- 更新日 : 2025年2月20日
セグメント情報とは?分かりやすく解説!
セグメント情報とは会社の売上、利益/損失、資産その他の財務情報を事業単位などの単位(セグメント)に分解した財務情報のことである。上場会社の有価証券報告書などでこれを開示する。
セグメント情報とは
ひとつの会社が複数の事業を行ったり、製造会社と販売会社を分ける事業構造を採用したりしている場合、財務諸表から事業ごとの収益性を判断することが困難である。このため、セグメント情報を作成することにより事業単位の収益性をわかりやすく開示する必要がある。
なお平成22年以降に適用された改正会計基準では、セグメント情報の開示に際して従来採用されていたインダストリー・アプローチからマネジメント・アプローチへの切り替えが行われた。
セグメント情報の考え方
セグメントを事業単位で捉える場合、同一の事業に携わっている親会社内事業部と子会社内事業部は、企業の垣根を越えて「同一セグメント」とみなすべきである。
たとえばA事業において親会社でA製品を製造し、子会社がA製品を販売していたとすると、親会社のA製造部と子会社は同一セグメントに属すると考えられる。また、親会社内のB事業部とA製造部間で行われた取引は親会社の単独決算書においては社内取引として相殺されるが、セグメント情報においてはセグメント間取引として集計される。
同様に親会社B事業部と子会社間の取引は連結決算において相殺されるが、セグメント情報においてはセグメント間取引として集計される。
インダストリー・アプローチとマネジメント・アプローチ
従来の会計基準で採用されていたインダストリー・アプローチとは、財務諸表を産業別・事業別にセグメントして開示する方法である。これに対しマネジメント・アプローチとは、経営者が意思決定や業績評価のために使用する経営情報として、会社を事業の構成単位に分別した方法を基礎としたセグメント情報の開示方法である。
マネジメント・アプローチにおいては、セグメントの区分は経営者の必要とする情報や経営管理に合わせた形で行われているため、経営者が自社の財務情報をみるための視点と整合していなくてはならない。また、マネジメント・アプローチを採用することにより財務諸表利用者が企業の業績を理解し、将来のキャッシュフローの予測を適切に評価することが可能となる。
<関連記事>
財務諸表に関する法的根拠まとめ
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
会計の知識をさらに深めるなら
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
関連記事
中小企業の人数とは?法律上の定義と助成金の利用要件
「中小企業」という言葉は普段何気なく使っていますが、法律的な定義があるため勝手に判断することはできません。 また、中小企業が対象の各種助成金にも人数要件が定められていることが多いため注意が必要です。ここでは、中小企業の法律上の定義や助成金の…
詳しくみる外貨建取引と外貨建取引等会計処理基準について解説
一般的な商取引では、取引金額は「円建て」で行うのが通常です。しかし、海外の企業との取引では「ドル建て」「ユーロ建て」といったような外国通貨で行うこともあります。今回は外貨建て取引と、国内において外貨建取引を会計処理する際のガイドラインである…
詳しくみる超過累進税率を踏まえた所得税・相続税・贈与税の計算方法
所得税や相続税、贈与税の計算では、一律の税率は用いません。「超過累進税率」を使って計算を行います。所得税など一部の税金の計算に使われる超過累進税率とはどのようなものなのでしょうか。本記事では、超過累進税率の解説と、超過累進税率を用いる所得税…
詳しくみるIFRSにおける減損とは?日本基準との違いや減損テストの方法などを解説
IFRSにおける減損は、資産の回収可能価額が帳簿価額を下回ると判断された場合に、その差額を損失として認識することを指します。この記事では、IFRSにおける減損の概要や対象資産、減損テストの具体的な流れについてご紹介し、日本基準との違いや実務…
詳しくみる与信審査とは?評価基準と与信限度額の決め方、通らない原因と対策を解説
取引先から請求書払いを求められた場合、未回収案件にならないかと不安を覚えるのではないでしょうか。本当に信用できる取引先なのかを確認するのに必要なのが「与信審査」です。 今回は与信審査について詳しくご紹介します。取引先のどのような部分をチェッ…
詳しくみるグループ法人税制の注意点
2010年度に行われた税制改正の目玉として、新たに誕生した「グループ法人税制」があります。これは、会社の規模や資本金の大小を問わず、100%支配グループ内の場合強制的にすべての法人に対して適用される税制です。 そのためグループ法人税制の影響…
詳しくみる