- 更新日 : 2024年8月8日
施設入場料や入館料の仕訳に使える勘定科目まとめ
施設入場料や入館料を経費に計上するときは、施設に入場した目的に応じて異なる勘定科目を用いて仕訳をします。主な勘定科目は「取材費」「福利厚生費」「接待交際費」「採用教育費」「広告宣伝費」などです。どのように使い分けることができるのか、仕訳例を提示しながら詳しく解説します。
入場料や入館料の仕訳に使える勘定科目
入場料や入館料も、業務に関係にあるものであれば経費として計上が可能です。例えば、施設に視察に行った場合や展示会に行った場合、従業員の福利厚生の一環として博物館や遠足に行った場合などは、入場料や入館料を経費として計上しましょう。また、取引先を見送るために駅構内に入ったときの入場料なども、経費計上が可能です。
入場料や入館料に使われる主な勘定科目としては「取材費」「福利厚生費」「接待交際費」「採用教育費」「広告宣伝費」などが挙げられるでしょう。それぞれの仕訳例を提示して解説します。
取材費
メディア関連の仕事であれば、入場料や入館料を「取材費」の勘定科目を使って仕訳ができます。また、作家やデザイナーなどのクリエイティブな仕事の場合も、作品を考える際に取材が必要なのであれば「取材費」として仕訳が可能です。
取材として博物館に行き、1,800円の入館料を現金で支払った場合、以下のように仕訳ができます。
福利厚生費
従業員の福利厚生として遠足や旅行に出かけ、美術館や映画館などの施設に入場した場合には、入場料や入館料を「福利厚生費」として仕訳ができます。例えば、10人で映画に行き、現金で入館料を支払ったときの仕訳は以下のとおりです。
入場料をクレジットカードで支払った場合は、支払ったタイミングとクレジットカードで利用料金が引き落とされたタイミングの2回に分けて帳簿に記載します。1回目は貸方を「未払金」として仕訳をしましょう。2回目は借方を「未払金」、貸方を「預金」や「普通預金」の勘定科目を使って仕訳をします。
なお、福利厚生費として計上するためには、そのイベントをすべての従業員が利用できることが条件となります。例えば、映画館への入館料を福利厚生費として計上する場合であれば、その映画を見るイベントは誰でも希望すれば参加できることが条件です。
一方、特定の従業員を対象としたイベントで入場料や入館料を支払ったときは「社内交際費」が適当です。特定の従業員だけを映画館に連れていき入館料を現金で支払ったときは、以下のように仕訳ができます。
接待交際費
施設への入場料や入館料がクライアントや取引先をもてなすための費用であるときは、「接待交際費」の勘定科目を使って仕訳をすることが適当です。
採用教育費
従業員の教育の一環として入場料や入館料を支払ったときは、「採用教育費」の勘定科目を使用できます。また「教育訓練費」の勘定科目を使用して仕訳をすることも可能です。
広告宣伝費
博覧会などの入場券を購入して取引先などに配布するときは、「広告宣伝費」の勘定科目で仕訳ができます。博覧会へ協賛しているときなどは、企業のイメージアップや販売促進にも貢献する活動なので「販売促進費」の勘定科目を使って仕訳することも可能です。
入場する目的に合わせて勘定科目を使い分けよう
入場する目的によって、入場料や入館料の勘定科目は異なります。クリエイティブな活動をするときやメディア関連のときは「取材費」、従業員の福利厚生のための活動のときは「福利厚生費」、教育の一環であれば「採用教育費」や「教育訓練費」が適当でしょう。
また、クライアントなどへの接待であれば「接待交際費」、公益性のある博覧会で自社が協賛している場合など、入場券を購入して配布する場合は「広告宣伝費」や「販売促進費」が適当です。目的を正しく把握し、勘定科目を使い分けましょう。
よくある質問
入場料を取材費で仕訳する場合のポイントは?
メディア関連の仕事、あるいは作家やデザイナーなどのクリエイティブな作業のために必要と思われるときは、入場料を取材費として仕訳ができます。 詳しくはこちらをご覧ください。
入場料を福利厚生費で仕訳する場合のポイントは?
従業員すべてが参加できるイベントであれば、福利厚生費として仕訳ができますが、特定の従業員に向けたときは社内交際費などを用います。詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
会計の知識をさらに深めるなら
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
関連記事
振替伝票の役割と書き方
業務で発生した金銭のやりとりは、すべて帳簿に記載しなければなりません。一般的に、こうした取引のすべてを日付の順番に従って記載した帳簿を仕訳帳と言います。 仕訳帳に記載されたすべての金銭取引は、仕訳に従って総勘定元帳に転記されます。しかし、仕…
詳しくみる受取手形とは?決済、回収時の仕訳・勘定科目や売掛金との違いをわかりやすく解説
現金での取引は、確実ではあるものの、企業間取引においては柔軟性の高い取引とはいえません。期限に柔軟性をもたせ、現金の代わりに利用されているのが「手形」です。 手形には、約束手形と為替手形があります。特に、受け取ることで将来の入金を約束しても…
詳しくみる中小企業の経営者・経理担当が求めるビジネスカードのポイントとは
法人の経理作業にはビジネスカードの活用が便利ですが、実際に導入、利用する際にはどのようなポイントが意識されているのでしょうか? 30名以下の企業の法人経営者・経理担当の方に、ビジネスカードに関するアンケートを実施しました。 ビジネスカードを…
詳しくみる移動平均法による評価方法をわかりやすく解説
企業の利益を把握するうえで、売上原価管理は無くてはならない業務のひとつです。棚卸資産の原価を正しく把握できていなければ、利益の数字が不正確となり経営判断や戦略に大きな影響を及ぼすでしょう。 その原価計算をより正確なものとする方法に「移動平均…
詳しくみる【事例で解説】パソコンの勘定科目とは?ケース別に購入時の仕訳例まとめ
IT関連の企業をはじめとして、事務処理などのためにパソコンやマウスを購入する会社や個人事業主は多いでしょう。パソコンの購入は金額によって勘定科目が異なり、その後の会計処理も変わってきますので、しっかりポイントを押さえておきたいところです。今…
詳しくみるタクシー代を仕訳する場合の勘定科目まとめ
タクシー代は業務上使用したものであれば経費にできますが、状況によって適切な勘定科目が変わるため、取り扱いに注意が必要な費目でもあります。この記事では、仕訳をする際、どの勘定科目を選べばよいのか、実例を紹介しながら解説していきます。個人事業主…
詳しくみる