- 更新日 : 2025年4月23日
会計ソフトのセキュリティが心配…クラウド型とインストール型の安全性を徹底解説!
ほとんどの企業では、利便性の高さなどから会計ソフトを導入していることと思います。これまでは、パソコンにインストールして使用するインストール型、あるいは表計算ソフト(Excel)を使った会計管理が主流でした。しかし、クラウド型に移行する企業も増えています。インストール型とクラウド型では何が異なるのでしょうか、セキュリティ面に不安はないのでしょうか。この記事では、クラウド型の会計ソフトのセキュリティについて、インストール型と比較して説明します。
目次
クラウド型の会計ソフトのしくみとは?
クラウドサービスはネットワークを活用したもの
会計ソフトのほかにも、近年、ネットワークを利用したクラウドサービスがさまざまな形でみられるようになりました。クラウドサービスとは、データセンターなどに設置されたコンピューターにインターネットでアクセスして使える、アプリケーションやwebサービスの総称です。クラウドサービスにより、これまでインストールをしないと使えなかったようなサービスが、ネットワークを通して使えるようになりました。
クラウド型の会計ソフトの特徴
クラウド型の会計ソフトとは、ネットワークを利用して提供される会計サービスのことです。端末にインストールしている会計ソフトを立ち上げて利用するのではなく、クラウド上のアプリケーションにアクセスして会計サービスを利用します。
インストール型との大きな違いは、ネットワーク上のサービスにアクセスすればすぐに利用できることです。サービスに対応している端末(パソコン、タブレット、スマホなど)とインターネット環境、アプリケーションのアクセス権(IDやパスワードなど)があればクラウドに接続して会計ソフトを使えます。
インストール型やエクセル管理との安全性の違いは?
ここまで、クラウド型の会計ソフトのしくみを説明しました。それでは、インストール型やエクセルの会計管理とクラウド型を比較した場合の安全性、セキュリティ面にはどのような違いがあるのでしょうか。
インストール型やエクセルは自己管理が必要
インストール型の会計ソフトやエクセルを使った会計の管理は、いずれも自身でデータをバックアップする必要があります。利用中の端末が故障した時、あるいは何らかのトラブルが発生した時に、会計データが取り出せなくなる可能性、さらにはデータ自体が破損して読み取れなくなってしまう可能性があるためです。通常はUSBやハードディスク、あるいはサーバーなどにバックアップのためのデータを保管することが多いですが、いずれも機械なのでハードウェアが故障する可能性もあります。またバックアップに不備があると最新のデータが取り出せなくなる可能性もゼロではありません。
またインストール型だからといって、クラウド型よりセキュリティが優れているとは限りません。セキュリティ対策なしに、複数人でデータを共有し、社内共有のネットワーク上にデータを保管した場合にはマルウェア(不正な動作などをさせる悪意のあるソフトウェア)被害や情報漏えいの危険性があります。例えばデータを共有する端末のいずれかで、インターネットを利用している場合、セキュリティ対策を怠ると会計データが漏えいする可能性も考えられます。
クラウド型はサービスの提供者が管理してくれる
クラウド型の会計ソフトを使うには利用者側に特別なセキュリティ対策の知識が必須かというと、そういうわけではありません。クラウドにデータを預けている以上、バックアップが不要というわけではありませんが、信頼できるクラウドサービスであればハードウェアやセキュリティ対策は万全です。
>>ビジネスに合った会計ソフトを探そう!会計ソフトの種類と比較方法
クラウド型でも不安!情報漏えいのリスクはない?
会計データの保管をメインにクラウド型の会計ソフトの安全性を説明しましたが、それでも不安を覚える人はいるでしょう。ここでは、クラウド型の会計ソフトのセキュリティ面でよく挙げられる問題について答えていく形で、クラウド型の安全面について解説していきます。
データが消える心配はない?
過去には、サービス提供者側のトラブルによって、クラウド上の顧客のデータが消失してしまったこともありました。しかし障害事象の原因究明や対策は常に強化されているため、顧客のデータが消失しないような対策は十分に行われています。クラウド利用によるデータ消失のリスクは、自前でパソコンやサーバーを用意した場合と比べて遜色ない、あるいはクラウド型の方が安全なことも十分にあり得ます。
情報漏えいのリスクはない?
自分でデータを管理するのではなくサービス提供者側に委ねる点で、情報漏えいのリスクがあるのではないかと不安に思われる方もいるでしょう。結論から言えば、データの消失同様、情報漏えいの対策が行われているクラウド型の会計ソフトであれば、過度に心配する必要はありません。ただし、万が一情報が漏れてしまった場合の保証については、サービス提供者と利用者の責任範囲を明確にしておくことが重要です。
データを連携させても大丈夫?
銀行などの金融機関、クレジットカードなどの情報と連携できるクラウド型の会計ソフトもあります。心配なのはIDやパスワードを入力して、不正アクセスなどを許可してしまわないかという点です。この点も、サービス提供者が顧客のIDやパスワードを簡単に取得できないよう対策が行われています。データ連携による情報漏えいや不正アクセスのリスクは高くありません。
重要なのはセキュリティ対策の優れた会計ソフトを選ぶこと
クラウド型の会計ソフトとセキュリティについて説明しましたが、重要なのは、対象のクラウド型の会計ソフトで十分なセキュリティ対策が取られているかどうかです。クラウド型の会計ソフトのセキュリティレベルはどこで判断すれば良いのか、ここではポイントをいくつか紹介します。
通信の暗号化に対応している
暗号化とは、もとのデータを、解読が難しい暗号にしてやり取りする技術のことです。データが暗号化されていればセキュリティ上の懸念が小さくなります。クラウドに接続するパソコンが暗号化に対応しているかどうか確認しておきましょう。
バックアップ体制が整っている
過去にクラウドサービスでデータが消失した事例では、サービス提供者側がバックアップデータをまとめて管理していたことが問題になりました。データをサービス提供者に預ける以上、どのように管理されているかも確認しておきたい部分です。災害や機器の障害に備えて何重にもバックアップが取られているか、データを一箇所に集めず遠隔地で複数に分けて管理しているかが見極めるポイントになります。
サーバーでセキュリティ対策がされている
顧客のデータが保管されているサーバーへの不正アクセスなどを防止するため、サービス提供者側でセキュリティ対策が実施されているかどうかもポイントです。第三者を通して、セキュリティの脆弱性の評価が実施されているかどうかも判断材料になるでしょう。
プライバシーマークを取得している
プライバシーマークは、個人情報保護の運用や体制が十分である場合と認定された場合のみ使用できるものです。情報漏えいのリスクが低いかどうかを確かめるには、プライバシーマークの有無も判断材料として使えます。
利用者側のセキュリティ意識も重要
上記の判断基準をもとにセキュリティ対策のできているクラウド型の会計ソフトを選択すれば、セキュリティリスクはかなり抑えることができるでしょう。インストール型もクラウド型もセキュリティリスクはゼロではありません。IDごとの利用権限を制限・管理するなど、利用者側のID管理やセキュリティ意識も同時に高めていかなければセキュリティ上の懸念は残ってしまいます。
まとめ
クラウド型の会計ソフトは、セキュリティ対策をしっかり行っているものを選べば、インストール型を利用して自分でデータを管理するよりも安全に利用できる可能性があります。しかし、いくらセキュリティの高いクラウド型の会計ソフトでもすべてのセキュリティ上の脅威に対応できるわけではありません。例えば誰でも会計データにアクセスできないようにする、念のためクラウドに預けているデータのバックアップを取っておくなど、サービスを利用する側のセキュリティやデータ管理の意識も大切です。
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よくある質問
クラウド型の会計ソフトの安全性は?
データ消失、情報漏えい、不正利用などの主要なリスクに対しては十分な対策が行われている場合がほとんどなので、過度に心配する必要はありません。詳しくはこちらをご覧ください。
他の管理方法と比較したときの安全性は?
データを自分で管理する必要があるインストール型会計ソフトやエクセルと違い、クラウド型会計ソフトは利用者側に専門的な知識がなくても万全のセキュリティ対策を受けられます。詳しくはこちらをご覧ください。
セキュリティ対策の優れた会計ソフトを選ぶポイントは?
通信の暗号化に対応していること、バックアップ体制が整っていること、サーバーでセキュリティ対策がされていることなどを確認しておきましょう。詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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