- 更新日 : 2024年8月8日
納税証明書の勘定科目は?発行手数料の仕訳方法もわかりやすく解説!
金融機関で融資を受けるときなどに必要な「納税証明書」は、発行手数料を経費として算入できます。この場合の勘定科目は「租税公課」となり、借方科目に「租税公課」、貸方科目は「現金」として仕訳が可能です。本記事では納税証明書の取得場所や取得方法、勘定科目、仕訳についてわかりやすく解説します。納税証明書などの書類取得時の手数料で迷ったときは、ぜひ参考にしてください。
納税証明書の勘定科目は?
納税証明書とは納税したことや金額などを証明する書類です。金融機関で融資を受ける際や官公庁が実施する事業に入札するときなどに必要な場合があります。
納税証明書や印鑑証明書、住民票などの公的書類を取得するときの費用は「租税公課(そぜいこうか)」の勘定科目に分類することが一般的です。
なお、租税とは税金のこと、公課とは公的機関に支払う手数料や罰金のことを指します。
納税証明書の種類
税務署が発行する国税の納税証明書には、以下の6つの種類があります。金融機関などで納税証明書の提出を要求された場合は、どの種類が必要かあらかじめ尋ねておくと、何度も書類を取りに行く手間が省けるでしょう。
| その1 | 納付税額等の証明書 |
| その2 | 申告所得税および復興特別所得税、もしくは法人税の所得金額の証明書 |
| その3 | 未納の税額がないことを証明する書類 |
| その3の2 | 申告所得税および復興特別所得税、消費税および地方消費税に未納の税額がないことの証明書(個人用) |
| その3の3 | 法人税と、消費税および地方消費税に未納の税額がないことの証明書(法人用) |
| その4 | 滞納処分を受けたことがないことを証明する書類 |
【参考】国税庁|No.9208 納税証明書の請求
納税証明書の仕訳は?
納税証明書の発行手数料が370円だった場合は、借方科目に「租税公課」、貸方科目は現金で支払った場合は「現金」として以下のように仕訳できます。なお、オンラインで決済する場合はネットバンキング経由となり、貸方科目は「預金」とします。
印鑑証明書や戸籍謄本など、公的な書類の発行手数料は、いずれも同様の仕訳が可能です。
納税証明書はどこで取得する?
どの税金の納税証明書を取得するかによって、取得場所が異なるため注意が必要です。例えば、法人税の納税証明書が必要な場合は、法人税は国税のため所轄の税務署で取得します。
また、事業税は都道府県税のため都道府県税事務所、固定資産税や軽自動車税は市区町村税のため市区町村税事務所か市区町村役場です。無駄足にならないように、出かける前に取得場所を確認しておきましょう。
取得方法
法人税などの国税の納税証明書は、オンラインと窓口、郵送の3つの方法で取得できます。オンラインで申し込んで郵送や電子ファイルで受け取る場合は、電子証明書等の事前準備が必要です。すでに電子証明書を発行している場合は、オンラインが便利な取得手段といえるでしょう。
一方、オンラインで申し込んで税務署の窓口で受け取る場合は、電子証明書等は不要です。また、すでに申し込み手続きが終わっているため、窓口での待ち時間を短縮できるというメリットもあります。
オンラインで申し込みをしないで、直接税務署の窓口に行き、納税証明書の発行を申し込むことも可能です。オンライン申し込みを済ませている場合に比べ、待ち時間が長くなることもありますが、その場で受け取れるため手間がかからない方法といえるでしょう。
税務署の窓口に行くことが難しく、かつ電子証明書等を発行していない場合は、郵送を利用できます。ただし、郵送で申し込むときは、手数料に相当する収入印紙に加え、送料と返信用封筒とそれに貼り付ける切手も必要になるので注意しましょう。
なお、オンラインで申し込む場合は納税証明書1枚あたり370円、税務署の窓口や郵送など書面で申し込む場合は1枚400円です。
事業税や固定資産税などの地方税に関しては、自治体や税事務所ごとに取得方法や手数料が異なります。管轄の地方税事務所や役場に問い合わせておきましょう。
納税証明書の勘定科目について理解できましたか?
納税証明書の勘定科目は租税公課です。借方科目に租税公課、現金で支払った場合は、貸方科目に現金と記入します。ネットバンキング経由のオンライン決済で支払った場合には、貸方科目に預金と記入しましょう。
また、納税証明書には種類が6つあるため、どの種類が必要か確認して正しい書類を発行しましょう。国税か都道府県税、市区町村税なのかによって発行する場所が異なるため、事前に確認してください。
【参考】国税電子申告・納税システムe-tax|納税証明書についてよくある質問
国税庁|[手続名]納税証明書の交付請求手続
よくある質問
納税証明書の発行手数料の勘定科目は?
勘定科目は租税公課となり、借方科目に租税公課、現金で支払った場合は貸方科目が現金、ネットバンキング経由のオンライン決済で支払った場合は預金で仕訳をする。詳しくはこちらをご覧ください。
納税証明書はどこで取得できる?
税金の種類によって異なり、国税の場合は管轄の税務署、地方税の場合は地方税事務所や管轄の役場で取得できる。詳しくはこちらをご覧ください。
納税証明書の取得方法は?
オンラインと窓口、郵送の3つの方法で申し込むことができ、いずれも紙面で受け取れるが、オンラインに限っては電子ファイルで受け取ることも可能。詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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