- 更新日 : 2026年4月22日
四半期決算とは?作成義務の改正やメリット、手順を解説
四半期決算とは、1年間の会計期間を3ヶ月ごとに区切り、企業の業績や財務状態を報告する決算のことです。
- 制度の改正:2024年4月より四半期報告書が廃止され、四半期決算短信へ一本化されました。
- 書類の役割:第1・第3四半期は短信、第2四半期は半期報告書を提出する仕組みに変わっています。
- 実務の簡略化:本決算と異なり、実地棚卸の省略など簡便な会計処理で迅速に作成が可能です。
制度改正後は第1・第3四半期の監査人レビューが原則任意となりましたが、投資家への信頼性を担保するために任意でレビューを受ける選択肢もあります。最新のルールに基づき、効率的かつ透明性の高い開示を行うことが重要です。
四半期決算とは、四半期ごと(通常は3か月に1回)に決算を行うことです。上場企業については、取引所規制により四半期ごとの決算短信の提出が定められているため、四半期決算が必要です。
この記事では、四半期報告書の廃止に伴う改正や作成のメリット、作成の手順などを解説します。
目次
四半期決算とは?
四半期決算とは、会計期間を4期に区分して行う決算のことです。第1四半期を1Q、第2四半期を2Q、第3四半期を3Q、第4四半期を4Qといいます。四半期決算は中間決算(半期報告)や本決算と比較すると、以下のような違いがあります。
| 本決算 | 半期報告(旧中間決算) | 四半期決算 | |
|---|---|---|---|
| 決算の頻度 | 年に1回(決算日) | 年に1回(決算の翌日から6か月を経過する日) | 年に2回(第1・第3四半期) |
| 開示書類 | 有価証券報告書 | 半期報告書 | 四半期決算短信 |
| 簡便な処理 | 認められない | 一部認められる | 認められる |
本決算、中間決算、四半期決算などの決算の種類や詳細については、以下の記事をご覧ください。
2024年から四半期報告書が廃止された
上場企業については、従来、金融商品取引法により四半期報告書の提出が義務付けられていました。しかし、法改正により2024年4月以降に開始する四半期から、四半期報告書の提出義務は廃止されました。
四半期報告書の廃止を受け、第1・第3四半期の情報開示については「四半期決算短信」に一本化されました。また、第2四半期については、従来の四半期報告書に代わり「半期報告書」を提出することになっています。
四半期報告書と四半期短信の主な違いは、開示速度と監査人によるレビューの有無でした。情報開示の効率化(「二重開示」の解消)の観点から、速報性の高い四半期決算短信へ一本化されることとなりました。
四半期決算を行うメリットは?
法的な「四半期報告書」は廃止されましたが、四半期ごとに決算を行い、短信等で情報を開示することには大きな意義があります。
四半期決算の内容を株主などに開示することは、会社の最新の経営状況を明確にする意味で重要です。近年のビジネスは目まぐるしく変化するため、半期ごとの報告だけでなく、四半期単位で情報をアップデートすることで、株主や投資家によりタイムリーな判断材料を提供できるでしょう。
また、経営陣が会社の状況を3か月ごとに詳細に把握できるため、課題の早期発見や経営戦略の柔軟な転換が可能になるというメリットもあります。
四半期決算(短信)に含めるべき書類は?
四半期決算において作成・開示される主な書類は以下の通りです。
四半期決算短信では、財務諸表の作成において本決算よりも簡便な会計処理が認められています。また、開示事項には以下の内容が含まれます。
四半期損益計算書(包括利益計算書を含む)
損益計算書(P/L)は、会社の売上高や利益がわかる書類です。収益と費用の勘定科目で構成されます。
四半期貸借対照表
貸借対照表(B/S)は、会社の財政状況がわかる書類です。資産、負債、純資産の勘定科目で構成されます。
四半期キャッシュ・フロー計算書
キャッシュ・フロー計算書(C/F)は、現金および現金同等物の入金や出金の流れがわかる書類です。※第1・第3四半期では開示を省略できる場合があります。
四半期決算を作成する手順は?
四半期決算は以下の手順で進めます。
- 四半期の会計処理を行う
- 決算整理仕訳を行う(簡便的な処理を含む)
- 四半期損益計算書・四半期貸借対照表を作成する
- 決算短信としての開示資料を作成する
- (任意で)監査法人によるレビューを受ける
- 適時開示情報として公表する
四半期決算で作成する決算書は、本決算のように厳格な会計処理は求められません。本決算同様に作業を進めると時間もコストもかかるため、実地棚卸の省略、減価償却や経過勘定の簡略計算など、簡便な方法での作成が認められています。また、第1・第3四半期の決算短信における監査人によるレビューは、現在は原則として「任意」となっています。
四半期決算を含む決算業務の課題と効率化
マネーフォワードが独自に実施した調査では、決算業務において約7割が確定前の数値に誤りが見つかるなど、定期的な修正作業に直面しているとわかります。年に複数回行う四半期決算を効率的に進めるためにも、ミスの原因を把握し対策することが重要です。
ミスの原因と業務への影響
数値の誤りや修正が発生する主な原因として、最も多いのは「手入力によるミス(入力漏れ、桁間違いなど)」で、40.8%でした。次いで「組織変更や新規事業に伴う複雑な会計処理の増加」が28.3%と続いています。
また、ミスが発生した際の業務への影響として最も大きいのは「修正対応による残業時間の増加・過重労働」で、29.3%でした。次いで「決算スケジュールの遅延」が19.2%となっており、現場の負担が大きいことがわかります。
システム化による決算の効率化
誤りを減らすための対策として、「複数名によるダブルチェック・承認フローの強化」が23.3%、「会計システムやERPの刷新・自動化の推進」が22.4%でした。四半期決算をスムーズに行うためには、手入力によるミスを減らして残業時間を削減できる、会計システムを活用した自動化の推進が有効です。
出典:マネーフォワード クラウド、決算数値の誤りや修正が発生する主な原因【決算に関する調査データ】(回答者:数値の誤りや修正を経験している635名、集計期間:2026年2月実施) マネーフォワード クラウド、誤りや修正が発生した際の業務への影響【決算に関する調査データ】(回答者:数値の誤りや修正を経験している635名、集計期間:2026年2月実施) マネーフォワード クラウド、誤りや修正を減らすための対策・注力点【決算に関する調査データ】(回答者:決算業務に関与している667名、集計期間:2026年2月実施)
四半期決算の最新ルールを正しく理解しよう
2024年4月の法改正により、上場企業の四半期開示は「四半期決算短信」への一本化と「半期報告書」への置き換えが完了しました。制度の簡素化が進んだ一方で、投資家へのタイムリーな情報開示の重要性は変わっていません。従来の「四半期報告書」という枠組みにとらわれず、最新のルールに則った効率的な決算実務を整えることで、経営判断のスピードアップと企業の透明性向上を両立させていきましょう。
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※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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