- 更新日 : 2025年2月20日
通知預金とは?メリットや定期預金との違いについてわかりやすく解説!
通知預金とは、まとまった資金を短期間預けるための預金です。普通預金よりも金利が高めの場合もありますが、同程度の利率ことも多く、利息にあまり差はありません。解約する際のルールや廃止の傾向にあることについて解説します。
目次
通知預金とは?
通知預金とは、まとまった資金を短期間預ける場合に利用できる預金です。普通預金よりも有利な金利が適用されますが、金利情勢によっては普通預金と同一金利になることもあります。
また、預金してから7日間は据置期間とされ、原則として解約することはできません。その後であれば、解約したい日の2日前に通知すればいつでも解約できます。

定期預金との違いは?
通知預金は、据置期間を除いて、2日前に通知すればいつでも解約できる預金です。一方、定期預金は満期日が決まっているため、原則として満期までは解約できません。
また、定期預金は基本的に契約時に設定した金利が適用されますが、通知預金は変動型です。最初に預入したときとは異なる金利が適用されることもあるため注意しましょう。一般的に通知預金は定期預金よりも低金利で、普通預金と同水準の場合が多いです。
なお、通知預金の払い戻しは一括のみと決まっています。一部だけを払い戻すことはできず、また利息も途中では受け取れません。
預金保険制度対象の預金と保護の範囲
| 預金の種類 | 金利 | 金利 | 2021年5月時点の 年利% | 付利日と受け取り日 | 総合口座の 担保 |
|---|---|---|---|---|---|
| 普通預金 | 出し入れが自由であり、決済もできる | 変動 | 約0.001% | 毎日 受け取りは特定の月 | ならない |
| 通知預金 | 据置期間を除き、2日前までの通知で引き出し可能 | 変動 | 約0.001% | 毎日 受け取りは特定日一括 | ならない |
| 定期預金 | 決められた待った指定した期間は解約できない | 預入時の金利で固定 | 約0.002% | 満期時一括 | なる |
通知預金のメリット
通知預金は普通預金とは異なり、引き出すときに通知をしなくてはいけない、預け入れた金額の一部だけを引き出せないといった制約がある預金ですが、利用することで、普通預金や定期預金では得難いメリットが得られます。主なメリットとしては、次の3つが挙げられるでしょう。
- 普通預金よりも金利が高い
- いつでも解約できる
- 最低金額が少なめ
普通預金よりも金利が高い
通知預金は、普通預金よりも金利が高いことがあります。金利情勢によっては普通預金と同じ金利が適用されることもありますが、普通預金以下ということはないので、少しでも高い金利でお金を預けたい方には適した預金といえるでしょう。
また、投資性のある金融商品とは異なり、元本割れ(預け入れた金額よりも受取額のほうが少ないこと)することはないため、資金を減らしたくない方にも適しています。
いつでも解約ができる
通知預金は、最初の7日間の据置期間を除き、2日前に通知すればいつでも解約できます。
定期預金は原則として満期日まで解約できないので、預入期間中にまとまった資金が必要になったときは困ることがあるでしょう。しかし、通知預金であれば2日前に通知さえすればいつでも全額を引き出せるため、急にまとまった資金が必要になったときでもスムーズに対応できます。
最低金額が少なめ
通知預金は、定期預金と比べて預け入れ可能な最低金額が少なめであることが多いです。金融機関によっても異なりますが、1万円、5万円程度から預けられることもあります。
一方、定期預金は最低金額が通知預金よりは高額なことが多く、少額だけを預けたいときには活用できない可能性があるでしょう。少額かつ自由度の高い預け入れを希望する方には、通知預金が利用しやすいかもしれません。
通知預金のデメリット
通知預金は1万円、5万円といった少額から利用でき、しかも普通預金よりは高金利が適用される可能性もあるため、いつ必要になるか分からない資金の預け入れ先としても活用できます。ただし、デメリットもあるため利用する前には注意が必要です。特に次の3点には留意してください。
- 引出しの2日前には通知しなければならない
- 中途解約すると利率が下がる
- 金利が高いわけではない
引出しの2日前に通知しなければならない
通知預金は定期預金よりは自由度が高い預金であるとはいえ、引き出すときには2日前までに通知しなくてはいけません。今日中にまとまった資金が必要になったときや、明日までに緊急な支払いがあるときなどは、通知預金に預けたお金では対応できないこともあるでしょう。
緊急時に困らないように、ある程度の金額は普通預金に預け入れておくほうがよいかもしれません。
中途解約すると利率が下がる
据置期間中に解約すると普通預金の金利が適用されるので注意が必要です。しかし、通知預金と普通預金の金利が同じ場合には、据置期間に解約しても利率は下がりません。
また、据置期間終了後に解約した場合、解約した時点までの利息を受け取ることになります。当初の予定よりも早期に解約したとき、解約以降の利息が発生しなくなるため、予想以上に利回りが下がることがあります。利息を期待するのであれば、短期間のみの預け入れには向かないでしょう。
金利が高いわけではない
通知預金の金利は普通預金以上ではありますが、必ずしも通知預金の金利のほうが高いのではなく普通預金と同じこともあります。また、定期預金と比べると1/2~1/10程度の低金利が適用されることもあり、利息を期待して預け入れるのであれば、定期預金のほうが向いているでしょう。
利用する金融機関によっても適用金利は異なるので、必ず事前に確認しておいてください。
通知預金を廃止する銀行も…!
通知預金自体を廃止する銀行も増えています。通知預金は普通預金以上の金利ではあるものの、実際には普通預金とほとんど金利が変わらないことが原因として考えられるでしょう。
同じ金利であれば、最低預入金額や通知義務が決まっていない普通預金を利用するほうが便利と判断する方は多く、通知預金の預入額が減少し、廃止という結果になることも少なくありません。通知預金を利用する際には、預け入れを希望する金融機関に通知預金の制度があるのか必ず確認しておきましょう。
通知預金について理解できましたか?
通知預金は、定期預金よりも自由度が高く、なおかつ普通預金よりは高金利のことが多いという点が魅力の預金です。しかし、定期預金の金利低下に伴い、通知預金の金利が普通預金の金利と同じになってきたことから、普通預金に比べて自由度の低い通知預金を利用するメリットがなくなってきたと感じている方も少なくありません。
そのため、通知預金の預金高が減少し、廃止する銀行も多いです。利用する際には必ず預け入れを予定している金融機関で通知預金を実施しているのか、確認しておくようにしましょう。
また、通知預金の制度がある場合には、最低預入金額と金利もチェックしてください。利用後は、引き出す2日前までに金融機関に通知を行い、預け入れた金額をまとめて受け取ること。利息は引出し日にまとめてつくため、普通預金のようにあらかじめ決まった月でなくても受け取れます。
普通預金と通知預金、定期預金のそれぞれの性格を理解し、どの程度の金額を預け入れるのか、また、どの程度の期間預けることになりそうかを照らし合わせた上で、適切な預金の種類を選びましょう。
よくある質問
通知預金は据置期間中も解約可能?
金融機関によっては解約可能だが、その場合は普通預金と同じ金利が適用されるので利息が減ることもあります。詳しくはこちらをご覧ください。
通知預金の最低金額はいくら?
金融機関によって決まっており、1万円、5万円程度から預けられることが多いです。詳しくはこちらをご覧ください。
通知預金はどこでも利用できる?
通知預金を取り扱っていない金融機関もあり、また、新規口座開設を受け付けていない金融機関もあるのでどこでも利用できるわけではありません。詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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