- 更新日 : 2024年8月8日
法人税申告書の別表2とは?見方や書き方、注意点まで解説
法人税申告書の別表2は、同族会社に関連する判定を記載する書類です。判定結果を記載するだけなく、なぜその判定に至ったのかまで詳細を記載します。今回は、別表2の役割や各項目の書き方について解説していきます。
目次
法人税申告書の別表2とは
法人税申告書の別表2「同族会社等の判定に関する明細書」は、同族会社や特定同族会社の判定を示す書類です。法人税法第2条第10号に定める同族会社であるか、法人税法第67条の同族会社の特別税率の適用があるかを判定します。
別表2は、投資法人を含む会社に該当する場合に提出する書類です。様式は国税庁のサイトでダウンロードできるほか、e-Taxソフトなどからの入手もできます。詳しい書き方は以下で解説します。
別表の書き方ではなく法人税申告書の全体的な作成方法を知りたい場合は、以下の記事を参照ください。
法人税申告書の別表2に記載する主な項目と書き方
別表2「同族会社等の判定に関する明細書」の書き方を大項目別に説明します。
判定基準となる株主等の株式数等の明細

別表2は、下部の「判定基準となる株主等の株式数等の明細」から作成していきます。該当の欄は、所有する株式数あるいは出資金の額が多い順に会社の株主(または社員)を書き出す欄です。
1.順位
書き出した株主の保有する株式数と議決権数について、すべての株主の中での順位を記載します。株式の合計数が多い順から記載することになるため、基本的に株式数等は1位から始まります。
2.判定の基準となる株主(社員)及び同族関係者
株主の住所(または法人の所在地)と氏名(または名称)を記載します。同族会社の判定ではグルーピングが必要なため、記載するのは各々の株主の氏名や住所ではなく、そのグループの代表者の氏名や住所です。
3.判定基準となる株主等との続柄
2で記載したそのグループの代表者との関係を記載します。
(記載例:本人、配偶者、など)
4.被支配会社でない法人株主等(株式数又は出資の金額等)
株式の保有者が法人であるときに、株式数又は出資の金額、議決権の数の各欄に保有する数を記載します。
5.その他の株主等(株式数又は出資の金額等)
株式の保有者が法人でないとき、つまり個人であるときに、株式数又は出資の金額、議決権の数の各欄に保有する数を記載します。
同族会社の判定
別表2の上部左側には、同族会社の判定内容を記載します。

1.期末現在の発行済み株式の総数又は出資の総額
自己株式を含む総数を記載します。自己株式等があるときは該当欄の内書きが必要です。
2.(19)と(21)の上位3順位の株式数又は出資の金額
株主グループ上位3位までの株式数または出資金額について、下の明細から合計した数を記載します。
3.株式数等による判定
1の総数に対する上位3グループの保有割合を記載します。
(2の株式数等を1の株式総数等で除した数値をパーセンテージに直して記載)
4.期末現在の議決権の総数
期末時点の議決権の総数を記載します。株式数に議決権が対応する場合、つまり議決権を行使できない種類株式を発行していないときは、4~6について記載する必要はありません。
5.(20)と(22)の上位3順位の議決権の数
株主グループ上位3位までの議決権の数について、下の明細から合計した数を記載します。
6.議決権の数による判定
4の総数に対する上位3グループの議決権の割合を記載します。
7.期末現在の社員の総数
申告する法人が持分会社(合同会社・合名会社・合資会社)に該当する場合に記載する項目です。ただし、3や6の判定で同族会社に該当する場合(50%を超える場合)は記載の必要がありません。
8.社員の3人以下及びこれらの同族関係者の合計人数のうち最も多い数
下の明細より、上位3位グループの合計数を記載します。
9.社員の数による判定
7の総数に対する上位3グループの社員の割合を記載します。
10.同族会社の判定割合
同族会社に該当するかは、株式数割合、議決権割合、社員数割合のいずれか多い割合で判定します。そのため、判定割合には、「3」「6」「9」の中で高い割合を記載します。
特定同族会社の判定

別表2の上部右側は、特定同族会社の判定に関する項目を記載します。同族会社の判定のように、保有株式割合、議決権割合、社員数割合によって判定します。
11.(21)の上位1順位の株式数又は出資の金額
下部の明細より、上位1位のグループに属する株式数あるいは出資の金額を記載します。
12.株式数等による判定
1の総株式数または出資の額に対する11の割合を記載します。
13.(22)の上位1順位の議決権の数
下部の明細より、上位1位のグループに属する議決権の数を記載します。
14.議決権の数による判定
4の議決権の数の額に対する13の割合を記載します。
15.(21)の社員の1人及びその同族関係者の合計人数のうち最も多い数
下部の明細より、上位1位のグループに属する人数を記載します。
16.社員の数による判定
7の社員の総数に対する15の割合を記載します。
17.特定同族会社の判定割合
特定同族会社も、株式数割合、議決権割合、社員数割合のいずれか多い割合で判定します。そのため、判定割合には、「12」「14」「16」の中で高い割合を記載します。
18.判定結果
同族会社等に該当するか否か最終的な判定結果を示す項目です。「同族会社の判定割合」「特定同族会社の判定割合」で記載の割合がいずれも50%を超えるときは、同族会社かつ特定同族会社に該当します。この場合、〇をつけるのは特定同族会社です。
同族会社に該当するものの特定同族会社の判定割合が50%を超えないときは、同族会社に〇をします。特定同族会社にも同族会社にも該当しないときに〇を付すのは「非同族会社」です。
法人税申告書の別表2を書く際の注意点
別表2で判定する同族会社とは、3人以下の株主と関係のある個人または法人で発行済み株式(または議決権)の50%を超えるような会社をいいます。つまり、上位3位の株主グループで重要な意思決定ができる会社ということです。
同族会社は上位3位の株主グループで判定するため、「判定基準となる株主等の株式数等の明細」で4位以下の株主グループを記載する必要はありません。
また、同族会社のうち、1人の株主と関係のある個人または法人で発行済み株式(または議決権)の50%を超えるような会社を特定同族会社といいます。特定同族会社は、少数の株主の意思が経営を左右しやすいことから税制上の規定がいくつか設けられています。
ただし、当期末の資本金の額(または出資金の額)が1億円以下の法人(大法人と完全支配関係がある会社を除く)、清算中の法人は特定同族会社には該当しません。そのため、該当する場合は特定同族会社の判定について記載を省略しても問題ありません。
別表2は同族会社や特定同族会社を判定するためのもの
法人税申告書の別表2では、上位3位の株主グループに含まれる関係者を書き出し、同族会社や特定同族会社の判定を記載していきます。同族会社等の判定が必要な会社(株式会社や合同会社など)は記載や提出が必要な書類です。同族会社や特定同族会社の判定は、法人税の規定にもかかわる部分です。判定方法や記載方法をしっかり押さえておきましょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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