- 更新日 : 2024年8月8日
人間ドックを経費にする時の仕訳に使う勘定科目
人間ドックの費用は、特定の条件を満たしている場合には福利厚生費の勘定科目で経費計上することが可能です。どのような条件を満たせば経費として扱えるのか、具体的な仕訳例を挙げて解説します。個人事業主が人間ドックの費用を経費にするための条件についても説明します。
人間ドックの仕訳に使える勘定科目
すべての従業員が利用できる福利厚生関連のサービスについては、福利厚生費として経費計上できます。人間ドックも同様です。特定の従業員だけでなく、すべての従業員が利用できる場合は、福利厚生費の勘定科目を使って経費計上することができます。ただし事業主側が直接医療機関に費用を支払い、常識の範囲内の金額であることも求められます。
役員だけが利用できる人間ドックの費用は、福利厚生費として計上できません。会社側が費用を負担した場合は、給与の一部として考えることができます。
豪華個室で食事つき1人あたり20万円などの人間ドックも、常識の範囲内の金額とはいい難いため、経費計上は難しいでしょう。従業員全員が利用できる場合でも、福利厚生費とならないことが多いです。
なお従業員全員が利用できるという条件は、必ずしもその時点での従業員全員を指しているのではありません。例えば年齢40歳以上のように人間ドックを受けられる従業員を限定する場合であれば、年齢が高くなるほど健康上の問題が生じるリスクは高くなるので妥当な条件と考えることができ、福利厚生費として経費計上可能です。
40歳以上の従業員全員に対して、人間ドックの費用を支払った場合について考えてみましょう。1人2万円で会社側が直接医療機関に費用を払ったのであれば、福利厚生費として経費計上することが可能です。以下のように仕訳をしましょう。
| 借方 | 貸方 | 摘要 | |||
|---|---|---|---|---|---|
| 福利厚生費 | 200,000円 | 預金 | 200,000円 | 40歳以上の全社員(20人)の人間ドック費用 | |
個人事業主は人間ドックを経費にできる?
個人事業主本人が人間ドックを利用した場合には、その費用を経費として計上はできません。また、家族を青色専従者としている場合も、家族の人間ドックの費用を福利厚生費とするのは難しいといえます。
従業員がいる場合、制限を定めないで利用できるのであれば人間ドックの費用を経費計上することが可能です。また、年齢などの根拠のある理由による制限を定めて人間ドックの費用を会社側が負担するときも、福利厚生費として経費計上できます。
ただし家族以外の従業員と一緒に、個人事業主や青色専従者が人間ドックを受ける場合も、事業主本人や家族の人間ドックの費用は福利厚生費にはなりません。まとめて支払った場合も、区分けして福利厚生費として経費計上するようにしましょう。
福利厚生費の条件を満たすか確認してから仕訳をしよう
人間ドックの費用は福利厚生費として経費計上できますが、条件があります。従業員全員が利用できることと妥当な金額であること、事業主側が直接医療機関に費用を支払うことのすべてを満たしているか確認しておきましょう。
よくある質問
法人は人間ドックを経費にできる?
全員あるいは理由のある制限の上ですべての従業員が人間ドックを受けられるときには、事業主が直接医療機関に費用を支払い、なおかつ常識的な金額であれば経費計上できます。詳しくはこちらをご覧ください。
個人事業主は人間ドックを経費にできる?
個人事業主自身の費用は経費計上できません。家族を青色専従者としているときも経費計上できません。家族以外の従業員がいて、等しく人間ドックを受けられるときは経費計上できます。詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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