- 更新日 : 2026年2月5日
車両運搬具の適用範囲は?仕訳方法から減価償却方法まで解説
「車両運搬具」は、例えば日常的に使っている営業車、業務で利用している車両全般を表すための勘定科目です。
車両運搬具は、業務で利用している車両がすべて含まれるものではなく、一定の基準が存在しています。今回は、車両運搬具の分類や線引きについてと、財務諸表上における処理方法、注意点について詳しく見ていきましょう。
どこからどこまでが車両運搬具か?
前述したように、例えば日常使う営業車は、問題なく車両運搬具として考えることができます。では、業務で利用するオートバイは車両運搬具に含まれるでしょうか。また、資材を運ぶ時に使う台車は、車両運搬具に含めてよいのでしょうか。
結論から言って、これらは全て車両運搬具として分類してよいものになります。車両運搬具に含まれる主なものについては、以下をご参照ください。
・軽自動車
・オートバイ
・トラック
・バス
・クレーン車
・台車
・電車車両
・ごみ収集車
・トロッコ
上記から分かるとおり、基本的に車両運搬具は「陸上を走る車両」ということだと言えるでしょう。ですから、例えば船舶などの水上運搬具は「船舶勘定」、航空機などの空中運搬具は「航空機勘定」としてとらえます。
車両運搬具と間違いやすいものは?
誤って車両運搬具として計上しがちなものとしては、「パワーショベル、ブルドーザーなどの建設機械」「車輪付きのコピー機などのオフィス機材」などが挙げられます。
パワーショベルなどの建設機械は一見車両運搬具と考えてしまいそうになりますが、用途が建設等に限定されているものであるために、「機械装置勘定」という科目で処理します。
同じように、陸上を車輪付きで移動できるコピー機などのオフィス機材に関しても、運搬以外の用途がはっきりしているために「工具器具備品勘定」という科目で処理を行います。
基本的には、「陸上を人やモノの運搬のために移動する車両」が車両運搬具に当てはまると考えておけば間違いないでしょう。
車両運搬具の「減価償却」の行い方は?
車両運搬具はどんなものでも年月が経つごとに古くなっていきますから、「減価償却」の処理を行う必要があります。
ただし、以下に示すような条件に当てはまる場合には、減価償却において特殊なルールがありますので、合わせて押さえておきましょう。
②取得価額が20万円未満の場合→一括償却資産として扱う
③取得価額が30万円未満で、かつ青色申告者の中小企業などの場合→「少額減価償却資産の特例」として扱う
1つ目の場合には、少額減価償却資産として扱うことで車両運搬具を購入したお金を「取得時の経費」として扱うことができます。このことは、「即時償却」という名称で呼ばれています。
2つ目の場合には一括償却資産として扱うことで、基本的にどんなものであっても3年間で減価償却することが可能です。このことは、「一括償却資産の3年均等償却」とされています。
3つ目の場合には、青色申告者の方限定で、取得価額が30万円未満のものであっても1つ目と同じように「即時償却」することが可能な「少額減価償却資産の特例」を利用することができます。
計上する際には、必ずこれらの特殊なルールについても押さえておくようにしましょう。
車両運搬具の実務での仕訳方法は?
実務において車両運搬具を計上していく際には、車両取得、および売却の場面ごとに、それぞれ異なる処理が必要となってきます。代表的な例として、以下のような場合を想定して考えてみましょう。
・車両を売却して利益が出た場合
・車両を売却して新車に買い替えた場合
これらを会計処理すると、以下のようになります。
例:車両を翌月払いで購入した場合
150万円の営業車を購入し、運送費、取得税など諸費用が30万円かかった。費用は翌月払いとした。
例:車両を売却して利益が出た場合
営業車180万円(うち減価償却累計額100万円)を売却して、90万円の代金が普通預金に振り込まれた。なお、売却益が10万円発生した。
例:車両を売却して新車に買い替えた場合
取得価格180万円の営業車(減価償却累計額120万円)を30万円で下取りに出した。その後、新たに新車200万円を翌月払いで購入した。
車両を取得する際には、その取得にかかった手数料や運送費なども「付随費用」として取得原価に含めてしまってかまいません。
自動車取得税などの税金関係に関しても取得原価に含めるか、または「費用」として新たに計上するようにしましょう。
また、カーステレオ、エアコンなどの車と一体になって使われる装備品については、車両運搬具に含めてしまってかまいません。不必要に分けて項目を煩雑にしないよう、注意しましょう。
減価償却はどのように計上する?
前述したように、車両取得費用が一定価格以下であれば、減価償却を少額減価償却、または一括と考えて処理します。では、一般的な車両運搬具の場合、減価償却はどのように考えるべきなのでしょうか。
減価償却の考え方には、直接資産の価値から減価償却費を控除する「直接法」と、「減価償却累計額」という項目を利用した「間接法」が存在します。
直接法・間接法それぞれの計上方法は以下のようになります。
180万円の営業車の減価償却費として、50万円を期末に計上した。
・直接法
・間接法
直接法は載っている金額が現時点における資産の価値であることを表しますし、間接法は資産の取得原価を一目で明らかにすることができるため、両者にメリットが存在します。事業の実情に合わせて、適切な計上方法を選ぶようにしましょう。
まとめ
車両運搬具は、時に業務で扱っている車両が該当するか否かという点で、線引きが難しくなってしまう科目でもあります。まずは何が当てはまって何が当てはまらないのかという部分を、しっかり理解することが大切です。
また、車両運搬具の計上時には車両取得の状況、および売却の状況によって処理の方法が変わってきます。まずは代表的な例を押さえて、臨機応変な対応を行いましょう。加えて減価償却に関しても、直接法・間接法のどちらかを適切に選択し、正確な処理を心がけましょう。
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よくある質問
車両運搬具には何が含まれる?
主に、普通自動車・軽自動車・オートバイ・トラック・バス・クレーン車・台車・電車車両・ごみ収集車・トロッコなどです。詳しくはこちらをご覧ください。
車両運搬具の取得価額が10万円未満の場合の減価償却方法は?
少額減価償却資産として扱い、処理を行います。詳しくはこちらをご覧ください。
車両の取得にかかった手数料や運送費などはどう処理する?
「付随費用」として取得原価に含めてしまってかまいません。詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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