- 作成日 : 2025年6月13日
収受日付印は令和7年から廃止!税務署に紙で申告した際の確認方法は?
収受日付印は、申告書の控えなどに押印される日付印です。これまでは、紙で申告書を提出する際の控えに押されていましたが、令和7年1月以降の申告から廃止となりました。収受日付印廃止以後の対応や申告書提出の確認方法について紹介します。
目次
収受日付印は令和7年から廃止された
収受日付印は、役所が書類を受領したことを表す日付入りの押印のことです。紙で申告書を提出する際に、控え用の申告書に収受日付印の押印が行われていました。しかし、収受日付印は税務行政のデジタル化にともない廃止されることになりました。これにより、令和7年1月以降に紙で提出する申告書の控えには収受日付印が押印されません。なお、令和7年1月以降の当分の対応として、日付と税務署名が記載されたリーフレットの配布が行われます。
収受日付印の廃止で影響を受けるケース
収受日付印の廃止の影響を受けるのは、税務署の窓口に申告書を提出していた企業や、郵送で申告書を提出していた企業です。
これまでは、提出時に控えを提出すると、控えに収受日付印が押されて返却される流れでした。
しかし、令和7年1月以降の申告では、申告書の正本と控えを同時に提出しても、控えへの押印はありません。控えを提出しても、提出した控えがそのまま返却されるだけになります。
収受日付印の代わりに紙での申告を確認できるものは?
申告書の控えに収受日付印が押印されなくなったことで気になるのが、申告書の提出事実の確認方法ではないでしょうか。これまで、収受日付印は、申告書の提出事実を証明する方法として活用されてきました。収受日付印の廃止以降は、以下の4つの方法により申告書の提出を確認できます。
申告書等情報取得サービス
e-Taxの利用により、PDFファイルを取得する方法です。紙での提出を含め、イメージデータにより申告書の提出を確認できます。e-Taxが必須のため、オンラインでないと利用できないサービスです。なお、対応しているのは所得税の確定申告書と収支内訳書(または青色申告決算書)となるため、個人のみが利用できます。オンラインのみの対応ですが、無料で利用可能なサービスです。
保有個人情報の開示請求
税務署が保有する個人情報の開示請求により、提出済みの申告書などを確認できるサービスです。法人の申告書の開示には対応していません。利用にあたり、300円の手数料、オンライン申請では200円の手数料が発生します。
税務署での申告書等の閲覧サービス
税務署の窓口でのみ対応しているサービスです。過去に提出された申告書などを閲覧できる方法で、個人の申告、法人の申告の両方に対応しています。窓口での確認となるため、証拠となる書類のコピーは基本的にできません。
納税証明書の交付請求
申告書に記載された所得金額や納税額の証明書を取得できる方法です。申告書の原本やコピー自体を直接確認することはできません。提出の事実のみを証明したい場合に活用を検討できるサービスです。オンライン申請にも対応しています。
収受日付印の廃止は電子申告に影響なし
収受日付印は、紙で提出された申告書に行われていた対応です。電子申告(e-Tax)を利用した申告には影響がありません。電子申告の場合、e-Taxでの送信後に、メッセージボックスに受信通知が格納されます。受信通知からは、受付番号や受付日時などを確認できます。
紙で申告書を提出する場合は収受日付印の廃止に注意
紙で申告書を提出する場合、控えには収受日付印が押印され、提出者に返却されていました。しかし、令和7年1月以降の申告では収受日付印が押されなくなりました。収受日付印を提出の事実確認に利用していた場合は、状況に適した対応が必要です。申告書の提出の事実を確認したい場合は、税務署での閲覧サービスを利用するなどの方法があります。収受日付印の廃止を機に、電子申告に変更するのも方法のひとつです。電子申告であれば、提出後に送付される受信通知から提出日時を確認できます。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
会計の知識をさらに深めるなら
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
関連記事
地域未来投資促進税制とは?メリットや適用要件、申請手順をわかりやすく解説
地域未来投資促進税制とは、地域未来投資促進法に基づいて導入された税の優遇制度です。地域の強み・特性を活かした事業への投資を促進し、地域経済を活性化させる目的で創設されました。「地域経済牽引事業計画」を作成し、要件に該当することで適用されます…
詳しくみる経理の無駄な作業を削減する3つの方法!課題や進め方を解説
経理の無駄な作業を削減する方法として、エクセルやクラウド会計ソフトの導入、アウトソーシングの活用が効果的です。作業時間の短縮や手入力によるミスを削減し、業務効率化が期待できます。ツールや外部リソースを上手に活用することで、日々の負担を軽減し…
詳しくみる棚卸しとは?目的や評価金額の計算をわかりやすく解説
棚卸しは、商品の在庫が実際にどのくらいで、状態はどうか確認するために必要なもので、会計処理にも影響します。年に数回棚卸しを行うこともあれば、業種によっては月末の度に実施するなど、手順や棚卸しをする時期はさまざまでしょう。 棚卸しはどのような…
詳しくみる固定資産除却損とは?
固定資産除却損とは、会社の事業において、不要となり廃棄処分した有形固定資産を、除却することによって発生した損失のことである。 固定資産除却損は、バランスシートに計上されている、使用を中止してスクラップ化した固定資産の帳簿価額を損失として、特…
詳しくみる消費税の軽減税率 調味料なのに「みりんは適用対象外」なワケ
2019年10月1日、いよいよ消費税が10%に引き上げられます。 消費税は所得の多さに関係なく、すべての人に等しくかかる税金です。そのため低所得者の負担増の懸念から、増税と同時に、飲食料品と新聞については税率8%に据え置く「軽減税率制度」が…
詳しくみる飲食店の経理のやり方!エクセルと会計ソフトおすすめ【簡単ガイド】
飲食店をうまく経営するには、料理の味やメニューの増加といったクオリティアップだけでなく、正確な経理作業による経営実態の把握や正しい申告納税が必要です。このとき経理データが整理されていなければ、売上や原価をもとにした経営分析や適切な決算ができ…
詳しくみる