- 更新日 : 2024年8月8日
コインロッカーの勘定科目は?仕訳方法をわかりやすく解説
事業を進めていくなかで、コインロッカーを使う機会も多いかと思います。コインロッカーの代金を経費に計上する際、仕訳でどの勘定科目を使うかは迷うところです。
一般的に、出張などで一時的にコインロッカーを利用する場合は雑費か旅費交通費、継続的に利用する場合は賃貸料を使います。コインロッカーを購入した場合は、購入金額で勘定科目が異なるため注意しましょう。
本記事では、コインロッカーの勘定科目について説明します。
コインロッカーの勘定科目は?
会社では、業務でコインロッカーなどを使用するケースも少なくありません。従業員が出張でコインロッカーを使う、オフィスの移転などで一時的にコンテナなどを利用するといった場合です。これらコインロッカーを使った費用は経費になりますが、仕訳の際にどの勘定科目を使うのかが問題になります。
コインロッカーの使用料についての勘定科目は、雑費、旅費交通費、賃貸料のいずれかで処理するのが一般的です。
また、社内に設置するコインロッカーを購入する場合もあります。その際の勘定科目は購入したコインロッカーの価格に応じ、工具器具備品か消耗品費を使います。
コインロッカーを使用した場合
出張などでコインロッカーを使用した場合は、利用状況によって勘定科目が変わります。単発的な使用の使用料であれば雑費で計上し、出張などで使用している場合は旅費交通費を使うことが可能です。
また、荷物の保管など、ロッカーやコンテナなどを倉庫代わりに継続的に利用している場合は賃貸料の勘定科目を使います。
ここでは、コインロッカーを使用した場合の勘定科目について紹介します。
雑費
出張などはあまり行わない会社で、単発的にコインロッカーを使う場合、経費として計上する勘定科目は雑費を使うことができます。具体的な仕訳の例は、以下の通りです。
【例】従業員が3日間の出張を行い、コインロッカーを2,000円分使用した
△△へ出張の際にコインロッカーを3回使用 | ||||
ただし、雑費を使用するのはあくまで単発の場合にとどめましょう。雑費の仕訳が多くなると経費の把握が難しくなり、税務調査が入った場合の説明に時間がかかる可能性があります。
出張の機会が多い場合は、次に紹介する旅費交通費で仕訳するのが望ましいでしょう。
雑費の勘定科目については、以下の記事でも紹介しています。
旅費交通費
従業員の出張でコインロッカーの使用が頻繁に行われる場合、旅費交通費として処理できます。出張の交通費と同じ勘定科目にすることで、経費を把握しやすくなるでしょう。
具体的な仕訳の例は、以下の通りです。
【例】従業員が4日間の出張を行い、コインロッカーを3,000円分使用した
△△へ出張の際にコインロッカーを4回使用 | ||||
旅費交通費の内容については、以下の記事も参考にしてください。
賃貸料
出張など不定期な利用ではなく、月額料金で荷物を預けている場合は賃貸料で経費計上するのが適切です。しばらく使わない荷物をコンテナに預けるといった場合がこれにあたります。
具体的な仕訳例を見てみましょう。
【例】新しいオフィスに移転する際、過去の資料の一部をコンテナに預けた。
コンテナに資料を預ける | ||||
賃貸料の勘定科目については、以下の記事で詳しく説明しています。参考にしてください。
コインロッカーを購入した場合
スポーツジムを経営しているなど、会社でコインロッカーを購入するというケースもあります。
購入したコインロッカーの金額により勘定科目が変わり、10万円以上の場合は原則として固定資産の勘定に計上します。その際に使用する勘定科目は工具器具備品です。10万円未満の場合は、消耗品費として処理します。
コインロッカーを購入する場合の仕訳について、見ていきましょう。
工具器具備品
購入したコインロッカーが10万円以上の場合は固定資産として工具器具備品の勘定科目で処理します。数年間にわたり減価償却費として費用を計上しなければなりません。
ただし、青色申告をしているなど要件を満たす中小企業者等の場合、30万円未満であれば、一括して消耗品費に計上することができます。
仕訳の具体例を見てみましょう。
【例】個人用ロッカーを20万円で購入し、小切手で支払った
工具器具備品の勘定科目や減価償却の方法については、以下の記事もチェックしてみてください。
消耗品費
10万円未満(中小企業者等の特例がある場合は30万円未満)で購入した場合は、消耗品費で仕訳します。
仕訳の具体例を見てみましょう。
【例】社内の資料を保管するロッカーを5万円で購入し、小切手で支払った。
消耗品費については、以下の記事で雑費との使い分けなど詳しく説明しています。
コインロッカー代の勘定科目は場合によって異なるので気を付けましょう
出張などでコインロッカーを使用した場合、雑費か旅費交通費の勘定科目で仕訳します。毎月のように出張があり、コインロッカーを頻繁に利用する場合は旅費交通費にしたほうがよいでしょう。
コインロッカーを購入した場合は、金額により勘定科目が変わります。資産に計上して減価償却が必要になる場合もあるため、注意してください。コインロッカー代の勘定科目を理解し、正しく仕訳しましょう。
よくある質問
コインロッカーを使用した場合の勘定科目は?
雑費、もしくは旅費交通費を使います。継続的に使用する場合は賃貸料を使用しましょう。詳しくはこちらをご覧ください。
コインロッカーを購入した場合の勘定科目は?
10万円以上の場合は工具器具備品、10万円未満の場合は消耗品費を使います。詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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