• 更新日 : 2021年7月29日

正常営業循環基準とは?一年基準との違いや具体例についてわかりやすく解説!

正常営業循環基準とは?一年基準との違いや具体例についてわかりやすく解説!

正常営業循環基準とは、正常な営業サイクルにおける資産や負債を、流動資産流動負債とする基準のことです。ifrsにおける英語分類では「Normal operating cycle rule」といいます。

資産や負債を流動資産・流動負債と固定資産・固定負債に分ける基準には、正常営業循環基準のほかに一年基準があります。企業会計原則では、最初に正常営業循環基準を優先して適用し、借入金など正常営業循環基準に該当しないものについて一年基準を適用するとしています。

そこで、ここでは正常営業循環基準が重要である理由や、正常営業循環基準が適用されるもの/適用されないものにはどのような勘定科目があるかといったことについて、具体例を挙げてわかりやすく説明します。

正常営業循環基準とは

正常営業循環基準とは

正常営業循環基準は、貸借対照表の流動や固定に関する計上区分を分ける基準のことです。英語では「Normal operating cycle rule」といいます。

わかりやすく言うと、現金を使って商品を仕入れ、仕入れた商品を販売して現金を得る、さらにその現金を使って商品を仕入れるといったように、通常の営業活動によって生じる資産や負債を、流動資産や流動負債とするルールです。

これは、流動資産や流動負債のルールである一年基準(ワンイヤールール)とともに、資産や負債を流動や固定に分けるルールになっています。

正常営業循環基準が適用されるものの具体例は?

正常営業循環基準が適用されるものは、通常の営業活動により生じる資産や負債です。資産であれば、現金や預金(普通預金や当座預金)、売掛金受取手形、前払金、棚卸資産などに正常営業循環基準が適用され、流動資産となります。

負債の場合は、買掛金支払手形前受金などに正常営業循環基準が適用され、流動負債となります。

一年基準(ワン・イヤー・ルール)との違いは?

正常営業循環基準と一年基準(ワン・イヤー・ルール)との違い
企業会計原則では、正常営業循環基準に該当しないものに関して、一年基準で判断するという使い分けがなされています。一年基準では、貸借対照表を作成して(決算日の翌日)から、現金化までに要する期間が一年以内であるなら、流動資産または流動負債とみなされます。

日本においては正常営業循環基準を採用することが多いため、この基準で判断できないものに関して一年基準で判断するという使い分けがなされています。

ただし、例外的に一年以上超の製造期間や返済期間を要するもののであっても、流動資産として分類されるものもあります。

正常営業循環基準について理解できましたか?

日々の取引を帳簿付けをしたり、貸借対照表などを作成する際には、流動なのか固定なのか、どの区分の勘定科目を使用したら良いのかを迷うことがあります。しかし、正常営業循環基準を理解していれば、迷うことなく会計処理をすることができます。正常営業循環基準をきちんと理解し、正しい会計処理を行いましょう。

よくある質問

正常営業循環基準とは何ですか?

正常な営業サイクルにおける資産や負債を、流動資産や流動負債とする基準です。詳しくはこちらをご覧ください。

一年基準とは何ですか?

決算日の翌日から、現金化までに要する期間が一年以内かどうかで流動・固定区分を判断する基準です。詳しくはこちらをご覧ください。

正常営業循環基準が適用される勘定科目は?

現金や売掛金、買掛金などです。詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

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