• 更新日 : 2026年9月16日

約束手形の支払期日とは?不渡りを出した場合のリスクや対応も解説

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Point約束手形の支払期日は何日?

202411月の行政指導基準の改正により、約束手形の手形サイト(支払期日)は原則60日以内に短縮されました。(取適法対象取引は手形払い自体禁止)

Q.受け取った手形が不渡りになった場合は?

A.振出人への直接請求や法的措置が必要になります。

約束手形は日本の企業間取引で広く使われていますが、その取り扱いを誤ると資金繰りや信用に大きな問題が生じます。この記事では、約束手形の支払期日の基本ルールや、万が一不渡りが発生してしまった場合の対応やリスクについて解説します。初めて手形を扱う方でも理解しやすいようにまとめましたので、ぜひ最後までご覧ください。

約束手形の支払期日とは?

約束手形の支払期日とは、手形の振出人(支払人)が、手形に記載された金額を手形の所持人(受取人)に支払うことを約束した日付のことです。約束手形は、企業間の信用取引でよく使われる決済手段のひとつで、手形を受け取った側は、この支払期日前に銀行に手形を持ち込むことによって、現金化することが可能になります。

支払期日になるまでは、手形は現金としては使えません。つまり、支払期日とは約束手形が「お金に換えられる日」となります。

約束手形の支払期日は、振出人が支払いを確実に行う義務を負う日でもあり、この日までに支払いの準備を整えておかなければなりません。一方で、手形を受け取った側も、この日付を厳密に管理し、事前に銀行へ持ち込むことで、支払いを受けることが可能になります。

約束手形の支払期日と手形サイト

約束手形の支払期日は、「手形サイト」と呼ばれる期間を基準に設定されます。例えば、「手形サイト60日」という表現がある場合、手形を振り出した日(振出日)の翌日を起算日として数え始め、60日目が支払期日となります。

つまり、手形サイトとは、「支払期日まで何日間あるか」を示す重要な期間のことであり、この期間の設定によって、取引先との資金のやり取りのタイミングが決まるため、資金繰りにも大きく影響します。

約束手形の支払期日は60日以内へ短縮(取適法対象取引は手形払い自体禁止)

これまで日本の企業間取引では、約束手形の支払期日は通常30日から120日程度で自由に設定されていました。特に大企業と中小企業間の取引では、支払期日が90日や120日など長期に設定されるケースも少なくありませんでした。

しかし、202411月の行政指導基準の改正により、約束手形の手形サイト(支払期日)は原則60日以内に短縮されています。

取適法の対象取引では手形払い自体が禁止

さらに、発注者・受注者の対等な関係に基づき、事業者間における価格転嫁及び取引の適正化を図ることを目的として、従来の「下請代金支払遅延等防止法」は、令和9年1月1日に「製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律」(略称:中小受託取引適正化法、通称:取適法)へ改正となりました。

新しい法律では、製造委託、修理委託、情報成果物作成委託、役務提供委託など、取適法の要件を満たす取引において、手形払い自体が禁止されています。

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不渡りが発生した場合のリスクは?

約束手形の不渡りとは、支払期日に手形が決済できず、受取人が額面金額を受け取れない状態のことです。不渡りが発生した場合、企業の資金繰りを中心に、様々なリスクが発生することになります。したがって、不渡りは単なる決済遅延ではなく、企業経営に重大なダメージを与え得る債務不履行であると言えます。ここでは、不渡りが発生した際に企業が直面する具体的なリスクについて詳しく解説します。

資金繰りへの悪影響

約束手形は本来、支払期日に銀行で現金化できることを前提として企業の資金計画に組み込まれています。そのため、不渡りにより本来入金されるべき資金が企業に入ってこない状態になることで、企業は手形の現金化を前提として準備していた他の支払いや仕入れ、給与の支払いなどが滞る可能性が出てきます。さらに、取引先への支払いができないことで、結果的に支払先企業の資金繰りが連鎖的に悪化することもあります。また、こうした状況が続けば企業の経営に深刻な影響を及ぼし、最悪の場合、倒産リスクにも発展しかねません。

振出人からの債権回収リスク

不渡りの背景には、振出人(手形を発行した企業)の経営状態が悪化している可能性も考えられます。振出人がすでに資金繰り難や倒産危機に陥っている場合、債権回収の対応は緊急を要することになります。

法的措置に伴うコストと手間の増加

不渡りが発生した場合、振出人との交渉がうまくいかないと、最終的には法的措置を検討せざるを得ないことがあります。この場合には、裁判や支払督促などの法的手続きを行うための費用や、弁護士費用が新たに発生します。

また、こうした法的手続きには非常に時間がかかるため、本業以外の部分で労力を割かれることになり、生産性にも悪影響を及ぼします。

不渡りが発生した場合の対応は?

約束手形が不渡りとなった場合、銀行での通常の取り立て手続きが行えなくなるため、次のような対応策を検討し実施する必要があります。

手形の振出人への状況確認・直接請求

手形の不渡りが発生した場合、まずは、振出人と連絡を取り、不渡りの理由を確認した上で支払いを求めます。

一般的に振出人との交渉では、新たに手形を再発行してもらうよう依頼する、あるいは銀行振込など別の決済方法で速やかに支払ってもらうなどの方法により交渉を進めます。

なお、振出人が資金難に陥っている場合、交渉が難航する可能性もあるため、早期に状況を把握することが重要です。

訴訟などの法的措置を検討する

振出人との直接交渉がまとまらず、支払いがされない場合、法的措置を検討します。具体的には裁判所に訴訟を起こして支払いを強制する方法や、支払督促という制度を利用して支払いを求める方法などがあります。

しかし、訴訟などの法的措置には時間的・金銭的負担が伴うため、これらの方法を選択する際には、費用対効果や回収可能性をよく考慮する必要があります。

不渡りによるリスクを避けるためにできることは?

不渡りは、振出人が原因となって発生するものですが、受取人側でもリスクを減らすことは可能です。

事前に手形の内容をしっかり確認する

手形が発行された時点で、振出日や支払期日、銀行の支払場所を十分に確認することが重要です。記載内容に誤りや漏れがないかを確認することで、トラブルを防ぐことができます。

取引先企業の信用情報を定期的に確認する

定期的に取引先企業の信用情報を確認し、経営状況に変化がないかチェックすることで、不渡りリスクを早期に察知し、迅速な対策を取ることが可能になります。

電子交換所における手形の交換廃止が及ぼす影響は?

約束手形は、2027年3月末に電子交換所での交換が廃止される方向で準備が進んでいます。しかし、決済手段が変わったとしても、債権回収の重要性は変わりません。

支払手段が電子化されても、受取側の資金繰り負担は残る

電子交換所における手形の交換が廃止されると、企業間決済は銀行振込、電子記録債権、一括決済方式などへ移行していくと考えられます。。

ただし、支払手段が電子化されても、決済までの期間が長ければ受取側の資金繰り負担は残ります。例えば、手形が電子記録債権に置き換わっても、支払期日が60日に設定されれば、受取側はその期間、売掛金が現金化されない状態が続きます。これは、仕入や給与支払いなどの資金需要に対して先行して資金を準備しなければならない構造が続くことを意味します。

参考:電子交換所の交換廃止時期の決定および手形・小切手交換廃止時期の明確化について|一般社団法人全国銀行協会

約束手形の管理はしっかりと行いましょう

不渡りが発生すると、資金繰りの悪化など深刻な影響が出ます。これらを避けるためには、事前に手形の内容をしっかり確認し、取引先の信用情報にも注意を払うことが必要です。2027年3月には電子交換所における手形・小切手の交換が廃止となり、電子記録債権(でんさい)などへの移行が進むため、今後の取引に向けても制度の変化にしっかり備えておきましょう。

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