- 更新日 : 2025年7月15日
適格請求書(インボイス)をスキャナ保存する際の要件
2023年10月1日から始まったインボイス制度。ついで2024年1月1日からは、先般改正された電子帳簿保存法の宥恕措置が終了し、電子取引のデータ保存が義務化されました。
これを受けて、取引先から授受した適格請求書(以下インボイス)について、紙またはスキャン文書のどちらで保存するべきか、迷っている方もいるかもしれません。そこでこの記事では、取引先から授受したインボイスをスキャナ保存する際の要件を解説します。
目次
消費税の仕入税額控除はスキャナ保存でも認められる
インボイス制度とは、端的にいえば、登録番号や適用税率、消費税額等が記載されたインボイスをもとに、消費税の仕入税額控除が受けられる制度のことです。
そもそも消費税は、商品やサービスの価格の一部として消費者が負担し、それを事業者が申告・納付する仕組みになっています。その納付額は次の計算式によって求められます。
この計算のことを消費税の仕入税額控除といい、算出された金額が間違っていないかを確かめるために、インボイスの保存が必要になるのです。
このインボイスの保存について、取引先から紙のインボイスを交付された場合は、紙またはスキャン文書のどちらで保存するべきか、迷ってしまうかもしれません。
結論からいえば、どちらで保存しても大丈夫です。
紙のインボイスをスキャン文書で保存する場合は、電子帳簿保存法第4条第3項にあるスキャナ保存の要件を満たし、それを電磁的記録によって保存していれば、消費税の仕入税額控除は認められます。
参考:電子帳簿保存法一問一答【スキャナ保存関係】問4|国税庁
インボイスに該当する書類
インボイスとは、売手が買手に対し、10%または8%どちらの税率が適用されるか、そしてそれぞれの消費税はいくらかを伝えるためのものです。
具体的には、以下の項目が記載された請求書等がインボイスに該当します。
- インボイスを交付する先の氏名や会社名
- 自分の氏名や会社名および登録番号
- 取引年月日
- 取引内容(※軽減税率の対象となる取引がある場合は、その旨を記載する)
- 適用税率
- 消費税額
つまり以上の項目が記載されていれば、その書類の名称が領収書や納品書などであっても、インボイスに該当することになります。
なお、不特定多数の人に商品やサービスを提供する小売業や飲食店業、タクシー業などにおいては、以上の項目を一部省略した簡易インボイスの交付が認められています。
そのため、受け取ったインボイスに不記載の項目がある場合は、この簡易インボイスである可能性があるので、注意してください。
インボイスをスキャナ保存する際の要件
インボイスをスキャナ保存するにあたっては、真実性や可視性を確保することを目的とし、いくつかの要件が定められています。
この要件は、さらに重要書類と一般書類に大別されています。重要書類とは請求書や領収書など、一般書類とは見積書や注文書などです。
どちらの書類にも共通する要件には、たとえば200dpi以上の解像度で読み取ることやタイムスタンプを付すこと、検索機能を確保することなどがあります。
参考:電子帳簿保存法一問一答【スキャナ保存関係】問9|国税庁
なお、特定の項目が、重要書類に該当する請求書と一般書類に該当する見積書にまたがって記載されているケースがあります。
この場合は、請求書と見積書をあわせて、ひとつのインボイスとして取り扱います。そのため、インボイスをスキャナ保存する際は、重要書類と一般書類のどちらの要件にも対応できるようにしましょう。
参考:消費税法第57条の四、消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&A問67|国税庁
先ほど述べたとおり、特定の項目が記載されている書類は、その名称を問わずインボイスになります。そのため、インボイスをスキャナ保存する際は、重要書類と一般書類のどちらの要件にも対応できるようにしておきましょう。
インボイスをスキャナ保存する際のスキャナとは?
インボイスをスキャン文書で保存するにあたっては、所定のスキャナを用いなければなりません。ここでは、インボイスをスキャナ保存する際のスキャナについて解説していきます。
一定の要件を満たすスキャナや複合機のこと
インボイスをスキャナ保存する際は、以下の要件を満たし、一般的にスキャナや複合機として販売されている機器を用いましょう。
- 25.4ミリメートル当たり、200ドット以上の解像度で読み取れるもの
- 重要書類の場合は、赤色・緑色・青色の階調が、それぞれ256階調以上で読み取れるもの
- 一般書類の場合は、白色から黒色までの階調が、256階調以上で読み取れるもの
参考:電子帳簿保存法一問一答【スキャナ保存関係】問5|国税庁
スマートフォンやデジタルカメラ等で読み取ってもよい
インボイスは、スマートフォンやデジタルカメラ等を使用し、読み取ってもよいことになっています。
その場合は、スマートフォンやデジタルカメラ等で読み取った書類の大きさをインチに換算し、それをさらに画素に換算した上で、先ほどの要件を満たしているかを判断します。
参考:電子帳簿保存法一問一答【スキャナ保存関係】問25|国税庁
電子帳簿保存法に則してインボイスを適切にスキャナ保存しよう
取引先から受け取ったインボイスをもとに、消費税の仕入税額控除を受ける際は、書面による保存に代えて、一定の要件を満たしたスキャン文書による保存が認められています。
取引先から交付された紙のインボイスをスキャン文書で保存する際は、この記事でご紹介した内容を参考に、電子帳簿保存法に則して適切にスキャナ保存しましょう。
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