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  3. 郵便切手代の勘定科目は?経費計上と仕訳・消費税を解説
  • 更新日 : 2026年7月23日

郵便切手代の勘定科目は?経費計上と仕訳・消費税を解説

監修:安木 識晃/監修:岩波 竜太郎
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Point郵便切手の勘定科目はどう使い分ければよい?

郵便切手は購入時と使用時で勘定科目が異なり、消費税の扱いも変わります。

  • 購入時は資産として貯蔵品で計上する
  • 使用時に通信費や荷造運賃へ振り替えて費用化する
  • 販売先によって課税・非課税の区分が分かれる
  • 自社使用分は、継続適用を条件に購入時の課税仕入れとすることもできる

例外的に購入時から経費にする方法もあり、期末の在庫確認が欠かせません。

郵便切手の経理処理は、購入した時点では未使用の資産として貯蔵品に計上し、郵送に使用した時点で通信費へ振り替えるのが基本的な処理です。担当者の負担を減らすには、原則と例外を整理し社内ルール化することが大切です。この記事では郵便切手の勘定科目と仕訳、消費税の扱いから収入印紙との違いまでを解説します。

目次

  • 郵便切手の勘定科目は購入時と使用時で異なる
    • 購入時に使う勘定科目「貯蔵品」
    • 使用時に使う勘定科目「通信費」
    • 荷物の発送に使う場合の勘定科目「荷造運賃」
  • 郵便切手代の仕訳例:購入時・使用時・期末で確認
    • 使用時に経費として処理する原則的な仕訳
    • 購入時に経費として処理する例外的な仕訳
    • 期末に未使用切手が残ったときの仕訳
  • 郵便切手の消費税の扱いと非課税になる理由
    • 購入時は非課税・使用時は課税になる理由
    • コンビニや金券ショップで購入した場合の扱い
    • インボイス制度における切手の扱い
  • 非課税取引・不課税取引・免税取引の違い
  • 簡易書留・速達など追加料金がある場合の仕訳
    • 書類を簡易書留で送る場合の仕訳
    • 商品を簡易書留で送る場合の仕訳
    • 速達・特定記録など他の追加料金の扱い
  • 切手と収入印紙の違いと勘定科目の使い分け
  • 勘定科目や消費税区分の判定は負担になりやすい
    • ルールの整理とシステムの活用で効率化を
  • 郵便切手の勘定科目は購入時と使用時で分けるのが基本

郵便切手の勘定科目は購入時と使用時で異なる

郵便切手は、購入時には資産の「貯蔵品」、使用時には費用の「通信費」で処理するのが基本です。継続的に少額の切手を購入する場合は、購入時から「通信費」で処理する方法も認められています。荷物の発送など用途によっては「荷造運賃」を使うケースもあります。

場面 処理方法 主な勘定科目
購入時 資産として計上 貯蔵品
使用時(書類の郵送) 費用として計上 通信費
使用時(商品の発送) 費用として計上 荷造運賃

購入時に使う勘定科目「貯蔵品」

貯蔵品は、未使用の郵便切手を資産として計上するときに使う勘定科目です。貸借対照表上は資産の部に分類され、企業の流動資産として扱われます。郵便切手は将来、郵便サービスの対価として使用できる資産価値があると考えられるため、購入した段階ではいったん資産として計上します。

使用時に使う勘定科目「通信費」

通信費は、郵便物の発送に切手を使ったときに費用として計上する勘定科目です。電話料金やインターネット利用料、郵便料金などの通信手段にかかる費用が含まれます。郵便物は情報を伝える手段にあたるため、書類の郵送に使った切手代も通信費で処理します。

荷物の発送に使う場合の勘定科目「荷造運賃」

荷造運賃は、商品や物品の発送にかかった費用を計上する勘定科目です。切手代は通常、通信費で処理しますが、書類ではなく商品を送るために切手を貼った場合は荷造運賃が使われます。通信費と荷造運賃の使い分けに税法上の明確なルールはないため、社内基準を決めて継続的に運用することが大切です。

参照:物品切手等の購入費用|国税庁

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郵便切手代の仕訳例:購入時・使用時・期末で確認

郵便切手の仕訳には、原則的な方法と例外的な方法の2通りがあります。原則は購入時に資産計上し、使用時に費用化する方法です。一方の例外は、購入時から費用として処理する簡便な方法で、期末に未使用分を資産へ振り替える運用とセットで使います。

使用時に経費として処理する原則的な仕訳

原則は、購入時に貯蔵品として資産計上し、実際に使用したときに通信費へ振り替える方法です。郵便切手の購入から使用までの一連の仕訳例を見ていきましょう。

(例1-1)110円切手を現金で10枚購入した。

借方 貸方
貯蔵品 1,100 現金 1,100

郵便切手の購入時は、貯蔵品の勘定科目を使って処理します。貯蔵品は、貸借対照表の資産の部に分類される科目です。郵便切手はお金と同等の価値があると考えられることから、購入時にはいったん資産として計上します。

(例1-2)購入した110円切手を1枚使用した。

借方 貸方
通信費 100 貯蔵品 110
仮払消費税 10

税込処理の場合は、仮払消費税の勘定科目を使用せず、すべて通信費として処理します。

原則的な会計処理では、すでに購入している郵便切手を使用したときに、初めて経費として処理し、必要な消費税の処理を行います。

購入時に経費として処理する例外的な仕訳

例外は、購入時から通信費として処理し、期末に未使用分のみ貯蔵品へ振り替える方法です。実務での処理回数を減らせるため、多くの企業で採用されています。

(例2-1)110円切手10枚を現金で購入した。

借方 貸方
通信費 1,000 現金 1,100
仮払消費税 100

例外的な会計処理では、以下に記載の通り継続して購入時の課税仕入れとして処理することを条件に、購入時に経費に計上するため、借方を通信費とします。例外的な処理を使う場合は原則、期末に未使用分を資産として計上しなければならないため、注意が必要です。期末時には、以下のように会計処理を行います。

(例2-2)期末時に未使用の切手が500円分あった。

借方 貸方
貯蔵品 500 通信費 500

期末時に未使用分を貯蔵品に振り替えることで、使用時に経費へ計上する原則的な方法を採用したのと同じ結果になります。

ただし、例外的な会計処理を行うためには、郵便切手を購入した事業者が自ら使用する目的で購入していること、継続的に購入時に経費とする処理を行っていることが条件です。条件を満たさない場合は、例外的な処理は認められません。

先に説明した原則的な郵便切手の会計処理は、使用する都度に会計処理が必要となり、切手の管理も同時に必要となるため手間がかかります。実務上は、期末に切手の在庫を確認すれば良い例外的な方法が用いられやすい傾向にあります。

期末に未使用切手が残ったときの仕訳

期末に未使用の切手が残っているときは、その分を費用から貯蔵品へ振り替えます。例外的に購入時から通信費で処理している場合は、決算時に在庫を確認することが大切です。

少額の切手は管理が後回しになりやすく、未使用分があってもそのまま通信費で処理し続けてしまうケースがあります。残高を確認せずに費用処理を続けると、計上時期がずれ、月次や年次の比較がしにくくなります。

特に年末年始や郵送が集中する時期の前後は、切手やはがきの残高が増えやすい時期です。決算前には、保有枚数を簡単にでも確認し、まとまった在庫があれば貯蔵品への振替を検討するとよいでしょう。

郵便切手の消費税の扱いと非課税になる理由

郵便切手は、郵便局など指定された販売所で購入する場合は非課税取引です。一方で、切手を使って郵便サービスを利用したときには、課税仕入れとして扱います。

購入時は非課税・使用時は課税になる理由

郵便切手の購入時を非課税としているのは、購入時にはまだ具体的な郵便サービスの提供を受けていないためです。郵便切手は、郵便切手類の販売所などで譲渡される場合は非課税取引と定められており、企業が郵便局から購入したときには消費税が課税されません。

一方で、郵便切手を使って郵便サービスを利用したとき、サービスを利用する事業者の課税仕入として扱うと定められています。

仕訳の流れでみると、購入時は現金と同等物である郵便切手に引き換え、使用時にサービスを消費するので経費に計上するというイメージです。そのため、経費計上にともなう消費税の処理は、原則として使用時に行います。

コンビニや金券ショップで購入した場合の扱い

非課税で購入できるのは、郵便局と「郵便切手類販売所」の承認を受けた店舗だけです。コンビニの多くは郵便切手類販売所として承認されており、非課税で切手を購入できます。

一方で、承認を受けていない金券ショップやチケット販売所などで切手を購入する場合は、販売時点で消費税が課税されることがあります。同じ切手でも、購入先によって課税区分が変わるため、領収書を受け取った時点で販売者の属性を確認することが大切です。

販売者 消費税区分
郵便局・郵便切手類販売所(コンビニ) 非課税
金券ショップなどの課税事業者 原則として課税仕入れ

インボイス制度における切手の扱い

郵便ポストへの投函による郵便サービスは、帳簿の保存だけで仕入税額控除を受けられる特例の対象です。2023年10月に開始したインボイス制度では、仕入税額控除を受けるために原則として適格請求書の保存が必要となりました。

ただし、郵便切手類のみを対価とする郵便ポスト等への投函による郵便サービスについては、一定の事項を記載した帳簿を保存することで、仕入税額控除の適用を受けられる特例があります。郵便局で切手を購入した時点では、まだ郵便役務の提供を受けていないため、非課税取引でありインボイスの保存義務はありません。

一方で、金券ショップなど課税事業者から切手を購入した場合は、課税仕入れに該当する可能性があるため、インボイスの保存対象となることがあります。販売者が郵便切手類販売所の指定を受けているかどうかが、実務上の判定ポイントです。

参照:第4節 郵便切手類等及び物品切手等の譲渡関係|国税庁

非課税取引・不課税取引・免税取引の違い

消費税が課税されない取引には、非課税取引のほかに不課税取引と免税取引があります。郵便切手の譲渡は社会政策上の配慮による非課税取引で、それぞれの違いを整理しておくと、課税区分の判定で迷いにくくなります。

非課税取引は、消費税が課されない取引のことです。公平に負担を求める消費税の性格上、課税対象とするのに違和感のあるものや、社会政策上で課税するのが適切でない取引等が、非課税取引にあたります。郵便切手類の販売所などでの譲渡も、非課税取引の一種です。

不課税取引

資産の譲渡など事業者が対価を得る国内取引、あるいは輸入取引などにあたらない取引を不課税取引といいます。配当金の受領や寄附金などが、不課税取引の代表的な例です。

消費税の課税対象に含まれるものの、政策上の理由などで消費税が課税されない非課税取引とは違い、課税取引の条件に当てはまらない取引が不課税取引になります。

免税取引

消費税は、国内での消費について負担を求める性質をもっています。外国で消費したものについては、消費税の負担を求められません。免税取引は、消費税の課税対象となる取引のうち、輸出取引など一定の要件を満たすため税率が0%となる取引です。そもそも課税対象に含まれない不課税取引とは異なります。
免税売上に対応する課税仕入れについては、原則として仕入税額控除の対象となる点も、非課税取引との重要な違いです。

参照:No.6201 非課税となる取引|国税庁

簡易書留・速達など追加料金がある場合の仕訳

簡易書留や速達などの追加料金は、書類の郵送なら通信費、商品の発送なら荷造運賃で処理します。簡易書留の場合、料金は基本料金に350円が加算されます。普通郵便(50g以内)に簡易書留を付けた場合は、110円+350円で460円です。

書類を簡易書留で送る場合の仕訳

書類の郵送に簡易書留を使った場合は、通信費として処理します。金額は、切手の料金と簡易書留の料金を合計した額です。仕訳は、貯蔵品として購入した郵便切手を使った場合と、郵便局の窓口で現金払いした場合とで異なります。

例:貯蔵品として購入した郵便切手を使用して、取引先への書類を簡易書留で送った(税込み経理を前提)。

借方 貸方
通信費 460円 貯蔵品 460円

例:窓口で現金払いをして、取引先への書類を簡易書留で送った。

借方 貸方
通信費 460円 現金 460円

商品を簡易書留で送る場合の仕訳

商品の発送に簡易書留を使った場合は、荷造運賃として処理します。金額に関しては、書類を送る場合と同じく、切手の料金と簡易書留の料金を合計した額です。

例:貯蔵品として購入した郵便切手を使用して、商品を簡易書留で送った。

借方 貸方
荷造運賃 460円 貯蔵品 460円

例:窓口で現金払いをして、商品を簡易書留で送った。

借方 貸方
荷造運賃 460円 現金 460円

速達・特定記録など他の追加料金の扱い

速達や特定記録の追加料金も、簡易書留と同じ考え方で通信費または荷造運賃に計上します。郵便サービスの利用にともなう追加費用は、切手本体と分けて厳密に別科目へ振り分けるよりも、発送にかかった郵便コストとして一体で捉えたほうが管理しやすくなります。

実務では、基本料金と追加料金を別々に考えすぎないことがポイントです。郵便物の発送という一つの行為にかかった費用としてまとめて整理すれば、帳簿管理もシンプルになります。

参照:書留(オプションサービス)|日本郵便

切手と収入印紙の違いと勘定科目の使い分け

切手と収入印紙は、見た目が似ているため混同されがちですが、用途が大きく異なります。切手は郵便サービスの対価であり、収入印紙は印紙税の納付手段です。会計上の勘定科目もそれぞれ異なります。

収入印紙は、契約書や登記書類、領収書などに貼付し、印紙税の納付を行うためのものです。印紙税は国に納める税金のため、購入時の勘定科目は「租税公課」を使うのが原則です。期末に未使用分が残る場合は、切手と同じく「貯蔵品」へ振り替えます。

一方の切手代は、通信手段にかかる費用として通信費で仕訳されることが多く、租税公課が使われるケースはほぼありません。両者を整理すると以下のとおりです。

項目 用途 主な勘定科目 消費税
郵便切手 郵便サービスの対価 通信費(または荷造運賃) 購入時は非課税(指定販売所)
収入印紙 印紙税の納付 租税公課 原則非課税

なお、金券ショップなどで購入した収入印紙は、課税仕入れにあたるため、課税扱いとなることがある点も切手と共通です。同じ「金券のような形状の証票」でも、税法上の位置づけが異なるため、勘定科目を取り違えないように注意が必要です。

参照:No.7100 課税文書に該当するかどうかの判断|国税庁

勘定科目や消費税区分の判定は負担になりやすい

株式会社マネーフォワードは、仕訳作業やその確認・承認を行っている方を対象に、勘定科目に関する調査を実施しました。

同調査で、仕訳作業の工程において最も工数がかかっている作業について尋ねたところ、最も多かったのは適切な勘定科目や消費税区分(課税・非課税等)の判定で、36.8%でした。

ルールの整理とシステムの活用で効率化を

郵便切手代や簡易書留の経費計上は、本記事で解説したように購入時と使用時で勘定科目や消費税の取り扱いが異なります。そのため、経理担当者が実務において判定に迷いやすく、工数がかかりやすい項目の一つであることが読み取れます。

日々の経理業務をスムーズに進めるためには、郵便切手代をはじめとする複雑な仕訳や消費税区分のルールをあらかじめ整理しておくことが重要です。また、手作業による判定の負担やミスを軽減するために、会計ソフトの機能を活用して業務の効率化を図ることも有効な手段といえます。

出典:マネーフォワード クラウド、仕訳作業の工程において最も工数がかかっている作業【勘定科目に関する調査データ】(回答者:アンケート回答者881名のうち、仕訳作業やその確認・承認を行っている方、集計期間:2026年3月実施)

郵便切手の勘定科目は購入時と使用時で分けるのが基本

郵便切手の勘定科目は、購入時には資産の「貯蔵品」、使用時には費用の「通信費」で処理するのが原則です。商品の発送に使う場合は「荷造運賃」を選ぶこともあります。消費税についても、購入時は非課税、使用時は課税仕入れと扱いが分かれるため、二重課税を防ぐ仕組みを理解しておくと判定がしやすくなります。

郵便切手代の会計処理には、原則的な方法と例外的な方法があり、いずれの場合も期末時の未使用分は経費にできません。例外的な処理方法を採用するときは、期末時の在庫確認と貯蔵品への振替を忘れないようにすることが大切です。郵便切手や簡易書留にかかる勘定科目を整理しておけば、月次・年次の処理がより安定します。

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よくある質問

郵便切手代の仕訳方法は?

郵便切手を使用時に経費として処理する場合と、購入時に経費として処理する場合で異なります。詳しくはこちらをご覧ください。

郵便切手を経理処理する場合の消費税の取り扱いは?

使用時は課税対象となりますが、購入時は非課税となります。詳しくはこちらをご覧ください。

非課税取引とは?

消費税が課されない取引のことで、不課税取引のほか、免税取引があります。詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
  • 監修:安木 識晃(公認会計士準会員)

    公認会計士準会員。監査法人にて4年弱、外資系保険会社などの財務諸表監査・内部統制監査に従事。その後、FAS(財務アドバイザリー)領域にてIPO支援(事業計画・資本政策・内部統制構築)、M\&AにおけるPPA・無形資産評価などを担当。スタートアップ企業のCFOとして、経理財務体制の構築、資金調達、海外展開支援にも従事。現在は都内のFASコンサルティングにて、IPO準備企業や成長企業の財務支援を行う傍ら、ライティング・記事監修業務も精力的に実施。専門分野に根差した実務的かつ分かりやすい情報発信を得意とする。

  • 監修:岩波 竜太郎 (公認会計士 / 税理士 / 経営学修士)

    公認会計士・税理士・経営学修士。大手監査法人、ベンチャー企業を経て、2015年に独立開業。大手監査法人での海外経験や管理本部長としての幅広い経験を武器に会計アドバイザリー業務を主たる業務として行うとともに、東証1部上場企業である株式会社OrchestraHoldingsの社外役員をはじめ、経営アドバイザーとして複数の企業に関与。Webメディア等の記事執筆・監修業務も積極的に行っている。

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