- 作成日 : 2024年11月20日
大企業の新規事業ほど請求業務の課題が多い!効率化の方法を解説
大企業が新規事業を立ち上げる場合には、限られたリソースのなかで着実な成長が求められるため、業務の効率化が必要不可欠です。特に請求業務においては、新規顧客の拡大によるイレギュラーな対応が増え、業務負担も増加しがちです。本記事では、新規事業における請求業務の課題や、効率化の重要性、効率化するための方法について解説します。
目次
大企業における新規事業の抱える課題
一般的に大企業は、新規事業を立ち上げることで、新しい分野への進出や市場開拓を通じた成長を目指します。しかし、その過程には多くの課題が存在します。
まずは新規事業を行うにあたって直面しがちな課題について理解したうえで、それらに対する効果的な対処方法を検討しましょう。
社内リソースの配分
新規事業を立ち上げる場合においても、新規事業の経理や請求業務を担当するスタッフをただちに補充できるとは限りません。
売上が不安定な新規事業を軌道に乗せるまでは、固定費などのランニングコストをできる限り抑えるために、既存事業のスタッフが新規事業の業務を掛け持ちするケースも多くみられます。
経理業務に関しても、新規事業の立ち上げによって業務量が増加する一方で、軌道に乗るまでの期間については、既存の人的リソースで対応しなければならない場合もあるでしょう。
その一方で、新規事業の場合には、さまざまな業務プロセスが確立されていないケースが大半です。経理担当者についてもイレギュラーな対応が多く、業務負担はより一層大きくなります。
新規事業による業務量の増加を既存のリソースで賄うためには、業務効率化を追求し、人的リソースを適切に配分するための仕組みづくりが欠かせません。
成果・業績へのプレッシャー
大企業を取り巻く環境は目まぐるしく変化しているため、経営環境の移り変わりをいち早く察知し、スピーディーな意思決定が求められます。
新規事業においても、軌道に乗るまでの期間を長期にわたって設定できる企業ばかりではありません。
むしろ、既存事業とのバランスを見ながら、早い段階で収入の柱として成長することが求められます。そのため、万が一期待される成果が得られない場合には、事業規模の縮小や撤退の判断もスピーディーに行われる可能性があります。
したがって、新規事業であっても成長スピードを重視される傾向にあり、新規事業のメンバーについては、早い段階から成果や業績を上げることへのプレッシャーにさらされるケースも多いです。
顧客や取引先からのブランドへの期待
大企業というブランド力があることで、顧客や取引先に対しては高い信頼感を発揮しますが、業務のミスや遅延があった場合のリスクも大きくなります。
大企業の新規事業においては、顧客や取引先が抱く期待感も非常に大きいため、ケアレスミスなどが起こると、ブランドイメージや信用力が損なわれる可能性も高まります。
さらに、新規事業で発生したミスについては、場合によっては既存事業のブランド力や企業イメージにも波及するケースもあるため、慎重かつ正確な対応が必要不可欠です。
新規事業こそ請求業務の効率化が重要になる理由
新規事業を立ち上げる場合には、バックオフィス業務の効率化は極めて重要です。特に、新規事業における請求業務を効率化することによって、さまざまな効果を期待できます。
適切な業務フローを構築し、請求業務の効率化や省人化に取り組むことで、新規事業の安定した成長を支えるための基盤を整備しましょう。
コア業務へのリソース集中
新たな収益源としての発展が期待される新規事業では、成長のスピードが重要視されます。そのため、リソースを割くべき業務を見極めて、その業務に注力できる環境を整えることが成功への鍵となります。
具体的には、営業やマーケティング、プロダクト開発など、事業の成長に直接影響を与えるコア業務にリソースを集中することが重要です。
もしバックオフィス業務が煩雑な場合には、経理担当者や営業スタッフの事務負担が拡大し、事業拡大のための直接業務に適切なリソースを割くことが難しくなります。
請求業務を効率化し、煩雑な事務手続きや確認作業を減らすことで、限られた人員でもコア業務に集中しやすくなり、事業の成長スピードを高めることが可能です。
新規取引先からの信用獲得と関係性の構築
立ち上げたばかりの新規事業では、取引歴が浅い顧客やパートナーが多く、請求業務の正確さと迅速さが信頼を獲得するための重要な要素となります。
反対に請求ミスや支払遅延が発生すると、相手先に不信感やいい加減なイメージを与えることになり、ビジネスにおいて必要不可欠な信頼関係を損なうリスクもあります。
特に大企業の新規事業としては、バックオフィス業務においてもミスや漏れが発生しにくい体制を整えることで、既存事業で培ったブランドイメージを最大限に有効活用でき、取引先との間に健全な関係性を構築しやすくなるでしょう。
経営状態の正確な把握
新規事業を成功に導くためには、経営状況やキャッシュフローをリアルタイムで把握することも大切です。
請求業務がスムーズに行われ、売上や経費が漏れなく反映されることによって、経営状態を正確に把握することが可能になります。特に新規事業においては、資金が限られているなかでイレギュラーな出費が発生することも多いため、資金繰りの状況をリアルタイムで把握できないと、予算オーバーや資金不足に陥るなどのリスクが生じやすくなります。
請求業務を効率化・自動化することで、キャッシュフローの見える化を実現するだけでなく、月次決算の正確さやスピードが向上し、経営判断を迅速に行うための土台づくりに効果的です。
大企業の新規事業に発生しがちな請求書問題
大企業が新規事業を立ち上げる場合には、従来の請求業務とは異なる問題が発生しがちです。
新規事業に伴うこれらの問題点については、新規事業が発展するにつれてさらに拡大する可能性もあるため、早期のうちに解決方法を検討し、事業全体のボトルネックとならないような対策が必要不可欠です。
少額請求書の大量発行
一般的に大企業の場合、既存事業では高単価な取引が多いうえ、取引自体が安定しています。定型業務の一環として、毎月決まった取引先に対して請求書を作成するケースも多いでしょう。
それに対し、新規事業においては、新たに取引先を開拓する場合が多く、小規模な新規取引先が大幅に増加する可能性があります。そのような場合には、少額の請求書を数多く発行しなければならず、請求業務の負担も拡大します。
これまで既存事業において、一定の取引先に対する高額な請求書の処理に慣れている経理担当者にとっては、新規事業の請求管理は不慣れで煩雑に感じられ、請求書の処理漏れや作成ミスが発生するリスクも高まります。
請求サイクルの違い
大企業の既存事業では、月単位や四半期単位での請求が一般的である一方、新規事業では頻繁な請求サイクルが求められるケースも多く、従来の業務フローでは請求業務が追いつかない場合があります。
たとえば、サブスクリプションモデルや少額のリピート発注がある新規事業では、月内に複数回の請求処理が必要となり、これらに適応した体制を整えないと業務効率が大幅に低下する可能性があります。
請求書の内容やフォーマットの多様化
新規事業では、参入する市場や地域ごとの特性、取引慣習などによって、取引先から求められる請求書のフォーマットや請求内容が既存事業とは異なる場合も多いです。
これにより、既存事業で使用している請求書のフォーマットを流用できず、新たな請求書の様式を導入したり、カスタマイズが必要になったりするケースも多く、請求業務の煩雑さが拡大します。
特に、顧客ごとに異なる締め日や支払い条件に対応するなど、イレギュラーな対応が増える場合には、請求書の作成手続きに時間がかかるだけでなく、ヒューマンエラーの発生リスクも高まります。
請求書の処理を効率化する方法
請求業務の効率化や自動化に取り組むことで、経理担当者の業務負担を軽減し、請求ミスや支払い遅延を予防できます。
特に新規事業においては、バックオフィス業務を効率化することでコア業務に投入できる人的リソースを確保しやすくなるため、事業を軌道に乗せるまでの期間を短縮することにも効果的です。
具体的には、以下のような方法によって、請求業務の効率化に取り組むことをおすすめします。
請求書管理システムを導入する
請求書管理システムの導入により、請求書発行までの処理スピードと正確性が大幅に向上します。
請求書管理システムを活用すれば、請求書の作成から送付、入金確認までを一元管理できるため、手作業によって発生するミスを削減でき、業務効率が向上します。
また、システム内に用意された請求書のテンプレートを活用することで、事業部門ごとに異なる請求書フォーマットにも柔軟に対応できるうえ、インボイス制度などの最新の法令に対応した請求書を発行することが可能です。
さらに、債権管理や売上の分析機能があれば、入金期日を超過した債権をいち早く把握できることに加えて、作成した請求書データをもとに取引先ごとの売上状況も分析できるため、キャッシュフロー管理や経営判断にも活用できます。
なお、クラウドベースのシステムを導入すると、時間や場所を問わずにリアルタイムで状況を確認できるため、請求業務のスピードアップにつながるだけでなく、他の事業部門との情報共有や全社的な管理にも役立ちます。
既存のフロー・社内ルールを見直す
請求業務における業務フローや社内ルールを見直すことで、業務の簡素化が図れるケースも多いです。
たとえば、金額の大小に応じた承認プロセスを導入したり、デジタル承認に切り替えることでペーパーレス化を推進したりすることで、請求業務のスピードを向上させることが可能です。
また、大企業における請求業務については、既存事業をベースに最適化されている場合も多いです。
そのような場合には、新規事業が既存の業務フローにうまく適合しないケースもあるため、必要に応じて全社的なルールの見直しを行い、画一的な業務プロセスを導入すべきかどうかについても検討しましょう。
外部に業務委託する
新規事業を立ち上げ、限られた人員構成で請求業務を滞りなく行うのが困難な場合には、外部の専門業者に業務を委託することも有効な選択肢です。
請求書発行から管理、督促に至るまでのプロセスを外部に委託することで、社内の経理担当者の負担を軽減し、コア業務に集中できる環境を整えやすくなります。外部に委託することによって追加のコストは発生しますが、社内で専任のスタッフを確保するよりも低コストで運営できるケースも多いです。
また、外部業者が税務や法務の知識を備えている場合、請求業務における法令違反やミスのリスクが軽減され、請求処理の正確性も向上します。
ただし、外部に委託する業務については、社内にノウハウが蓄積されにくいという一面もあります。業務委託を活用する期間や委託すべき業務の範囲については、慎重に判断しましょう。
新規事業の請求業務を効率化するなら、マネーフォワード クラウド請求書Plus
「マネーフォワード クラウド請求書Plus」では、成長企業における請求業務の効率化・自動化をサポートしています。
請求書の作成や社内での申請、承認プロセスをオンライン上で完結できるため、スムーズに請求書を発行することが可能です。また、作成した請求書については、メールや郵送など取引先ごとのニーズに合わせた発行方法を選択できます。
さらに、既存のCRMや販売管理システムによる請求データに基づいて請求書を作成できるため、既存事業で他社サービスを利用している場合にもスムーズに導入できます。
なお、発行した請求書については、会計システムにも自動連携できるので、仕訳入力の自動化にも効果的です。
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請求業務を効率化し、新規事業をいち早く軌道に乗せよう!
大企業が新規事業を立ち上げる場合には、限られたリソースのなかで着実な成長を求められるケースも多いため、コア業務にリソースを集中できる環境を整備することが重要です。
一方、請求業務においては、新規の取引先が急増したり、既存事業と請求サイクルが異なったりするなど、イレギュラーな対応によって業務負担が増加する場合も多いです。
そのような場合には、請求書管理システムの導入や社内ルールの見直しを行うなど、新規事業の特性を踏まえて社内体制を再構築することが求められます。
請求業務を中心としたバックオフィス業務を効率化することで、新規事業のスムーズな成長や発展を目指しましょう。
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