- 更新日 : 2026年1月27日
リベートとは?キックバックとの違いや種類・会計処理方法を解説
リベートとは、メーカーや卸売業者が、小売店やその他の取引業者に対して、代金の一部を取引高に応じて払い戻すことを指します。
仕組みを理解することで、経営判断やコスト管理にも役立てることが可能な仕組みです。
しかし、リベートとキックバックの違いや種類、会計処理方法について知らない方もいるでしょう。
そこで、本記事では、リベートについて詳しく解説し、経理担当者向けに会計処理方法についても解説します。
また、リベートのメリットやデメリットについても解説していますので、ぜひ参考にしてください。
目次
リベートとは?
リベートとは、メーカーや卸売業者が小売業者などの取引先に対して、取引高に応じて代金の一部を還元する仕組みのことを指します。
たとえば、1年間の取引額が一定以上になった場合に、その金額の数%を現金や値引きとして戻すといった形です。
リベートにより、取引先は仕入コストを抑えられる一方、メーカー側も販売促進効果を得られるため、双方にメリットがある制度として広く使われています。
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リベートとキックバック・交際費との違い
リベートと似た言葉として、キックバックやバックマージン、交際費がありますが、意味や使い方には違いがあります。
ここでは、両者の相違点を整理して解説していきますので、参考にしてください。
リベートとキックバックやバックマージンの違い
リベートとキックバック、バックマージンは基本的に同じものを指します。
リベートは契約に基づいて正当に支払われる割戻金であり、会計処理や税務上も明確な根拠を持ちます。
キックバックやバックマージンは、という言葉はセールス部門で頻繁に用いられ、テレビや新聞の報道では裏金のようなニュアンスで使われることも多いです。
とくに、ニュース報道などで『リベート=不正な裏金』のように誤解されることがあります。
しかし、本来はキックバックもバックマージンもリベートと同じ意味を指します。
リベートと交際費の違い
交際費とは、得意先、仕入先その他事業に関係ある者等に対し、取引の開始や継続拡大を目的に支出されるものです。
一見すると、リベートも交際費の一種に見えますが、税法上は交際費に含まれません。
リベートとして、あらかじめ契約で定めた基準に従い、売上高や仕入高に応じて支払われるものは、交際費には該当しません。
リベートの種類
リベートは大きく分けて、支払リベートと受取リベートの2種類があります。
それぞれ、性質や会計処理方法が異なるため、正しく理解することが大切です。
支払リベート
支払リベートとは、メーカーや卸売業者が販売先に対して支払う割戻金のことです。
一般的には売上金額に応じて計算され、売上高が一定水準を超えた際に支払われます。
会計処理上は「売上割戻」として扱われ、売上の減額要素となります。
たとえば、家電メーカーが販売店に対して年間販売額の3%を還元するとします。
この場合、販売店にとっては追加の利益となり、メーカーにとっては販売を促すためのインセンティブとして機能します。
支払リベートは交際費ではなく、販売促進費の一種として取り扱われる点が特徴です。
受取リベート
受取リベートとは、小売業者や販売店が仕入先から受け取る割戻金のことです。
仕入にかかる実質的なコストを減らす効果があるため「仕入割戻」と呼ばれます。
会計処理では、仕入金額の減額として扱われるのが原則です。
たとえば、スーパーが食品メーカーから一定数量以上を仕入れた場合に、その金額の一部を後日還元したとします。
受取リベートにより、小売店は仕入原価を抑えて販売価格を安定させられるため、競争力強化につながります。
受取リベートは、日常の仕入活動に密接に結びついており、経営上の重要な位置を占める仕組みです。
リベートで独占禁止法に違反するリスク
リベートは、販売促進の有効な手段ですが、方法を誤ると独占禁止法違反とみなされる危険性があります。
市場での競争を不当に制限するような条件付きのリベートや、取引先を排除することを目的としたリベートには注意が必要です。
リベートが違法になるケース
リベートが違法とされる典型例は、公正取引委員会が指摘している「排除型私的独占」と「不公正な取引方法」が挙げられます。
排除型私的独占とは、競合を市場から締め出す目的で過度なリベートを与える行為です。
たとえば、大手メーカーが特定の販売店に大量のリベートを条件に他社製品を扱わないよう求めた場合が該当します。
また、不公正な取引方法には、優越的地位の乱用や抱き合わせ販売などが含まれ、過度に有利な条件を押し付けることが問題視されます。
過去にも公正取引委員会は、取引条件に不当なリベートを組み込んでいた事例を摘発しており、企業は注意を怠れません。
違法な取引を行わないために遵守すべき基準
独占禁止法に抵触しないためには、公正取引委員会が公表しているガイドラインを守ることが大前提です。
リベートを導入する際には、目的や計算方法を契約書に明記し、客観的に合理的な基準であることを示す必要があります。
年間売上高の一定割合を割戻すなど、透明性のある基準が求められます。
また、特定の取引先だけを優遇するのではなく、公平なルールに基づいて運用することも重要です。
さらに、経理担当者は支払の根拠を記録として残し、税務調査や当局からの確認に備える体制を整えましょう。
リベートのメリットとデメリット
リベートには販売促進やコスト削減などのメリットがある一方で、会計処理の煩雑さや法的リスクといったデメリットも存在します。
以下はメリットとデメリットを整理して解説します。
メリット
小売店にとってリベートの最大のメリットは、利益率が向上する点です。
一定の販売実績を達成すると後日リベートとして資金が還元され、実質的な仕入コストが下がります。
たとえば、家電量販店が年間販売額の3%をリベートとして受け取る場合、その分の利益が追加され、値引き戦略や販促活動に充てることが可能です。
また、メーカーにとっても販売店の販売意欲を高める効果があり、長期的な取引関係を維持する手段となります。
上記のように、双方の経済活動にプラスの影響を与える点が大きな魅力です。
さらに、リベートは決算期にまとめて支払われるケースも多く、企業にとっては臨時収入的な意味合いを持ちます。これにより、資金繰りの改善や販促予算の確保にもつながります。
デメリット
一方でリベートには負担も伴います。
経理担当者にとっては処理が複雑になり、売上や仕入に対する正しい会計処理をおこなうために多くの手間がかかる点がデメリットです。
さらに、消費税の区分や按分計算を誤ると税務上の問題につながる恐れもあります。
加えて、リベートが常態化して慣例的なものになってしまうと、販売店からすると販促意欲が薄れ、また、メーカーからするとコストばかりかかってしまうことになります。
そのため、リベートは慎重に設計し運用する必要があります。
リベートの会計処理方法と消費税の取り扱い
会計上、リベートの額を売上高から直接減らす、仕入高から直接減らす、という処理は通常とれないため、独立した勘定科目で処理する必要があります。
独立した勘定科目として処理する際、明確な科目ルールは存在せず、各企業が実務に合わせて処理方法を選ぶため、正確な理解が重要です。
リベート処理の基本ルール
リベートを会計処理する場合、一般的に売主側は売上割戻、買主側は仕入割戻として計上します。
これは、リベートが本来の取引金額を修正する性質を持つためです。
ただし、必ずしもすべての会社が同じ科目を使用するわけではなく、取引の捉え方や、社内ルールによって販売促進費や雑収入など別の科目を使うケースもあります。
経理担当者は取引の目的を確認し、税務上の根拠を残しておくことが重要です。
消費税の取り扱い
消費税法上支払リベートは、「対価の返還」とされ、課税売上に応じて返還額を修正する処理をおこないます。
食品のように軽減税率が適用される商品と標準税率の商品が混在している場合は、それぞれの売上割合に基づいてリベートを按分し、税率ごとに区分して計上しなければなりません。
国税庁も適格請求書等保存方式において、返還額を税率ごとに正しく記録する必要があると明示しています。
処理を誤ると税務調査で追徴課税の対象となる可能性があるため、経理実務においては注意が欠かせません。
税務上注意すべき項目
税務の観点では、リベートを損金に算入できるかどうかが焦点となります。
契約に基づいて合理的な算定方法で支払う場合は損金算入が認められますが、使途が不明確な場合は交際費とされる可能性が高いです。
また、金銭ではなくポイントや金券で支給する場合も、処理方法を誤ると交際費扱いになる危険性があります。
企業規模にかかわらず、契約内容と証憑を整備し、合理性を説明できる状態を保つことが求められます。
リベートの会計処理方法をケース別に解説
リベートの会計処理は一律ではなく、契約の有無や内容によって計上時期が変わるので注意が必要です。
以下では、契約に基づく場合と契約がない場合、さらに適用外とされるケースに分けて解説します。
契約によってリベートの定めがある場合
リベートについて明確に契約で取り決めている場合は、その契約条件に従って売上計上と同時に処理をおこないます。
たとえば、年間売上高の5%をリベートとして返還すると契約書に明記してある場合、売上を計上する時点でその割戻額を反映させるのが一般的です。
こうすることで、期末に過大な売上を計上して後から修正する必要がなくなり、財務諸表の正確性が保たれます。
新収益認識基準及び適用指針においても、リベートが契約条件に示されている場合などには、取引価格の算定の段階で、顧客に支払われる対価(リベート)を取引価格から減額することが示されています。
リベートについての契約がない場合
契約が存在せず、販売実績に応じて後からリベートを支給するケースでは、支払いや通知が確定した時点で計上するのが原則です。
具体的には、仕入先に割戻しの通知を出した日、あるいは実際に現金を支払った日に処理します。
上記の方法は、取引内容が不明確なまま売上や仕入に反映させることを避けるためです。
契約によりあらかじめ明らかになっていない場合、事実の発生に基づき計上することが求められており、経理担当者は通知書をきちんと保管しておくことが求められます。
リベートの適用外となる場合
リベートが損金として認められるのは、社会通念上合理的とされる範囲内に限られます。
たとえば、売上に対して過大な割合を割戻す場合や、特定の得意先だけに特別なリベートを与える場合は、交際費として処理されることがあります。
中小企業であれば年間800万円までは交際費の損金算入が可能ですが、大企業では認められないため、費用計上が否認されるリスクが高いです。
国税庁は、過度に高額なリベートは本来の値引きではなく謝礼にあたると判断する傾向があるため、取引条件が合理的であることを契約書や社内規程で明確に示しておくことが必要になります。
まとめ
リベートとは、卸売業や小売業の取引高に応じて、メーカーが仕入代金の一部を正当に還元する仕組みです。
契約に基づき会計処理される点で、裏取引的な意味合いを含むキックバックやバックマージンとは異なります。
リベートには、メーカーから支払う「支払リベート」と小売業者が受け取る「受取リベート」があり、それぞれ売上や仕入の割戻として処理されます。
ただし、合理的な基準を欠く場合は交際費とみなされ、税務上のリスクが発生することもあるため注意が必要です。
また、過度なリベートは独占禁止法違反となる可能性があるため、契約内容の透明性と会計処理の正確性が不可欠です。
適切に活用すれば販売促進やコスト削減につながる一方、処理の複雑さや法的リスクがデメリットとなるため、慎重に運用していきましょう。
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