で融資が受けられます。

取引先の倒産とは、次のような状態をさします。取引先が夜逃げした場合は、次の条件には当てはまらず、融資が受けられないことに注意が必要です。

・法的整理(破産、再生、更生、特別清算)
・金融機関による取引停止処分
・私的整理
・大規模災害による手形の不渡り・支払不能

融資の対象となる債権は、取引先の倒産で回収が困難になった売掛金と前渡金です。貸付金や不動産賃貸料などは対象にはなりません。なお、買掛金などの債務があれば相殺します。

融資は50万円から5万円刻みの金額で受けられますが、「回収が困難になった債権の金額」、「掛金総額の10倍」、「8,000万円」のうちいずれか少ない額が上限となります。

中小企業倒産防止共済の融資は無利子であることに加えて、「無担保・無保証人」で受けられることが大きな特色です。

融資の期間は、融資の金額に応じて5年・6年・7年となっており、それぞれ6か月の据え置き期間が含まれています。据え置き期間の後は毎月均等額を返済します。

無利子で融資が受けられるものの、融資を受けるとそれまで払い込んできた掛金が減らされる仕組みになっています。融資額の10%が掛金から減らされるため、掛金総額の10倍の融資を受けた場合には、掛金がなくなってしまいます。

取引先の倒産以外でも融資が受けられる

1年以上掛金を納めていれば、一時貸付の制度によって、取引先の倒産以外の理由でも融資が受けられます。

一時貸付金は「無担保・無保証人」ですが、取引先の倒産の場合とは異なり、0.9%(2018年6月現在)の利息がかかります。

一時貸付金の貸付限度額は、掛金を納めた月数によって次の表のとおり定められています。掛金総額の上限は800万円と定められていることから、下表のとおり760万円を超える額の一時貸付は受けられません。

一時貸付金の貸付限度額

掛金納付月数一時貸付金の貸付限度額
1 ヶ月~ 11 ヶ月0 円
12 ヶ月~ 23 ヶ月掛金総額  × 75% × 95%
24 ヶ月~ 29 ヶ月掛金総額  × 80% × 95%
30 ヶ月~ 35 ヶ月掛金総額  × 85% × 95%
36 ヶ月~ 39 ヶ月掛金総額  × 90% × 95%
40 ヶ月以上掛金総額  × 95% × 95%
掛金総額が 800 万円の場合800 万円  × 100% × 95%
( 760 万円)

(出典:一時貸付金について|中小機構

中小企業倒産防止共済に加入するには

中小企業倒産防止共済は、1年以上継続して事業を行っている中小事業者が加入できます。加入するときは、金融機関や商工会議所・商工会などが窓口になります。

掛金は1か月あたり5,000円から20万円までの範囲で、5,000円刻みで設定できます。掛金総額の上限は800万円です。

加入できる事業者の範囲や、加入できない条件、具体的な加入方法は、下記のサイトで確認することができます。

中小機構:倒産防止共済: 経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済)

加入にあたっての注意点

金融業者、不動産業者、一般消費者を取引先にする事業者は、融資が受けられない場合があるので、加入にあたっては注意しましょう。

中小企業倒産防止共済の融資の対象となる債権は、取引先の倒産で回収が困難になった売掛金と前渡金であって、貸付金や不動産賃貸料などは対象になっていないからです。

解約時は解約手当金を受け取れる

中小企業倒産防止共済を解約するときには、解約手当金が支払われます。ただし、1年以上掛金を納めている場合に限ります。

解約手当金の額は、掛金総額に対して一定の割合をかけたものであり、その割合は次の表のとおりです。

みなし解約とは、個人事業主の死亡や会社の解散で解約とみなされる場合で、機構解約とは、掛金の滞納などによる強制解約のことです。

掛金総額に対する解約手当金の支払割合

掛金納付月数任意解約みなし解約機構解約
1 ヶ月~ 11 ヶ月0%0%0%
12 ヶ月~ 23 ヶ月80%85%75%
24 ヶ月~ 29 ヶ月85%90%80%
30 ヶ月~ 35 ヶ月90%95%85%
36 ヶ月~ 39 ヶ月95%100%90%
40 ヶ月以上100%100%95%

(出典:解約手当金について|中小機構

中小企業倒産防止共済の税制上のメリット

中小企業倒産防止共済の掛金は、法人であれば損金に、個人事業主であれば必要経費に算入できます。

月々の掛金は出費であることには変わりはありませんが、受けられるメリットを考慮すると、無駄な出費ではありません。税務上の損金に算入することで、節税に役立てることができます。

まとめ

中小企業倒産防止共済は、取引先の倒産による連鎖倒産を防ぐことができるだけでなく、有利な条件で資金が借りられるというメリットもあります。

いざというときに備えるだけでなく、節税メリットもあるので、条件を満たしていれば加入を検討されてはいかがでしょうか。

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監修:三井 啓介 (公認会計士 / 税理士)

税理士法人ゆびすい
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