• 更新日 : 2020年6月10日

不渡手形とは

不渡手形とは、手形の満期日が到来し所持人が手形代金の支払いを請求したにもかかわらず、支払人(支払場所に指定された銀行)で支払いを拒絶された手形をいう。この場合、手形所持人は振出人や裏書人に対して、手形代金に法定利息や償還請求に要した費用を加えたものを請求できる。

不渡手形の考え方

手形の所持人は支払呈示期間(手形の満期日およびそれに次ぐ2取引日以内)に手形代金を請求することができる。しかし、支払人がそれに応じることができなかったとき、その手形は「不渡手形」となる。この場合、手形の所持人は振出人や裏書人に対してその支払いを遡求する「遡求権」がある。手形法第49条の定めにより、遡求できる金額には手形代金のほか満期日から実際の支払日までの法定利息や遡求にともない発生した支出も含まれる。

不渡手形勘定について

不渡手形勘定として借方に記入するのは次の3つの場合である。

受取手形が不渡りになったとき
・割引した手形が不渡りにとなり、償還請求を受けたとき
・裏書した手形が不渡りになり償還請求を受けて支払ったとき

記入する金額としては「手形金額」「満期日から実際の支払日までの法定利息および通知費用」「拒絶証書の作成費用」が含まれる。なお、約束手形為替手形先日付小切手などは、手形の種類は問わずに全て「受取手形」として処理する。

不渡手形の仕訳例

A社に振り出しの約束手形300,000円の満期が来たが、A社の資金不足により支払いが拒絶された。また、諸費用として現金20,000円を支払った。

借方・勘定科目 不渡手形320,000円/貸方・勘定科目 受取手形300,000円
現金   20,000円

なお、不渡手形の金額を回収した時、またはA社の倒産などにより回収不能となった時はこの勘定の貸方に記入する。


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