- 更新日 : 2024年8月8日
資金繰りは経営の必須項目
経営にかかわる数字のうち、経営者はどうしても売上高や利益に目が向きますが、資金繰りに目を向けることも重要です。資金繰りがおろそかになると、利益は出ているのに資金が不足して、事業の存続が危ぶまれることもあります。
これから、なぜ利益は出ているのに資金が足りなくなるのか、また、資金不足を防ぐにはどうしたらいいかについてお伝えします。
目次
勘定合って銭足らず
「勘定合って銭足らず」とは古くから伝わる言葉で、利益は出ているのに資金が足りない状態のことをいいます。資金繰りが古くから経営課題の一つであったことがうかがえます。
利益があっても資金が足りない理由とは
売上が順調に伸びて利益も出ているのに、資金が不足して支払に事欠くことはよくあります。どうしてそのようになるのでしょうか。その理由を考えるには、利益と資金の関係について押さえておく必要があります。
売上が100円、売上原価が80円だった場合、利益は20円となります。(ここでは販管費などの経費は考慮しません)。

この取引が掛取引の場合は、取引の時点では資金は動きません。つまり、取引があって帳簿上は利益が計上されても、売掛金が入金されるまでは手元に資金は入ってきません。むしろ、先に買掛金を支払うことが一般的です。
買掛金80円を支払って、売掛金100円が入金されて、手元に20円残ることで、はじめて帳簿上の利益と資金の収支が一致します。
事業を継続的に行っていると、売掛金の入金や買掛金の支払が終わるまで次の取引を待つことは現実的ではありません。そのため、帳簿上の利益と資金の収支は一致しないのが一般的です。このことを念頭に、資金繰りについても目を配らなければ、気がつけば資金が不足していたということになります。
資金不足は倒産につながることも
資金不足になるとどのようなことが起こるのでしょうか。
資金不足になると、手形や小切手が決済できない、つまり不渡りの状態になります。6か月以内に2回不渡りを出すと、銀行取引停止処分が出されます。銀行取引停止処分は信用力の大幅な低下を意味し、事実上の倒産や経営破たんなどと呼ばれています。手形や小切手の取引がなくても、取引先への支払や給与の支払が滞ると信用力はたちまち低下します。
資金繰りを改善するには
売上が順調に伸びて利益も出ているのに資金が不足する原因には、主に「売掛金の入金より買掛金の支払のほうが早い」、「借入金の返済額が多い」の2つがあげられます。これらを解決することで、資金繰りの改善につながります。
売掛金の回収期日と買掛金の支払期日を変える
売掛金の回収期日は早く、買掛金の支払期日は遅くします。取引条件を変えることになるので、取引先の事情で思うようにできないこともあります。さらに、極端な条件変更は信用不安を招くこともあります。しかし、既存の取引先の条件が変えられなくても、新規の取引先の条件から変えていくことはできます。
また、売掛金の回収期日を早くしていても、営業担当者が期日どおりに回収していない場合もあります。営業担当者にも資金繰りの重要性を説いて、売掛金を期日どおりに回収するよう促すことも必要です。
借入金の返済に無理がないかチェックする
借入金の返済が資金繰りを圧迫しているケースはよくあります。早く返済したい一心で、返済額を多く設定していないでしょうか。借入金の返済のために、通常の取引に支障があってはいけません。返済額が多すぎるのであれば、金融機関に条件の変更を申し出てください。
資金繰りに困らないための対処法
入金より支払を少なくするか遅らせるのが資金繰り改善の王道です。しかし、設備投資で多額の資金が必要になるときや、取引先の倒産で急に資金繰りに行き詰まったときなどは、日々の資金繰り改善だけでは対応しきれません。このようなときに備えるための方法をいくつかご紹介します。
経営セーフティ共済に加入
経営セーフティ共済とは、中小企業の連鎖倒産を防ぐための制度で、取引先の倒産で資金繰りに行き詰まった場合に資金が借りられます。また、取引先の倒産以外の理由で資金が必要になった場合にも、一定の条件のもとで資金が借りられます。引き続き1年以上事業を行っている中小企業者であれば加入できます。
公的機関の資金・助成金の活用
国や都道府県などの公的機関による融資や補助金・助成金を活用するという方法もあります。融資は低利で受けられるほか、補助金や助成金は返済の必要はありません。一定の条件を満たすか、審査を受けて採択される必要がありますが、検討しない手はありません。
中小企業基盤整備機構が運営する中小企業のためのポータルサイト「J-Net21」の資金調達のコンテンツを参照してください。
参考:資金を調達する|J-Net21[中小企業ビジネス支援サイト
金融機関とのつき合い方を見直す
即効性はありませんが、銀行など金融機関とのつき合い方を見直すのも一つの方法です。
ネームバリューを気にして大手金融機関とだけ取引していないでしょうか。中小企業であれば、第二地銀、信用金庫、信用組合、JAなどの地域金融機関とも取引することをおすすめします。地域に密着した親身な対応が期待できます。
また、一つの金融機関とだけ取引するよりは、複数の金融機関と取引することもおすすめします。融資を受けるときに条件を比較することができます。また、ある金融機関で融資を断られても、ほかの金融機関で融資を受けられる場合があります。万が一、取引金融機関が破たんしても、複数の金融機関と取引していれば影響を抑えることができます。
まとめ
ここまでお伝えしたとおり、安定した経営を続けるためには、利益を上げるのはもちろんのこと、資金繰りにも気を配る必要があります。帳簿上の利益と資金の収支は一致しないことは、ぜひ覚えておいてください。また、ここまでお伝えした、資金繰り改善の方法や、多額あるいは緊急の資金が必要になったときに対応する方法も積極的に活用しましょう。
関連記事
・売掛金を回収するために知っておくべきこととは
・経営セーフティ共済は節税に有効?知っておきたい経営セーフティー共済の基礎知識
・経理とは?経理業務のスケジュール形式まとめ
【期間限定】会計ソフト移行で最大70万円ポイント還元!
オンプレミス型・インストール型をご利用の企業様へ。 移行作業をプロに任せる「導入支援サービス(サクセスプラン)」の費用相当額が、最大70万円分ポイント還元されるお得なキャンペーンを実施中です。
この記事をお読みの方におすすめのガイド4選
最後に、この記事をお読みの方によく活用いただいている人気の資料を紹介します。すべて無料ですので、ぜひお気軽にご活用ください。
電子帳簿保存法 徹底解説(2025/10 最新版)
電子帳簿保存法は、1998年の制定以降、これまでに何度も改正を重ねてきました。特に直近数年は大きな改正が続いた上に、現在も国税庁による一問一答の追加・改定が続いており、常に最新情報の把握が必要です。
70P以上にわたるボリュームであることから、ダウンロードいただいた方から大好評をいただいている1冊です。
インボイス制度 徹底解説(2024/10 最新版)
インボイス制度は施行後もさまざまな実務論点が浮上し、国税庁によるQ&Aの追加・改訂が続いています。これを受けて、「結局どうすればいいのか、わからなくなってしまった」という疑問の声も多く聞かれるようになりました。
そこで、インボイス制度を改めて整理し、実務上の落とし穴や対応のヒントまで網羅的に解説した最新資料を作成しました。問題なく制度対応できているかの確認や、新人社員向けの教育用など、様々な用途にご活用いただける充実の資料です。
マネーフォワード クラウド会計Plus サービス資料
マネーフォワード クラウド会計Plusは、データの自動取得、自動仕訳、自動学習の3つの自動化で経理業務が効率化できる会計ソフトです。
仕訳承認フローや業務分担にあわせた詳細な権限設定が可能で、内部統制を強化したい企業におすすめです。
マネーフォワード クラウド経費 サービス資料
マネーフォワード クラウド経費を利用すると、申請者も承認者も経費精算処理の時間が削減でき、ペーパーレスでテレワークも可能に。
経理業務はチェック業務や仕訳連携・振込業務の効率化が実現でき、一連の流れがリモートで運用できます。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
会計の知識をさらに深めるなら
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
資金繰り表の関連記事
新着記事
請求書支払いの効率化はどう進める?手順と自動化のポイントを解説
Point請求書支払いの効率化はどう進める? 請求書支払いの効率化は、業務フローの標準化とシステムによる自動化の組み合わせで実現できます。 受領形式をPDF等の電子データに統一 A…
詳しくみる請求書を一括で振込できる?マナーや手数料の負担、効率化の手順を解説
Point請求書を一括で振込できる? 同一取引先への複数請求書は、事前に合意があれば合算して一括で振り込めます。 内訳を明記した支払通知書の送付がマナー 振込先口座が異なる場合は個…
詳しくみる振込代行サービスとは?比較ポイントや手数料を安く抑える方法を解説
Point振込代行サービスとは? 企業の送金業務を外部へ委託し、手数料削減と経理業務の効率化を同時に実現する仕組みです。 大口契約の活用により手数料を半額以下に CSV連携で入力業…
詳しくみる振込代行サービスのセキュリティは安全?仕組みや管理方法を解説
Point振込代行のセキュリティは安全? 銀行同等の暗号化と法的な保全措置により極めて安全です。 全通信をSSL暗号化し盗聴・改ざんを防止 倒産時も信託保全で預かり金を全額保護 社…
詳しくみる振込手数料を削減するには?法人のコスト対策と見直し術を解説
Point振込手数料を削減するには? 振込手数料の削減には、ネット銀行への移行や振込代行サービスの活用が最も効果的です。 ネット銀行活用で窓口より約30〜50%のコスト削減が可能 …
詳しくみる振込作業を効率化するには?経理の支払い業務をラクにする方法
Point振込作業を効率化するには? 銀行APIや全銀データを活用し、会計ソフトと銀行口座をシステム接続することで実現します。 API連携で手入力とログインの手間を削減 AI-OC…
詳しくみる会計の注目テーマ
- 勘定科目 消耗品費
- 国際会計基準(IFRS)
- 会計帳簿
- キャッシュフロー計算書
- 予実管理
- 損益計算書
- 減価償却
- 総勘定元帳
- 資金繰り表
- 連結決算
- 支払調書
- 経理
- 会計ソフト
- 貸借対照表
- 外注費
- 法人の節税
- 手形
- 損金
- 決算書
- 勘定科目 福利厚生
- 法人税申告書
- 財務諸表
- 勘定科目 修繕費
- 一括償却資産
- 勘定科目 地代家賃
- 原価計算
- 税理士
- 簡易課税
- 税務調査
- 売掛金
- 電子帳簿保存法
- 勘定科目
- 勘定科目 固定資産
- 勘定科目 交際費
- 勘定科目 税務
- 勘定科目 流動資産
- 勘定科目 業種別
- 勘定科目 収益
- 勘定科目 車両費
- 簿記
- 勘定科目 水道光熱費
- 資産除去債務
- 圧縮記帳
- 利益
- 前受金
- 固定資産
- 勘定科目 営業外収益
- 月次決算
- 勘定科目 広告宣伝費
- 益金
- 資産
- 勘定科目 人件費
- 予算管理
- 小口現金
- 資金繰り
- 会計システム
- 決算
- 未払金
- 労働分配率
- 飲食店
- 売上台帳
- 勘定科目 前払い
- 収支報告書
- 勘定科目 荷造運賃
- 勘定科目 支払手数料
- 消費税
- 借地権
- 中小企業
- 勘定科目 被服費
- 仕訳
- 会計の基本
- 勘定科目 仕入れ
- 経費精算
- 交通費
- 勘定科目 旅費交通費
- 電子取引
- 勘定科目 通信費
- 法人税
- 請求管理
- 勘定科目 諸会費
- 入金
- 消込
- 債権管理
- スキャナ保存
- 電子記録債権
- 入出金管理
- 与信管理
- 請求代行
- 財務会計
- オペレーティングリース
- 新リース会計
- 購買申請
- ファクタリング
- 償却資産
- リース取引




