- 更新日 : 2024年8月8日
ウォーターサーバーを経費にする時の仕訳に使う勘定科目まとめ
オフィスに設置したウォーターサーバーは、経費計上が可能です。サーバーレンタル料は「賃貸料」か「リース料」の勘定科目で仕訳します。水代は使用目的で異なり、「福利厚生費」や「接待交際費」、「販売費」などの勘定科目を使います。また、仕訳の際は消費税にも注意が必要です。
本記事では、ウォーターサーバーのサーバーレンタル料と水代を仕訳するときに使う勘定科目について、詳しく紹介します。
目次
ウォーターサーバーの仕訳に使える勘定科目
オフィスに設置したウォーターサーバーは、経費に計上できる場合があります。レンタルのプランで導入する場合、勘定科目は「賃借料」または「リース料」で計上します。
サーバーは無料レンタルになるサービスもあり、その場合は水代だけの計上となります。水代は従業員向けのものであれば「福利厚生費」の勘定科目を使い、来客へのサービスでリースした場合は「接待交際費」で計上するのが一般的です。
また、飲食店などで顧客向けの飲料水として提供する場合、販売費として計上することもできます。
個人事業主がウォーターサーバーを導入した場合、来客向けであれば「接待交際費」で計上できますが、そうでない場合、従業員のいない個人事業主は経費計上が難しいでしょう。個人事業主がウォーターサーバーを経費に計上したい場合は、しっかり用途を証明しなければなりません。
なお、ウォーターサーバーの消費税率は、サーバーリース料と水代で異なります。リース料は軽減税率の対象ではなく、消費税率は10%です。一方、水代は食品に該当するため、消費税率は8%となります。
ウォーターサーバーを賃借料で仕訳する
ウォーターサーバーのレンタルが有料の場合、「賃借料」か「リース料」の勘定科目で仕訳します。両者の違いは、レンタルの期間です。
イベント会場に設置するなど、短期間にレンタルする場合は「賃借料」を使い、一度のレンタル料金をまとめて仕訳します。
イベント会場に来客向けのウォーターサーバーを設置し、レンタル料1万円を支払った場合の仕訳は、以下のとおりです。
ウォーターサーバーをリース料で仕訳する
ウォーターサーバーのレンタル料は無料というサービスもありますが、毎月1,000円程度の料金がかかる場合もあります。ウォーターサーバーを長期間のリース契約をして毎月レンタル料を支払う場合は、「リース料」の勘定科目を使い、支払いごとに計上します。
ウォーターサーバーを1年間契約し、レンタル料800円を支払う場合の仕訳例は、以下のとおりです。
ウォーターサーバーを福利厚生費で仕訳する
ウォーターサーバーはレンタル料のほかに、水代がかかります。水代は利用目的で勘定科目が変わるため、注意しましょう。従業員が利用するために設置する場合、水代は福利厚生費になります。
従業員用のウォーターサーバーの水代を毎月3,000円支払っている場合の仕訳は、以下のとおりです。
なお、個人事業主が自分用にウォーターサーバーを設置しても、経費には計上できません。事業のために使うとはいえないためです。
また、家族経営で家族が利用する場合でも、福利厚生費の勘定科目は使えません。家族と一緒に生活をしていることが多く、「仕事で必要なときに使ったものか、日常生活の中で使ったものか」の線引きが難しいためです。
しかし従業員を雇用しており、従業員用にウォーターサーバーを設置している場合は福利厚生費として計上できるケースもあります。
ウォーターサーバーを接待交際費で仕訳する
ウォーターサーバーを応接室に設置し、来客用として利用している会社も多いかと思います。そのような場合は「接待交際費」の勘定科目で仕訳しましょう。
来客用に設置したウォーターサーバーの水代を3,000円支払った場合の仕訳は、次のように行います。
ウォーターサーバーを販売費で仕訳する
カフェや飲食店などの店舗において、来店したお客様用にウォーターサーバーを設置している場合、水代は「販売費」として仕訳することもできます。販売費とは、会社の営業活動に支出した費用のうち、商品の販売やサービスに関連して発生した費用のことです。
店舗に設置したウォーターサーバーの水代5,000円支払ったときの仕訳は、以下のとおりです。
ウォーターサーバーの勘定科目は用途によって使い分けよう
ウォーターサーバーの仕訳はレンタル料と水代に分かれます。レンタル料は期間によって「賃借料」か「リース料」を使い、水代は利用目的によって適したものを使いましょう。主な目的が従業員の利用であれば、「福利厚生費」で仕訳します。
また、レンタル料と水代は消費税率が異なるため、注意して仕訳してください。
よくある質問
ウォーターサーバーは経費にできる?
事業に使用している場合は、経費に計上可能です。詳しくはこちらをご覧ください。
ウォーターサーバーを賃借料で仕訳するポイントは?
主に短期間にレンタルする場合の仕訳に使用します。詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
会計の知識をさらに深めるなら
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
関連記事
キャンセル料が発生した場合の仕訳と勘定科目まとめ
本記事では、キャンセル料が発生した場合の勘定科目の使い方や、具体的な仕訳例を解説しています。キャンセル料はその内容によって、課税の取扱いが異なることは意外と知られていません。これまで何となく仕訳をしていたという人は、ぜひこの機会に正しいキャ…
詳しくみる前受金とは?仕訳例から、前受収益・仮受金との違いまで解説!
決算書の負債の部に表記される勘定科目の中に「前受金」というものがあります。商品の販売引き渡しや役務提供が完了する前に受け取った金銭を、前受けとして処理する際に使用する勘定科目です。 金銭を受け取った際に使用する勘定科目にはその他にも「前受収…
詳しくみる【事例で解説】パソコンの勘定科目とは?ケース別に購入時の仕訳例まとめ
IT関連の企業をはじめとして、事務処理などのためにパソコンやマウスを購入する会社や個人事業主は多いでしょう。パソコンの購入は金額によって勘定科目が異なり、その後の会計処理も変わってきますので、しっかりポイントを押さえておきたいところです。今…
詳しくみる自賠責保険の勘定科目は?自動車保険の仕訳方法を解説
自動車を所有する場合、自賠責保険(自動車損害賠償責任保険)に加入しなければなりません。また、もしもの事故に備えて多くの方は任意保険にも加入しています。事業に車を使用している場合、これらの保険料は経費として計上することが可能です。 今回は自動…
詳しくみる営業外支払手形と営業外受取手形を仕訳から解説
手形を活用すれば、資金を準備できないときでも、仕入や有価証券の購入などを行うことが可能です。企業が扱う手形は、取引の事由に応じて、支払手形(受取手形)と営業外支払手形(営業外受取手形)に分かれています。 今回は営業外支払手形、および営業外受…
詳しくみるローン返済を経費計上する際の勘定科目を紹介
ローンは、特定のものを購入する目的などで利用されます。法人の場合は、業務用の自動車を購入するためのカーローンなどが代表例として挙げられます。 ローンの返済時には現金が出ていくことになりますが、ローン返済分は経費として計上できるのでしょうか。…
詳しくみる