- 更新日 : 2024年9月27日
決算書で三角(△)はマイナスの意味?記号の種類やエクセルでの表示方法を紹介
決算書などで使われる三角(△)はマイナスを意味する記号です。△のほかにも、▲や()、-(マイナス)など、負の数を表記する記号は複数あります。本記事では、マイナスを示す△が使用される例や、記号の種類や特徴を紹介します。Excelでマイナス表記を設定する方法の解説や決算書のテンプレートもあるため、ぜひご活用ください。
目次
決算書において三角(△)はマイナスを意味している
決算書における三角(△)は、「マイナス」と読み替えて問題ありません。「△100」という風に、数字の前に表記します。
たとえば、以下の損益計算書では、営業利益や経常利益、税引き前当期純利益に△が付いています。それぞれの利益がマイナス、すなわち赤字であることがわかるでしょう。

業績をまとめて公表する以下のような表においても、△が使われることがあります。以下の例では、それぞれの数字の増減比が記載されています。「2023年3月期は前年よりも営業利益と当期純利益が下がっている」ことが、読み取れるでしょう。

決算書でマイナスを表す記号の種類と特徴
△のほかにも、マイナスの代わりに使える記号があります。以下では、マイナスを表す記号の種類と特徴、選び方を見ていきましょう。
マイナス記号一覧
マイナスを表す主な記号には、以下のものがあります。
| 記号 | 特徴 |
|---|---|
| △ | 日本でしか使われない表記 |
| ▲ | △と同じく日本でしか使われない表記。黒く塗りつぶされているため、△よりもネガティブなイメージを持たれやすい |
| () | 欧米で使われる表記。たとえば(300)だと「マイナス300」を意味する |
| -(マイナス) | 馴染みのある表記。ただし漢数字の「一(いち)」と見間違いやすい、改ざんしやすい、見落としやすいなどのデメリットがある |
どのマイナス記号を選ぶべき?
主に日本の方が見ることを想定した決算書であれば、△や▲がよく使われます。両者の印象は多少異なるものの、意味の違いはないため、任意で選んで問題ありません。
海外の方が見る機会が多ければ、欧米で一般的な()を使うとスムーズに理解してもらえるでしょう。△や▲は日本独特の表記であるため、海外の方に向けた資料であれば避けることをおすすめします。
-(マイナス)は一般的な表記であるものの、会計や決算書では紛らわしいためあまり使われません。どうしても使いたい理由がなければ避けた方がよいでしょう。
いずれの記号を選ぶ場合でも、決算書内では1つの記号に統一して使うことが大切です。
エクセルでは負の数の表示形式を三角(△)にできる
決算書は会計ソフトを使わず、Excelで作成することもできます。負の数の表示も、△・▲・()・-から選択でき、文字の色を赤にすることも可能です。
負の数の表示は、以下の方法で設定できます。
- まず設定を反映したいセルを選び、「セルの書式設定」を開く
- 「表示形式」タブで、左側の分類から「数値」を選ぶ
- 右側の「負の数の表示形式」から、設定したい表示方法を選び、OKを押す
1つのセルだけでなく、複数のセルを含む範囲の設定もできるため、ぜひ活用してみましょう。
Excelで決算書を作成する場合は、以下のテンプレートもご活用ください。
https://biz.moneyforward.com/accounting/templates/397/
決算書におけるマイナス表記のしかたを知っておこう
決算書でのマイナスは△で表されることが一般的であり、普段から馴染みのある-(マイナス)はあまり使われません。△の他にも▲や()などの表記パターンがあることを知っておくと、決算書を読むときにも作成するときにも役立つでしょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
会計の知識をさらに深めるなら
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
関連記事
法人事業概況説明書の提出は義務!記載内容と書き方を解説
法人は確定申告の際に、確定申告書とは別にいくつかの添付書類を提出しなくてはなりません。例えば貸借対照表や損益計算書などの財務諸表、勘定科目内訳明細書などです。 この添付書類の中に、法人事業概況説明書という書類があります。ここでは、法人事業概…
詳しくみる資金収支計算書とは何か?おさえておくべき3つのポイント
「資金収支計算書」とは、社会福祉法人や学校法人が作成しなければならない財務諸表の1つです。 ここでは社会福祉法人に関する、 ・資金収支計算書の法的根拠 ・資金収支計算書の記載内容 ・新会計基準導入で変更した点 の3つのポイントについて解説し…
詳しくみる将来キャッシュフローとは?計算方法と現在価値との違い
将来キャッシュフローとは、ある企業が将来にわたって生み出すキャッシュフローの総額です。企業価値を算定する際に用いられます。将来キャッシュフローを現在価値に割り引いたものが、その企業の現在の事業価値と評価できるのです。この記事では将来キャッシ…
詳しくみる勘定残高の確認方法と決算締めの流れ
期末になると資産の棚卸が必要だといわれますが、棚卸の方法は複数あり、どのように評価するのが適当なのかよくわからない場合も多いでしょう。 この記事では勘定残高の締め処理が必要となる背景や具体的な勘定残高の評価方法などについてご紹介します。締め…
詳しくみる経常利益とは?決算書の記載場所や計算方法、他の利益との違いを解説
経常利益とは、企業が通常行っているすべての業務で得た利益のことです。営業利益に営業外収益を加え、営業外費用を差し引いて算出されます。投資家や金融機関が企業を評価する際にも重視される指標です。この記事では、経常利益の意味や計算方法、分析方法、…
詳しくみる子会社株式の減損処理や評価損について解説
会社が保有する有価証券は、会計処理上、時価評価するもの、時価評価しないものに分類されます。時価評価しない有価証券は、取得原価(取得時の取得価額)などで評価しますが、時価が大きく下落し、回復の見込みがないときは減損処理が必要です。今回は、減損…
詳しくみる