簡易課税の改正で事業区分やみなし仕入率が一部変更に

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平成26年3月の消費税法令改正により、簡易課税制度のみなし仕入率の見直しが行われました。

消費税納税額の計算方式のひとつである簡易課税制度とは、仕入れや設備投資、経費といった支払いの際に実際に支払った消費税の額をもって納税額を計算せず、事業を行う上でお客様から預かった消費税に、みなし仕入率と呼ばれる一定率を乗じて計算した金額を、支払った消費税とみなし、納税額を計算する制度をいいます。

この簡易課税制度を選択できるのは、定められた期間の売上が5,000万円を超えない中小事業者に限られています。中小企業の事務負担を軽くするという理由から、売上に伴って預かった消費税から納めるべき税金の金額を算出するという仕組みが取られているのです。

今回は、税制改正により変更となった簡易課税制度のみなし仕入率についてくわしく解説します。

みなし仕入率の見直しについて

簡易課税制度を選択すると、年間の課税売上高に対し、事業区分ごとに定められた「みなし仕入率」を掛けて消費税の納税額を計算します。

今回の消費税法令改正では、みなし仕入率の見直しが行われました。その内容は以下の通りです。

・金融業と保険業が、第4種事業から第5種事業に変更となり、みなし仕入率が60%から50%に変更
・不動産業が、第5種事業から新設された第6種事業に変更となり、みなし仕入率が50%から40%に変更

不動産業の場合は、建物を賃貸し、不動産収入を得ている企業、不動産の仲介や管理を行う企業などが対象になります。金融・保険業の場合は、例えば保険の代理店を経営している中小企業が関係してきます。

みなし仕入率の見直しが行われた背景には、すべての事業区分において、みなし仕入率が実質の課税仕入率を上回っているという実情があります。その中でも実質の課税仕入率とみなし仕入率の乖離(かいり)が大きなものが、金融業と保険業、不動産業であるという判断が下されたためだと言われています。

適用開始時期は?

この改正の内容は、平成27年4月1日以降から始まる課税期間からの適用となります。ただ、以下のような経過措置が設けられています。

経過措置について

平成26年9月30日までに「消費税簡易課税制度選択届出書」を出した場合、平成27年4月1日以降から始まる課税期間でも、その届出書に記載した「適用開始課税期間」の最初の日から2年が過ぎるまでの間に開始する課税期間(簡易課税制度の適用をやめることができない期間)に関しては、改正前のみなし仕入率が適用されるといった経過措置が取られています。

簡易課税制度の適用をやめる場合は?

消費税の簡易課税制度の適用をやめる場合には、「消費税簡易課税制度選択不適用届出書」の書類を、簡易課税の適用をやめようとする課税期間開始の前日までに、納税地の所轄税務署長に提出しておく必要があります。この書類を提出するタイミングが重要になってきます。

簡易課税制度は一度受けることを選択すると、最低2年間は簡易課税制度により納付消費税額を計算しなければいけません。簡易課税方式と原則課税方式には、それぞれメリット、デメリットがありますので、よく考えて選択することがポイントになります。

届出書の記載事項について

消費税簡易課税制度選択不適用届出書には、「簡易課税制度の適用を受けることをやめようとする課税期間」の記載、「基準期間」「基準期間の課税売上」といった項目を記載します。

まとめ

税制改正が関係してくる業種において事業をしている場合、みなし仕入率の引き下げによって、消費税の納税額の負担が増加するということになります。ご自分の会社が関係していないか、しっかりと把握しましょう。また、簡易課税と原則課税で、どちらが有利となるかは計算してみないとわかりません。「消費税の納税はどっちがオトク?!簡易課税と原則課税の違い」の記事も参考にしてください。

※掲載している情報は記事更新時点のものです。

監修:加地 延行 (公認会計士 / 税理士)

税理士法人ゆびすい
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