- 更新日 : 2024年8月8日
カメラ購入費の仕訳に使える勘定科目まとめ
カメラを帳簿に計上する際の勘定科目には「消耗品費」と「工具器具備品」のどちらかが使われます。どちらの勘定科目を使うかの基準は、購入した際の金額で判断されます。
また、少額減価償却の特例やカメラやレンズのセット購入などによっては、必要経費または損金に算入も可能です。本記事では、カメラの勘定科目や仕訳方法について紹介します。
カメラ購入費の仕訳に使える勘定科目
企業名義でカメラを購入した際、その金額が10万円未満であれば必要経費として計上します。仕訳をするための勘定科目は「消耗品費」です。税法上は少額減価償却資産として扱われ、損金に算入できます。
ただし、従業員が「1,000人未満」の中小企業が計上する場合は、少額減価償却の特例の対象となる可能性があります。適用されると経費にできる上限の年間300万円までは「30万円未満」の減価償却資産も経費として計上できるため、10万円以上のカメラを購入しても資産ではなく消耗品費の扱いです。
一方、大きな企業で10万円以上のカメラを購入した際の勘定科目は「工具器具備品」です。こちらは資産として計上し、耐用年数とともに減価償却をします。また「20万円未満」であれば、一括償却資産として取りまとめて3年での均等償却も可能です。
カメラ購入費を消耗品費で仕訳する
前述の通り「10万円未満」のカメラを購入した際は消耗品費として仕訳します。例えば、自社のホームページに掲載する写真を撮るために、デジタルカメラや使い捨てカメラを購入したとしましょう。
耐用年数が1年未満と判定される商品であれば、問題なく消耗品費として計上可能です。中小企業の場合は、条件をクリアしていれば金額の上限が30万円未満に広がる少額減価償却の特例が認められるかもしれません。具体的な仕訳例は、以下の通りです。
【例】取得価額が9万円のカメラを購入し、代金を現金で支払った。
デジタルカメラ |
カメラ購入費を備品で仕訳する
「10万円以上」のカメラを購入すると、工具器具備品として仕訳をする必要があります。また、耐用年数は1年以上のものが基準です。有形固定資産として、耐用年数に応じて減価償却をして計上します。
例えば、PR動画を作成するために購入したプロ用のカメラやマイク付きのカメラを購入すると「10万円」を超える金額になるかもしれません。そのような場合は、資産として記帳しましょう。具体的な仕訳例は、以下の通りです。
【例】取得価額が20万円のカメラを購入し、代金を現金で支払った。
一眼レフカメラ |
カメラのレンズ購入費の仕訳に使える勘定科目
カメラの備品として同じように購入されるのがカメラレンズです。カメラレンズを帳簿に記す際の勘定科目も、カメラ本体と同じように金額によって変わります。基本的に「10万円未満」であれば、消耗品費「10万円以上」であれば工具器具備品として計上します。
ただし、カメラとレンズをセットで購入する際には注意が必要です。カメラとレンズそれぞれの金額が「10万円未満」であっても、セット購入した金額が「10万円」を超えた場合は、資産として計上しなければなりません。
具体的な仕訳例は、以下の通りです。
【例】取得価額が5万円のカメラレンズを購入し、代金を現金で支払った。
カメラレンズ |
【例】取得価額が15万円のカメラレンズを購入し、代金を現金で支払った。
カメラレンズ |
カメラやレンズは経費化して節税につなげよう
カメラやカメラレンズは「10万円未満」であれば経費、「10万円以上」の場合は資産として計上します。資産になれば固定資産税を支払わなければなりませんが、10万円未満の経費として計上できれば節税にもつながります。
近年はカメラのスペックもあがり、さまざまな製品が誕生しています。そのため、お手頃な値段でよいものを購入すれば、経費化できるかもしれません。
また、カメラをはじめとする電子機器のサブスクリプションサービスも上手に活用すれば、負担も減るでしょう。カメラの正しい勘定科目を理解して、仕訳に活用してみてください。
よくある質問
カメラを消耗品費で仕訳するポイントは?
カメラやレンズの購入額が10万円未満の場合は「消耗品費」で計上できます。詳しくはこちらをご覧ください。
カメラを備品で仕訳するポイントは?
カメラやレンズの購入額が10万円以上の場合は「工具器具備品」として計上できます。詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
会計の知識をさらに深めるなら
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
関連記事
支払家賃とは?支払地代との違いや仕訳の解説
「支払家賃」「支払地代」は、どちらも賃借料を表す勘定科目です。どのようなケースでそれぞれの勘定科目が使われるのでしょうか。仕訳例を取り上げながら、それぞれの勘定科目の内容や仕訳の仕方を解説していきます。 支払家賃とは 支払家賃は、賃借料のう…
詳しくみるご祝儀を経費にする場合の仕訳と勘定科目まとめ
「ご祝儀」と呼ばれるものには、従業員の結婚や得意先担当者の転勤、永年勤続表彰などで支給する祝い金、従業員の資格取得に対して支給する報奨金などさまざまなものがあります。祝い金や報奨金の支給は会社の経理上、経費として認められるでしょうか?今回は…
詳しくみる補助元帳と補助記入帳の役割とは?
複式簿記における補助簿併用制は、「主要簿」と「補助簿」で構成されています。また、補助簿には、「補助元帳」と「補助記入帳」があります。 どちらも任意帳簿で義務付けられているものではなく、必要に応じて作成するものです。 ここでは、補助元帳や補助…
詳しくみる固定費と変動費とは?代表的な種類や削減方法を解説
事業活動で発生するコストを区分する方法として、固定費と変動費に分ける方法があります。固定費と変動費の把握には、どのようなメリットがあるのでしょうか。この記事では、固定費と変動費の一覧の他、固定費と変動費を区分する理由、分け方や関連する指標、…
詳しくみる退職給付会計の過去勤務費用とは?算出方法をわかりやすく解説
過去勤務費用は、退職にともない支給する退職給付に関連するものです。過去勤務費用は退職給付においてどのような性質の費用を表すのでしょうか。この記事では、過去勤務費用の概要と算出方法、過去勤務費用に関連する未認識過去勤務費用について解説していき…
詳しくみる定額小為替の仕訳とは?勘定科目や消費税の扱いを具体例つきで解説
定額小為替は、現在も公的書類の請求や少額の対外支払いなどで使われている送金方法です。金券としての性質を持ちつつ、購入時の手数料には消費税が課税されるなど、会計処理に迷いやすい点もあります。この記事では、定額小為替の購入・使用・受け取り時の仕…
詳しくみる