- 更新日 : 2024年8月8日
エアコンの減価償却を解説!業務用・家庭用の耐用年数は?
エアコンは業務用と家庭用で、法定耐用年数が異なります。そのため、減価償却が必要な場合は耐用年数の違いに注意しましょう。本記事は、エアコンの減価償却と計算方法について紹介します。エアコンを減価償却する際の注意点も解説しているので、併せて参考にしてみてください。
目次
エアコンの耐用年数は何年?
法人がエアコンを導入する場合は、業務用か家庭用かによって法定耐用年数が異なる点に注意が必要です。ただし、法定耐用年数と製品の寿命はイコールではないため、実際は法定耐用年数より長く使用できる場合もあります。ここでは、業務用エアコンと家庭用エアコンの耐用年数をチェックしましょう。
業務用エアコンの耐用年数
業務用エアコンは建物付属設備に分類されるため、法定耐用年数は13年または15年です。冷凍機の出力が22kW以下の場合が13年、22kW以上の場合が15年に分類されます。なお、建物付属設備とは、建物に固着して利用する設備のことです。
家庭用エアコンの耐用年数
家庭用エアコンは器具及び備品に該当するため、法定耐用年数は6年です。業務用エアコンのような高い冷暖房能力を要しないため、耐用年数も異なります。
参考:国税庁 法定耐用年数
エアコンの減価償却と計算方法
減価償却は、定額法と定率法の2種類があります。
定額法による減価償却
定額法とは、毎年の減価償却費を同じ金額で計上していく計算方法のことです。「取得価額を法定耐用年数で割る」もしくは「取得価額に定額法償却率をかける」ことで算出できます。
例えば、300万円の業務用エアコン(法定耐用年数15年)を購入した場合は、以下のような計算式で求められます(定額法償却率をかけた場合)。
定額法で求めた減価償却費を仕訳すると以下のとおりです。
直接法(固定資産から減価償却費を直接差し引く方法)
| 減価償却費 | 201,000円 | 建物付属設備 | 201,000円 | エアコン 減価償却 1年目/15年 |
間接法(減価償却累計額を計上し、これまでの合計を表す方法)
| 減価償却費 | 201,000円 | 減価償却累計額 | 201,000円 | エアコン 減価償却 1年目/15年 |
定率法による減価償却
一方、定率法とは、減価償却資産を購入当初に減価償却費を多く計上して、毎年の費用計上額を徐々に減らす計算方法のことです。取得価額から前年度までの減価償却累計額を差し引き、定率法償却率をかけて計算します。
例えば、300万円の業務用エアコン(法定耐用年数15年)を購入した場合は、以下のような計算式で求められます。
2年目:(300万円-39万9千円)×0.133=34万5,933円
定率法で求めた減価償却費(1年目)を仕訳すると以下のとおりです。
直接法(固定資産から減価償却費を直接差し引く方法)
| 減価償却費 | 399,000円 | 建物付属設備 | 399,000円 | エアコン 減価償却 1年目/15年 |
間接法(減価償却累計額を計上し、これまでの合計を表す方法)
| 減価償却費 | 399,000円 | 減価償却累計額 | 399,000円 | エアコン 減価償却 1年目/15年 |
なお、取得価額が10万円未満なら消耗品費として全額を費用計上するため、減価償却はしない点に注意が必要です。
そもそもエアコンの購入で使用する勘定科目とは?
エアコンの購入で使用する勘定科目は、取得価額によって異なります。エアコンの購入費、および設置費の合計が10万円未満の場合は「消耗品費」、10万円以上20万円未満の場合は「一括償却資産」に該当します。
なお、30万円以上の場合は通常の資産として、「備品」または「建物付属設備」として計上します。
詳しくは以下の記事をご覧ください。
エアコンを減価償却する際の注意点
エアコンを減価償却する際の注意点は、以下のとおりです。
- 取り付け費用の科目を分けることもできる
- プライベートでも兼用する場合は費用を按分する
それぞれの注意点について詳しく解説します。
取り付け費用の科目を分けることもできる
エアコンの取り付け費用は、購入金額と分けて計算したほうがよいケースもあります。購入金額と取り付け費用の合計が30万円を超える場合、通常の減価償却資産の対象として毎年の減価償却の処理が必要になり手間がかかります。
その場合、購入金額と取り付け費用の科目を分けて計上すれば問題は解決します。例えば、購入金額が28万円、取り付け費用が3万円の場合、購入金額は少額減価償却資産として損金に算入する特例が認められます(中小企業者等の条件に該当する場合)。
残りの取り付け費用は、修繕費として計上できます。購入金額と取り付け費用を分けて計上すれば、会計処理の手間を省けるケースもあるでしょう。
参考:国税庁 中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例
プライベートでも兼用する場合は費用を按分する
プライベートでもエアコンを使用する場合は、費用を按分する必要があります。例えば、リビングにエアコンを設置した場合、プライベートでも使用する可能性が高いでしょう。100%仕事で使わないのであれば、エアコンにかかる費用を全額経費にできません。
プライベートでも使用する場合は減価償却費を按分し、仕事で使用した分だけ経費として計上するようにしましょう。
按分について、詳しくは下記記事を参考ください。
エアコンの減価償却を理解しよう
エアコンの耐用年数は、業務用と家庭用で異なります。そのため、減価償却費を求める際は、法定耐用年数が何年になるかを確認しておきましょう。本記事で紹介した減価償却費の計算方法や仕訳を参考に、正しい会計処理を行っていきましょう。
減価償却のおさらい
減価償却とは、固定資産の取得原価をその使用期間にわたって費用として配分する会計手続きです。具体的には、建物や機械、車両などの長期にわたって使用する資産が、時間とともに価値を減少させるため、その減少分を毎年の費用として計上します。これにより、資産の価値減少を正確に財務諸表に反映し、企業の財務状況をより正確に示すことができます。減価償却の方法には、定額法、定率法、特定用途の資産には生産高比例法などがあり、それぞれの方法で費用配分の仕方が異なります。税務上も重要な処理であり、適切な減価償却を行うことで税務上の利益を調整することができます。減価償却について詳しくは、こちらの記事もご覧ください。
よくある質問
エアコンを減価償却する際の耐用年数は何年ですか?
業務用エアコンの耐用年数は13年または15年、家庭用エアコンの耐用年数は6年です。詳しくはこちらをご覧ください。
エアコンの購入で使用する勘定科目は何ですか?
エアコンの購入金額と設置金額の合計が10万円未満の場合は「消耗品費」、10万円以上20万円未満の場合は「一括償却資産」に該当します。詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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