- 更新日 : 2026年1月27日
電子記録債権の会計処理とは?仕訳の解説
新しい金銭債権である「電子記録債権」は、発生時と譲渡時、決済時にそれぞれ会計処理をする必要があります。どのような勘定科目が使えるのか、具体的な仕訳例も紹介しつつ解説するので、ぜひ参考にしてください。
電子記録債権とは
電子記録債権とは、電子債権の記録機関に記録することで効力が生じる債権のことです。電子記録債権は、電子債権記録機関の原簿において持ち主を書き換えることで、特定の相手に譲渡することもできます。
電子記録債権は発生・譲渡のいずれの手続きを行うときも、記録機関に出向く必要はありません。パソコンなどを使って電子データを送受信するだけで発生・譲渡の手続きが完了します。また、原簿を会社や自宅ではなく記録機関で管理するため、紛失や盗難のリスクがないことも電子記録債権の特徴です。
そのほかの特徴としては、分割できる点が挙げられるでしょう。従来の手形は分割不可ですが、電子記録債権は分割して譲渡などの手続きが行えます。
売掛債権は譲渡対象となる債権がないリスクや二重譲渡が生じるリスクがありますが、電子記録債権では帰属が可視化できるため、債権の存在を示すことや二重譲渡のリスクを回避することが可能です。また、売掛債権は人的抗弁と対抗されるリスクがありますが、電子記録債権は原則として人的抗弁は切断されるので、「支払った」「支払っていない」の水掛け論を避けられる点も利用するメリットだといえます。
電子記録債権の発生時の仕訳
電子記録債権の勘定科目は「電子記録債権」(資産)です。例えば、商品を20万円で売却し、電子記録債権で受け取った場合について考えてみましょう。債権側、つまり受け取る側は、以下のようにいったん借方を「売掛金」で仕訳をしてから、その売掛金について電子記録債権が発生したとして「売掛金」を「電子記録債権」に振り替える仕訳をします。
電子記録債権を発行した側、つまり仕入先においては以下のように仕訳をします。最初に借方を「仕入」、貸方を「買掛金」とし、次に「買掛金」を「電子記録債務」に振り替える仕訳をしましょう。
なお、債務側なので「電子記録債権」ではなく「電子記録債務」(負債)の勘定科目を用います。
電子記録債権の譲渡時の仕訳
手形を使って裏書や割引をすることは、電子記録債権では「譲渡」に相当します。電子記録債権は分割できるので、電子記録債権20万円のうち7万円を買掛金の支払いとして譲渡した場合について考えてみましょう。
電子記録債権を受け取った側、つまり、債権側が買掛金の支払いとして電子記録債権を譲渡したときには、以下のように仕訳をします。
残りの13万円について、譲渡記録により譲渡し、1万円の割引をされた残額が当座預金の口座に入金された場合について考えてみましょう。債権側は以下のように仕訳をします。
電子記録債権は手形とは異なり分割して使用できるので、割引をするときも差額を帳簿に記載するだけで会計処理が行えます。
電子記録債権の決済時の仕訳
電子記録債権は、決済時期が来ると自動的に口座から決済が行われます。例えば、15万円の商品を売り、電子記録債権を受け取ったとしましょう。その後債権側は、会社の口座に入金があり決済が終わった時点で、以下のように仕訳をします。
一方、電子記録債権を発行した側、つまり債務側は、自社の口座から引き出されて決済が終わった時点で、以下のように借方を「電子記録債務」として仕訳をします。
電子記録債権の仕訳方法をマスターしよう
電子記録債権は相殺や割引などの処理も簡単にでき、なおかつ記録機関に履歴が残るため、紛失や盗難、支払った支払っていないの水掛け論を回避できる優れた金銭債権です。勘定科目もそのまま「電子記録債権」「電子記録債務」と使えるので、仕訳をするときに分かりやすい点も特徴といえるでしょう。
オンライン決済が増えるなか、今後も電子記録債権を利用する機会は増えると予想されます。電子記録債権の発行と譲渡、決済の仕訳方法について、債権側と債務側に分けて覚えておきましょう。
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よくある質問
電子記録債権とは?
電子記録債権とは電子債権記録機関で発行できる金銭債権を指します。発行や譲渡、決済の記録が残るので、紛失や盗難、「払った」「払っていない」などのトラブルが起こりにくい点が特徴です。詳しくはこちらをご覧ください。
電子記録債権の仕訳のポイントは?
電子記録債権の支払い側は「電子記録債務」、受け取り側は「電子記録債権」の勘定科目で仕訳をします。譲渡をしたときは「電子記録債権売却損」で仕訳をしましょう。詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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