<中小企業向け>新型コロナ給付金・助成金・補助金・資金繰りタイプ別の支援策まとめ 

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新型コロナウイルス感染症の急速な広がりを受けて、国は相次いで支援策を打ち出しています。ウイルスの拡大も急速であれば、支援策も急拡大しています。このため、中小企業にとっては、自社にとってどの支援策が有効で、どの支援策を受けることができるのか、混乱している場合も多いのではないでしょうか。本記事では、新型コロナウイルスに対する支援策の全体像を確認するとともに、中小企業が抱える課題から検討すべき、支援策について解説します。

相次いで発表される支援策の全体像

まずは、新型コロナウイルス(COVID-19)による影響を緩和し、事業を継続させるための支援策につて、その全体像を確認しておきましょう。経済産業省のサイトには、多くの支援策が公開されています。中小企業が置かれている現状を考慮に入れると、下記の項目に区分できるでしょう。

  • 給付金(短期的な資金を得る)
  • 補助金(成長するための支援を受ける)
  • 助成金(雇用を維持する)
  • 資金繰り(事業を継続する)

また、現在は各自治体でも個別の支援策を打ち出しており、どれをつかうべきか判断が難しいところです。まずは、予算額が大きい国の支援策を踏まえたうえで、県や市など自治体の支援策を確認すると、自社に適したものが見つかるのではないでしょうか。

【参考】
経済産業省 新型コロナウイルス感染症関連
J-Net21 新型コロナウイルス関連(都道府県別)

支援策とひとくちにいっても、それぞれの企業の経営環境や業種、直面している課題によって必要とするものは異なります。資金が十分にない場合は、資金繰りにめどがつかないと、事業の継続がままならないかもしれませんが、新型コロナウイルス感染症の収束後を見据えた出口戦略や、変化する需要をとらえて設備投資が必要なケースもあるでしょう。従業員の雇用の維持に頭を悩ませる事業者もいるかもしれません。自社の現状を正しく認識し、必要な資金を得ることが重要です。

短期的な資金を得るなら給付金

条件さえ合致すれば必ず給付を受けることができる給付金制度は、その額こそ少ないものの、短期的な資金繰りには効果があります。

持続化給付金

前年同月比で50%以上、売上が減少している事業者が対象で、資本金10億円以上の大企業を除く、法人や個人事業主が対象となります。医療法人やNPO法人など、株式会社以外の法人も対象となります。

以下により算出される売上減少額を上限に、法人であれば200万円、個人であれば100万円が支給されます。

前年の総売上 – 前年同月比で50%減となった月の売上 × 12カ月

売上が急激に減少している事業者は、必ず申請するようにしてください。給付額は決して多くはないものの、当面の資金繰りには有効でしょう。

10万円の現金給付

国籍を問わず、2020年(令和2年)4月27日時点で住民基本台帳に記載されているすべての人を対象に、10万円が支給されます。市町村から送られる申請書に、必要事項を記入して返信すれば、家族分の給付金が一括して振り込まれる仕組みです。

なお、受付の開始時期は各市町村に委ねられており、早ければ2020年(令和2年)5月中に受付が開始される見込みです。(本稿執筆時点)

【参考】
総務省 特別定額給付金(新型コロナウイルス感染症緊急経済対策関連)

休業協力金

新型コロナウイルス感染症の緊急事態宣言が、4月16日に全国に拡大されました。これにより、各自治体からは、外出自粛や営業時間短縮、休業などの要請が相次いで発表されています。自治体によっては、休業要請などに応じた場合、協力金が支給されます。

その一例として、東京都では、休業などに全面的に協力する中小企業および個人事業主に対し、「東京都感染拡大防止協力金」として50万円(複数の事業所で休業などに取り組む場合は100万円)が支給されます。

自社が事業を展開する自治体における、休業協力金の制度について、確認しておくようにしてください。

【参考】
東京都産業労働局 「東京都感染拡大防止協力金」について

成長するための支援を受けるなら補助金

苦しい中でも、新型コロナウイルス終息後を見据えた成長を実現するために、投資を検討する事業者も少なくないはずです。在宅勤務を実現するために、IT投資に踏み切る事業者もいるでしょう。ここでは、投資に対して支援が受けられる、効果的な補助金について紹介します。

ものづくり補助金(ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金)

生産性を向上させる設備投資を支援する補助金で、中小企業を対象に最大1,000万円が補助されます。新型コロナウイルスの影響を受けている場合に加点措置があり、採択率が上がる可能性があります。

製造業を営む事業者の設備投資が中心ですが、小売店やサービス業でも、生産性向上を実現するための設備投資であれば対象となります。本年度からいつでも申請することができるようになり、例年より使いやすくなっています。

【参考】
ものづくり補助金総合サイト

IT導入補助金

生産性を向上させるためのITツールを導入する中小企業を支援するための補助金です。通常、補助率は1/2ですが、新型コロナウイルス感染症への対策を支援するために、特別枠が設けられました。対面型のビジネスへの転換やテレワークを支援するもので、補助率が2/3に拡大されます。

実際に帰省するのではなくビデオ通話で済ませる「オンライン帰省」という用語が生み出されるまでに、現在はデジタル化が進んでいます。新型コロナウイルス感染症の拡大をきっかけとして、事業モデルを転換したり、テレワークを導入したりしようと考えている事業者は、ぜひとも検討したい補助金です。

【参考】
IT導入補助金2020 1次公募(臨時対応)
テレワーク・在宅勤務の導入費用が最大450万円戻ってくる「IT導入補助金」のお申込み

小規模事業者持続化補助金

販路の開拓や新規顧客の開拓を行う小規模事業者に対して、販促費や生産性向上のための投資を支援する補助金です。従業員5名以下(製造業などは20名以下)の小規模事業者が対象です。

例えば、飲食店が客数の減少を補うために弁当販売を始めるなど、事業の変更によって、チラシや看板などの販促費がかさむケースもあるでしょう。小規模事業者持続化補助金のような補助金を有効活用し、需要の変化に対応することが求められています。

【参考】
小規模事業者持続化補助金

雇用を維持するための助成金

過去に類を見ない急激な景気の悪化にともない、雇用の維持が困難な事業者も出てきました。こうした事業者を支援するのが、雇用調整助成金です。今後の成長戦略を確実に実現するためにも、助成金を活用した雇用の維持が重要になります。

雇用調整助成金

事業活動の縮小などを余儀なくされた事業者に対し、一時的な休業や教育訓練、出向などで労働者の雇用の維持をおこなった場合、休業手当や賃金の一部を支援する助成金です。新型コロナウイルス感染症の影響を受けた事業者に対する特例が出されており、手続きの簡素化や助成率の上乗せなどを受けることができます。

【参考】
厚生労働省 雇用調整助成金

働き方改革推進支援助成金(テレワークコース)

時間外労働の制限その他の労働時間等の設定の改善及び仕事と生活の調和の推進のため、在宅又はサテライトオフィスにおいて就業するテレワークに取り組む中小企業事業主に対して、その実施に要した費用の一部を助成するものです。テレワークに必要なツールの導入費用が最大150万円補助され、ソフトだけでなくパソコンやモニター等のハードも補助対象となります。

【参考】
厚生労働省 働き方改革推進支援助成金(テレワークコース)
テレワーク・在宅勤務の導入費用が最大150万円戻ってくる「働き方改革推進支援助成金」のお申込み

事業を継続するための資金繰り

手元資金が十分にない事業者は、まずは当面の資金繰りにめどをつけなければ、事業の継続ができません。国が打ち出している、資金繰りのための支援策を有効的に活用し、事業の継続を実現するようにしてください。

新型コロナウイルス感染症特別貸付

政府系金融機関である日本政策金融公庫がおこなう実質無利子かつ最大5年間の元本返済が不要となる制度です。当面は、利息の負担も返済も必要がないため、中小企業にとっては極めて効果の高い融資制度であるといえますが、全ての事業者が融資を受けられるわけではない点に注意が必要です。

融資である以上、返済が求められるので、返済が見込まれる事業者ではないと融資を受けられない可能性があります。現状、日本政策金融公庫の窓口には問い合わせが殺到しているので、まずは地元の金融機関やメインバンクに相談するとよいでしょう。

>>「新型コロナウイルス感染症特別貸付」を使った資金繰り対策を検討しよう

【参考】
日本政策金融公庫 新型コロナウイルス感染症特別貸付 

セーフティネット保証

事業者の返済が困難になった場合、事業者に代わって、公的な機関である全国信用保証協会が返済(代位弁済)してくれる保証制度があります。新型コロナウイルス感染症の拡大を受けて、通常の保証とは別枠で、保証が受けられるセーフティネット保証が創設されました。

地域の金融機関が窓口になってくれるという使いやすさがあり、利息の軽減や保証人が必要ではなくなるといった多くのメリットもあります。新型コロナウイルス感染症特別貸付とあわせて活用を検討してください。

まとめ

新型コロナウイルス感染症は、治まる気配を見せずに猛威を振るっています。影響を受けやすい中小企業は、国の支援策を効果的に活用しながら、事業の継続と今後の成長を実現させなければなりません。支援策の活用度合いが、今後の競争戦略を左右する事態となっているのです。知らない、よく分からない、では済まされません。積極的に支援策を受けるという、攻めの姿勢が求められているといえるでしょう。

※掲載している情報は記事更新時点のものです。

監修:香川大輔(中小企業診断士)

2015年4月中小企業診断士登録。製薬会社の医薬品分析やベンチャー企業での勤務を経て、ITベンダーで提案型のシステム営業として勤務、数多くのシステム提案実績を持つ。現在は独立し、地域密着型の中小企業診断士として、経営者に寄り添った計画づくりや補助金申請を行う。https://kagawa-c.biz/



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