合併の基礎知識|負債がある会社と合併したら、どうなるの?

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会社活動の選択肢のひとつに、合併会社を分割することで組織を再編するというものがあります。この中の、合併という方法は会社法によって規定されています。では具体的に合併するとはどういうことなのでしょうか。

今回は、合併に関する法律的な側面や会計上の手続きなどを、わかりやすく解説します。

5種類の会社再編手法

1.合併

合併とは、2つ以上の会社が1つの会社となることを指します。合併は、利害関係者に大きな影響を及ぼすため、債権者保護手続きや株主総会の特別決議が必要となります。

株主総会の特別決議を否認することで、合併に反対することができます。またこれ以外にも、合併無効の訴えを会社合併の6か月以内に提起することができます。訴えることができるのは株主や社員、破産管財人、株主総会の特別決議で承認しなかったしなかった株主、合併に異議を唱える債権者となります。

2.事業譲渡

事業譲渡と合併は、

・株主総会の特別決議が原則として必要である点
・反対株主の株式買取請求権を認めている点

が共通しています。相違点では、

・事業を全部譲渡した場合においても解散することがない点
・財産の移転は契約で定めた個別の範囲のみとなる点
・会社債権者の保護手続きは不要となる点

などが挙げられます。

3.会社分割

会社分割は、1つの会社を2つ以上に分割する行為を指します。会社分割には、新設分割と吸収分割の2種類があります。

4.株式交換

株式交換はその会社が他の会社の完全子会社化することをいいます。また、親会社が既存会社である場合に、株式交換となります。

合併の場合、会社の事業を引き渡した対価として株式を得ます。しかし、株式交換の場合は、会社の株式を引き渡した対価として、別の会社の株式を得る点が異なります。

また、子会社化に反対し親会社の株主にはなりたくない場合、株式買取請求権を行使して金銭等の対価を受け取ることも選択できます。つまり、親会社の株主になるか、株式を親会社に買い取ってもらうか選択することができます。

5.株式移転

株式移転も株式交換同様、他の会社の100%子会社になることをいいます。しかし、株式移転の場合は新たに会社を創設した場合を指します。

そもそも合併とは何か

合併とは2つ以上の会社を1つの会社にするための一連の手続きです。会社の存続や事業規模を拡大を目的に行われることが多くあります。

合併には吸収合併新設合併の2種類があります。それぞれ会社法2条27号と28号で定められています。よく目にする対等合併は、会社法で定義されていません。対等合併はあくまでも俗称であり、吸収合併の対義語ではない点に注意しましょう。

吸収合併とは

吸収合併は会社法で下記の通りに規定されています。

会社法第2条27号 吸収合併
会社が他の会社とする合併であって、合併により消滅する会社の権利義務の全部を合併後存続する会社に承継させるものをいう。

吸収合併では、合併する会社のいずれかが存続する会社となります。
また、吸収合併と新設合併には以下の4つの共通点があります。

・当事者間で合併契約を必ず締結する必要があること
・それぞれの会社の株主総会の特別決議による承認を得ること
・反対株主に株式買取請求権を認めること
・債権者保護手続きが必要であること

一定の要件を満たす場合を除いては、株主総会決議を省略することはできません。また消滅会社の全財産が存続会社に移転されるほか、消滅会社は解散と同時に消滅するため、清算に関する手続きは不要となり、存続会社に包括的に承継されることになります。

吸収合併の会計処理

吸収合併

自分の会社がA社を吸収することになり、新たに自社の株式500株(時価単価@10,000)をA社の株主に交付した場合を例に会計処理を解説します。

株式交付に伴う増加資本はすべて資本金とし、A社から承継した資産と負債が以下の内容であるときの仕訳は以下の様なものになります。

現金:帳簿価格2,500,000円 時価2,500,000円
売掛金:帳簿価格1,200,000円 時価1,200,000円
備品:帳簿価格500,000円 時価550,000円
買掛金:帳簿価格150,000円 時価150,000円

借方 貸方
現金 2,500,000
売掛金 1,200,000
備品 550,000
のれん 900,000
資本金 5,000,000
買掛金 150,000

新設合併とは

新設合併

新設合併とは、合併対象の会社がいずれも解散し、新たに会社を設立する方法です。会社法では下記の通りに規定されています。

会社法第2条28号 新設合併
二以上の会社がする合併であって、合併により消滅する会社の権利義務の全部を合併により設立する会社に承継させるものをいう。

新設合併も吸収合併同様に以下の3つが必要になります。

・合併契約の締結
・株主総会の特別決議

・債権者保護手続きが必要であること

新設会社設立日に消滅会社は解散します。会社が解散する場合、通常は清算手続の結了や破産手続開始の決定によりますが、新設合併に関しては清算手続なしに消滅することになります。そして、それまで保有していた権利や義務、財産はすべて新設会社に承継されます。

会社法成立前の旧法では、消滅会社の株主に交付される対価は新設会社の株式に限定されていましたが、会社法では新設会社の株式ではなく、金銭に換えて受け取ることができるようになっています。

新設合併の会計処理

新設合併は、新設会社以外はすべて清算手続きなしに解散するため、

・清算に関する仕訳
・資産や負債に関する引き継ぎ仕訳

が不要となり、起業をする場合と同様のものになります。

まとめ

多くの会社が手続きの猥雑さを回避するために吸収合併を選択しています。ニュースなどで、合併の話題が出たらどちらの会社が吸収されるのかを見てみると、より深くニュースを読むことができます。

※掲載している情報は記事更新時点のものです。

監修:三井 啓介 (公認会計士 / 税理士)

税理士法人ゆびすい
ゆびすいグループは、国内8拠点に7法人を展開し、税理士・公認会計士・司法書士・社会保険労務士・中小企業診断士など約250名を擁する専門家集団です。
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