- 更新日 : 2025年2月20日
連結貸借対照表とは?分かりやすく解説!
連結貸借対照表とは、企業集団の連結決算時において作成される連結財務諸表のひとつで、企業集団全体の資産、負債、純資産の状態を表すためのものである。
連結貸借対照表とは
連結貸借対照表(れんけつたいしゃくたいしょうひょう、Consolidated Balance Sheet)は、親会社とその子会社を一つの経済単位として見なして作成される財務諸表の一つ。これにより、グループ全体の財務状況を一目で把握することができる。
単に親会社と子会社の単独貸借対照表を合算しただけでなく、企業集団内部の取引で生じる金額を相殺消去したうえで計上する必要がある。
また、親会社の支配力が認められる会社は子会社として全部連結され、親会社の影響力が認められる関連会社には持分法が適用される。
全部連結による連結貸借対照表
ある企業集団の親会社Aと子会社Bの単独対照表が下記の通りであったとする。
ただし、当期A社は当初資本1000のB社の株式のうち60%を取得し、60%子会社としたとする。
A社
借方・資産 5000 /貸方・負債 2000
(子会社株式600) 資本 3000
B社
借方・資産 1900 /貸方・負債 300
資本 1600
(当初資本 1000)
(当期純利益 600)
A社の貸借対照表には取得したB社の株式600が計上されている。一方、B社の貸借対照表では当期純利益分の600だけ資本勘定が増加している。
この個別決算を全部連結した連結貸借対照表は次の通りになる。
借方・資産 6300 / 貸方・負債 2300
(子会社株式)0 少数株主持分 640
資本 3360
全部連結の場合、資産および負債はA社とB社の合算を行うが、このうちの重複勘定は相殺消去しなくてはならない。したがってA社所有のB社株600とB社の初期資本勘定1000のうちの60%を相殺し、残りの40%にあたる400が少数株主持分となる。
また、当期純利益として計上された600のうち40%が少数株主持分となるため、240が少数株主持分に加算され、のこり360が連結上の資本として加算される。
持分法による連結貸借対照表
同上の連結貸借対照表を持分法にすると下記のようになる。
借方・資産5360 /貸方・負債 2000
(子会社株式960) 資本3360
持分法の場合、A社におけるB社株式の持分が増加した分だけ、A社が所有する株式勘定の価値を増加させる。すなわちB社の当初資本が1000であったのに対し、期末には1600に増加したわけであるから、A社の持分は1600×60%=960となっている。
持分が600から960に増加したのであるから、増加分の360だけ子会社株式勘定を増やし、同額を資本勘定にも増加させる。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
会計の知識をさらに深めるなら
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
関連記事
ISSBとは?IFRSサステナビリティ開示基準の内容や今後の動向を解説
IFRSとは国際財務報告基準のことを指します。グローバル化が進む中、世界で会計基準を統一することを目的に制定されました。これに関連してISSBという機関が設立されたのです。この記事では、ISSBの概要とIFRSサステナビリティ開示基準(S1…
詳しくみる中期経営計画表の作り方は?無料のテンプレートと共に作成ポイントを紹介
法人を経営するにあたって、「将来の売上はこれくらいにしたい」「前期より〇%利益を上げたい」と考える方は多いでしょう。そこで大事になるのが、経営理念や事業計画をしっかり作り、それに沿って経営することです。 今回は、法人が中期的に目指す姿を明確…
詳しくみる簿記と仕訳の基本を初心者向けに解説
商品売買、固定資産の購入、飲食をともなう打ち合わせなど、会社では、日々さまざまな取引や活動が行われています。「簿記」とは、そういった企業活動を記録するものです。簿記により記録され、整理された情報は、企業の財政状態や経営成績、キャッシュフロー…
詳しくみる予実管理とは?目的・必要性とポイントを解説
会社の経営者にとって、会社の経営がうまくいっているのかどうか判断することは、必要不可欠です。会社の経営状態の判断材料として重要となるのが「予実管理」です。ここでは、予実管理の意味や目的について解説します。 予実管理とは 予実管理とは、その読…
詳しくみる請求額と入金額が違う?主な原因や仕訳方法、消込をパターン別に解説
請求額と入金額が違う場合は、まず原因の特定が必要です。その上で処理方法を決め、仕訳を行いましょう。金額が違う原因は、請求書のミスや振込金額の入力ミスなどさまざまです。 本記事では、請求額と入金額が違う場合について、入金額が多いケースと少ない…
詳しくみるEBITDAとは?計算式や意味をわかりやすく解説
M&A(企業の合併や買収)をする際に、相手企業の価値を判断する指標としてEBITDAがあります。日常の実務において、EBITDAという言葉を使うことは滅多にないかと思いますし、今まで見たことがない…という方も多いかと思いますが、合併…
詳しくみる