• 作成日 : 2020年4月27日

クラウド型の会計ソフトで利用すべき機能とは?

この記事は会計ソフトについて、メリット・デメリットを比較しながら会計ソフトの基本から効率的な使い方を説明しています。
自分に合った使い方を見つけて経理にかかる時間を削減しましょう。

そもそも会計ソフトとは?

会計ソフトとは、仕訳から決算書作成を行うソフトウェアのことです。
近年では、仕訳から決算書作成を行う基本的な機能に加えて、給与計算や年末調整に対応できる機能や確定申告書(主に所得税、消費税)を作成できる機能を持つものもあります。

また、会計ソフトには大きく分けてインストール型とクラウド型の2種類があります。
それぞれのメリット・デメリットを説明していきます。

インストール型の会計ソフトの特徴

インストール型の会計ソフトのメリット・デメリットは以下の通りです。

メリット

  • インストール後はインターネット環境が不要
  • 動作・処理が早い
  • 買い切りのソフトが多い
デメリット

  • OSによって使えないソフトもある
  • 自分でバージョンアップを行う必要がある(主に税法改正のとき)
  • PCの容量を圧迫する

インストール型の会計ソフトの特徴をまとめると、ソフトウェアと作成した仕訳・決算書データの保存場所が自分のPCになるため、データの取り扱いに手間がかかります。PCを買い替えるときは自分でデータの移行やバックアップを行う必要があります。

ソフトウェア自体が買い切りのため月額料金がかからず、長期的に使用する場合はクラウド型の会計ソフトよりも安く済む場合もあります。しかし、バージョンアップの際は別途料金がかかる会計ソフトもあるため、注意が必要です。

クラウド型の会計ソフトの特徴

クラウド型の会計ソフトのメリット・デメリットは以下の通りです。

メリット

  • 複数のPC、タブレットやスマホから使える
  • 自動でバージョンアップ(主にバグ修正や税法改正のとき)
  • OSが関係ない
デメリット

  • インターネット環境がないと使えない
  • 月額料金がかかる
  • インストール型と比べると動作・処理が遅いときがある

クラウド型の会計ソフトの特徴をまとめると、データの保存場所がクラウド上(会計ソフトを提供する企業のサーバーや外部のサーバーなど)になるため、自分でデータを保存する手間が減ります。その代わりに、会計ソフトを使用するときはインターネット環境が必要になります。

インターネット環境によっては、処理に時間がかかることがあります。また、クラウド型会計ソフトは月額制が多いため長期的に使った場合はインストール型よりも割高になります。

>>会計ソフトは毎年バージョンアップが必要?クラウド型とインストール型を解説!

クラウド型会計ソフトの便利機能

クラウド型会計ソフト便利機能は主に以下の4つです。手入力に比べると作業時間が大幅に減ります。

  • 自動連携機能
  • 請求書作成機能
  • 領収書・レシートなどのスキャン
  • 売上や経費レポート

それぞれ説明していきます。

自動連携機能

自動連携機能を利用するにあたっては、事前にネットバンキングやネット上のクレジットカード明細を確認できるサービスとの連携設定を行う必要があります。連携した後は通帳の履歴やクレジットカード明細の数値を元に、自動仕訳が行われます。最初に勘定科目の設定をしなくてはいけない場合もありますが、仕訳の入力作業自体がなくなります。

注意点として、現金取引はネットバンキングにもクレジットカードにも履歴が残らないため自動連携の対象になりません。自動仕訳の対象にならない取引には、以下で述べるスキャン機能の利用がおすすめです。

領収書・レシートなどのスキャン

クラウド型会計ソフトは、タブレットやスマホから操作することが可能です。スキャン機能は、スマホのカメラで領収書・レシートを撮影するだけで仕訳入力が行われ、手入力に比べて誤入力などのミスが減らすことができます。

請求書作成機能

会計ソフトを経由して請求書を作成すると、会計ソフトが売上の計上と入金処理を自動仕訳します。会計ソフトとは別に得意先を管理している場合は、この請求書作成機能を使うことで大幅に作業時間が減ります。

売上や経費レポート

会計ソフトでは、仕訳の数値から自動で試算表総勘定元帳を作成するため、月別の売上や経費をタイムリーに確認することができます。売上が上がらない原因やマーケティングの効果などを素早く把握できます。

クラウド型会計ソフトを導入するために必要な準備

クラウド型会計ソフトの導入にあたって、事前に以下の準備をすることで、より効率的に使うことができます。

  • 事業用の口座とプライベート口座を分ける
  • ネットバンキング、ネット上のクレジットカード明細を利用する
  • 過去の決算から勘定科目を整理する
  • 顧問税理士と共有できる会計ソフトか確認する

それぞれ説明していきます。

事業用の口座とプライベート用の口座を分ける

帳簿付けの基本ですが、事業用の口座とプライベート用の口座を分けるだけで不要な仕訳や残高の不一致が起こりにくくなります。

特に、これから開業することを考えている方は、事業用の口座としてネットバンキングに対応した口座を準備しておきましょう。

また、自動連携機能を使うと、その銀行口座の履歴から自動仕訳が行われます。事業用の口座とプライベート用の口座が一緒になっている場合、事業に関係のない仕訳まで計上されてしまい、事業に関係のない仕訳を消す作業が発生してしまいます。

ネットバンキングやネット上のクレジットカード明細を利用する

自動連携機能はネット上に入出金の情報がないと使えません。
そのため、ネットバンキングやネット上のクレジットカード明細のサービスを利用する必要があります。

過去の決算から勘定科目を整理する

過去に確定申告を行ったことがある方は、今後どの勘定科目を使うかを決めておきましょう。クラウド型会計ソフトでは同じ仕訳をなんども入力しているとソフト側で記憶してくれる機能があります。この機能を使うことで手入力の手間が省け、より効率的です。

顧問税理士と共有できる会計ソフトか確認する

顧問税理士がどんな会計ソフトを使っているのか確認しておきましょう。顧問税理士が使っている会計ソフトであれば効率的にアドバイスをもらうことができ、仕訳データなどの共有もスムーズです。

会計ソフトの他に気を付けること

クラウド型会計ソフトの他に気を付けることは以下の2点です。

  • 帳簿や領収書などの保管は紙が原則
  • 電子申告をするならe-Taxへの対応

上記2点は、クラウド型の会計ソフトの導入とは別に、税務署での手続きが必要です。
それぞれ説明していきます。

帳簿や領収書などの保管は紙が原則

クラウド型の会計ソフトで作成したものはすべてデータ(電子的記録)であるため、確定申告書を提出した段階で印刷し、紙として保管しなければいけません。

紙として保存しなければいけない帳簿と書類は以下の通りです。

  • 仕訳帳
  • 仕訳帳
  • 決算書
  • 領収書や契約書などの取引を証明する書類
  • その他の補助簿(現金出納帳、得意先元帳など)

上記の帳簿と書類の保存期間は7年間です。欠損金がある場合は10年になります。
会計ソフトにデータがあるため忘れがちですが、必ず印刷して保管しましょう。

なお、事前に税務署で電子帳簿書類の保存手続きを行い、データで保管するという選択肢もあります。

>>電子的に保存する「電子帳簿保存法」と「e-文書法」とは?

e-Taxの対応

e-Taxとは確定申告書一式をデータとして提出することを指し、事前に税務署での手続きが必要です。

クラウド型会計ソフトで確定申告書を作成した後は、e-Taxで確定申告書を提出すると印刷する手間が無く、本人確認手続きの一部を省略することができます。

まとめ

主にクラウド型の会計ソフトについて説明しました。
経理や確定申告がめんどうだと感じている方は、クラウド型の会計ソフトの自動連携機能を利用してみてはいかがでしょうか。

>>クラウド化とは?経理担当が知っておくべき基礎知識※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

監修:並木 一真(税理士/1級FP技能士/相続診断士/事業承継・M&Aエキスパート)

並木一真税理士事務所所長
会計事務所勤務を経て2018年8月に税理士登録。現在、地元である群馬県伊勢崎市にて開業し、法人税・相続税・節税対策・事業承継・補助金支援・社会福祉法人会計等を中心に幅広く税理士業務に取り組んでいる。

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