1. クラウド会計ソフト「マネーフォワード クラウド会計」
  2. 会計の基礎知識
  3. 業務効率化
  4. クラウド化とは?経理担当が知っておくべき基礎知識
  • 作成日 : 2020年4月6日
  • 更新日 : 2020年4月22日

クラウド化とは?経理担当が知っておくべき基礎知識

経理業務はクラウド会計化がすすみ、今までの入力作業から自動記帳された仕訳の確認作業にシフトしつつあります。日本の各省庁も同様で、今後はあらゆる業務のクラウド化が予測されます。しかし、なかには大切な情報をインターネット上で取り扱うことに抵抗がある方もいるでしょう。この記事ではクラウドの概要や経理業務における活用状況について解説します。

クラウド化とは?

従来、政府や各企業などが情報システムを整備する際は、データサーバなどネットワーク機器を設置して運用していました。一方、自社で機器を持たずに、サーバが提供するネットワーク経由のサービスを通して、データの処理や保管を行う利用形態をクラウド(雲 = クラウドコンピューティング)と言います。

クラウドの場合、データやサービスは、インターネットなどのネットワークにつながった領域に保管されます。クラウド上に保管しているデータは、ネットワークを経由して、場所やパソコン・モバイル端末などの機器を選ばずに使えます。
2018年6月に、政府は「政府情報システムにおけるクラウドサービスの利用に係る基本方針」を発表しました。ここで、各システムについて自社でサーバを運用する方法に代わり、クラウドサービスの利用を第一候補とする「クラウド・バイ・デフォルト原則」が示されました。また、あわせてクラウドサービスの利用に関する基本的な方針が打ち出されています。

各省庁では2020年秋より数年かけて、全面的にシステムをクラウドに切り替えていく見込みです。アメリカやヨーロッパと比べ、クラウド後発国といわれる日本は、今後大きく挽回できるかの岐路に立たされているとも言えます。

政府の方針も固まって、クラウドは少しずつ社会に根付いています。そこで経理業務を中心として「クラウド化」について考えていきましょう。

参考:政府情報システムにおけるクラウドサービスの利用に係る基本方針

経理業務におけるクラウド化とは?

経理業務におけるクラウド化で真っ先に挙げられるものは、クラウド会計ソフトです。

クラウド会計ソフト(クラウド型会計ソフト)は、インターネットを利用できる環境があれば、いつでも、どこでも会計処理が行えます。
クラウド会計ソフトは、アプリケーションをインストールする必要がなく、データをパソコン内で保存しません。さらに、インターネット上から様々なデータの自動取込を行い、経理担当者に代わって仕訳まで作成してくれます。

また、クラウド化を考えるのであれば、経理業務だけでなく、会社の事業全般における導入効果を検討することも重要です。従業員が複数いれば、クラウド型の給与計算ソフトや勤怠管理ソフトを導入するメリットはいくつも挙げられるでしょう。

クラウド化によって、従来のTCO、人件費共に大幅に削減することができます。TCO(Total Cost of Ownership)とは、コンピュータのハードやソフトの導入費用と運用後の維持管理費のためのシステムに係る総所有コストのことです。固定資産としてシステムを保有しなくても済み、さらに今までより柔軟なシステム対応が可能となります。

クラウドは危ない?

アメリカやヨーロッパに比べて日本はクラウド後発国であるとされています。それはなぜでしょうか?

クラウドは便利な一方、不正アクセスなどによるデータの流出、コンピュータウイルスなどのサイバー攻撃などのリスクにさらされます。クラウド化に危機感を感じるのは、セキュリティやサービスの継続性に関するものが多く、それは利用者の管理できないところで起こることへの不安に起因するものです。

経理業務においては、信用を失うような事故はあってはなりません。このような不安感から完全クラウド化をためらう担当者が多く、クラウドの発展を妨げていました。日本の場合、トップダウン型の意志決定や顧客第一主義、さらには年功的人事システムを採用している企業が少なくありません。情報漏えい事件が起これば、長年かけて築いてきた会社の信頼を一瞬にして失う恐怖がついてまわります。さらに、今まで公的な機関のクラウド化が進んでいなかったことも要因のひとつといえるでしょう。

しかし、現在の技術を正しく活かして利用すれば、従来の情報システムのように、社内にサーバを置き、システム担当者だけに管理を委ねるリスクはなくなります。万が一社員が不正に情報を漏洩させてしまった場合の賠償は、業務委託時の情報漏洩のそれとは比べ物になりません。また、地震など大規模災害の対策については、社内で万全を期すことがほぼ不可能といえます。

アメリカでは、機密を扱う政府機関が利用するのであれば安全だという認識が各企業のクラウド化を躍進させたとも言われています。日本でも、政府が先ほどの基本方針を発表したことがクラウド化の推進力となるかもしれません。

公的機関のクラウド化とは?

日本でもクラウド活用を推進する鍵は、アメリカと同様に政府のクラウド利用にあると考えられます。既にクラウド化が進み、実績をあげている例に税務申告や社会保険手続きがあります。

2004年2月、名古屋国税局で始まった国税庁の国税電子申告・納税システム(e-Tax)は、大法人を対象に2020年4月より義務化されるまでになりました。経理業務や人事労務業務と非常に関係の深い業務で、いち早く電子化を体験した担当者であればその便利さを実感しているでしょう。

そして、2006年4月より「電子政府の総合窓口」(e-Gov)において、電子申請システムの運用が開始され、社会保険の手続きが電子申請できるようになりました。こちらの利用も年々増加の一途をたどっています。

また、総務省では不動産登記の申請などいくつかの手続きに電子申請を使っています。e-Taxなどと同様に、手続きに使うソフトにクラウドを使用しているものが出てきています。今後、総務側のシステムもクラウド化が予定されています。各省庁もさらにクラウドの活用が普及していくことでしょう。

クラウド化によるメリットとは?

各システムをクラウド化することで得られるメリットを整理しておきましょう。

効率性

クラウドサービスにより必要な機器の設置が不要になりシステムの導入時間が短縮できる

セキュリティ

クラウドサービス自体がもつセキュリティ機能が使え、必要に応じ高度なセキュリティが追加できる
手前主義で個々にセキュリティ対策を構築するよりも、競争環境下にあるクラウド環境全体に施すセキュリティ対策のほうが、より適切なレベルで付与できるため、投資が効率化できる

技術への対応力

新しいモバイルやツールを随時追加でき、法律・規格の改正が行われた際に、情報の更新や機能拡充が一括で実施できるため、最新の技術が試行できる

柔軟性

システム導入の負担が減るため短期間のサービス利用にも適している。また、業務見直しによるサービス変更も柔軟にできる

可用性

24時間365日稼働の場合でも過剰な投資が不要であり、大規模災害時にも継続運用が可能になる

経理業務をはじめ社会全体がクラウド化

インターネット上でデータを管理するクラウドは、今までの情報システム環境とは大きく特徴が異なります。資産を「持つ」時代から、サービスを「利用」する時代へ切り替わりつつあります。クラウドの基本を知り、今後の業務に役立てていきましょう。

※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

監修:岡 和恵 (税理士 / フィナンシャルプランナー AFP)

大学卒業後、2年間の教職を経て専業主婦に。その後、システム会社に転職。
システム開発部門と経理部門を経験する中で税理士資格とフィナンシャルプランナー資格(AFP)を取得。
2019年より税理士事務所を開業し、税務や相続に関するライティング業務も開始。

関連記事