• 更新日 : 2023年5月19日

法人住民税とは?計算方法や納付時期を解説

法人住民税とは?計算方法や納付時期を解説

法人住民税とは、事業所のある自治体に納める地方税です。個人の住民税と同じく、都道府県民税と市町村民税に分かれています。計算方法やほかの税金との違い、納付時期についてまとめました。また、実際にどの程度の税額になるのか、具体的なケースで説明します。

法人住民税とは

法人住民税とは、法人が事業所のある自治体に納める地方税です。都道府県民税と市町村民税があり、それぞれ法人が計算して納める必要があります。

法人・個人は、居住している自治体の公的サービスを利用します。住民税は、自治体のサービスを利用することに対して納付する税金です。つまり、正しく税額を計算して法人住民税を納付することで、自治体サービスに対して正当な対価を支払っていることになるのです。

参考:総務省 法人住民税

法人住民税の計算

法人住民税の計算方法を、東京23区に事務所(1つのみ)がある場合の例をとおして紹介します。自治体によっては基本の税率と異なることがあるため、事業所のある自治体に確認してから計算しましょう。

また、複数の地域に事業所がある場合は、複数の自治体に納税することになります。本社か支社・営業所によっても税率や税額が異なることもあるため、注意が必要です。

法人税割

法人住民税は、法人税割と均等割の2つから成り立ちます。両方の税を別々に計算し、合算した額が法人住民税額です。

法人税割は、都道府県の税額と市町村の税額が異なります。以下の税率で計算しましょう。

 

  • 都道府県の法人税割:法人税額×1.0%、市町村の法人税割:法人税額×6.0%
  • 東京23区の法人税割:法人税額×7.0%

 

法人税額が500万円であれば、法人住民税の法人税割(東京23区の場合)は35万円と計算できます。また東京都武蔵野市など、23区以外に納める場合は、東京都に対して5万円、武蔵野市に対して30万円の法人税割を納めることになります。

均等割

法人税割は法人税額によって税額が決まりますが、均等割は資本金等の額と従業員数で税額が一律に決まります。

23区内のみに事業所があり、なおかつ事業所が1つ、資本金額が1億円、従業員数が30人であれば均等割は18万円です。

法人区分主たる事業所従たる事業所
公益法人、公共法人など70,000円50,000円
上記以外の
法人
資本金等1,000万円以下70,000円

140,000円

50,000円

120,000円

1,000万円超1億円以下180,000円
200,000円
130,000円
150,000円
1億円超10億円以下290,000円
530,000円
160,000円
400,000円
10億円超50億円以下950,000円
2,290,000円
410,000円
1,750,000円
50億円超1,210,000円
3,800,000円
410,000円
3,000,000円

※上段:従業員数が50人以下、下段:従業員数が50人超

23区と都内市町村のそれぞれに事業所がある場合、あるいは都内市町村のみに事業所がある場合は、別の基準があるため、お住まいの自治体で確認してください。また、都内に事業所があり、別の都道府県にも事業所がある場合も、基準が異なります。

参考:東京都主税局「均等割額の計算に関する明細書(第6号様式別表4の3)記載の手引」

法人住民税と法人税・法人事業税の違い

法人が納める税金には、いくつか種類があります。

法人住民税は、法人が地域の一構成員であることに対して支払う地方税です。東京23区を除き、都道府県と市町村に対して納付します。一方、法人事業税は事業に対して納める都道府県税です。

また、法人税は国税です。個人の所得税に相当し、事業による所得に対して納めます。

法人住民税の納付時期

法人住民税は、事業年度終了の日から2ヶ月以内に納付します。法人自身が計算して自治体に申告・納付する必要があるため、早めに準備しておきましょう。

都道府県民税は道府県税事務所、市町村民税は市町村役場で納付します。東京23区内に事業所がある場合は、都道府県民税と市町村民税に分けず、まとめて都税事務所に提出します。

滞納すると自治体から督促状が届く点に注意しましょう。督促状を受け取っても納税しない場合は、追徴課税が発生するだけでなく、事業所の財産等が差し押さえられることもあります。

事業にかかる税金を正しく納付しよう

法人住民税や法人事業税などの税金を正しく納付することで、追徴課税などのペナルティを回避できます。正しく計算して正しい期間内に納付するようにしましょう。

また、万が一滞納したときは、迅速に対応することが大切です。督促状を受け取ったときはすぐに納付するか、税事務所などで相談しましょう。

よくある質問

法人住民税とは?

法人が事業所のある自治体に納める地方税のこと。都道府県民税と市町村民税に分かれていますが、東京23区の場合はまとめて納付します。詳しくはこちらをご覧ください。

法人住民税の計算方法は?

法人税割と均等割額に分かれているため、それぞれ計算して納付します。法人税割は法人税額に7.0%(都道府県民税1.0%、市町村民税6.0%)を乗じたもの、均等割額は資本金等の額と従業員数による一律金額です。詳しくはこちらをご覧ください。


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