注意しないと黒字倒産!?損益計算書・貸借対照表で気をつけるべき2つのポイント

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黒字倒産」という言葉を聞かれたことがおありでしょうか。一般的な「倒産」は聞いたことがあっても、黒字倒産という言葉は聞きなれないかもしれません。

近年、スタートアップブームが起こり、2000年代初頭のような、いわゆる起業ブームが起こっています。とはいえ、起業する方の中には営業出身の方も多く、会計上のお金の流れを理解していないために、黒字倒産を起こす人が増えているのです。

この黒字倒産の問題は、決して人ごとではなく、多くの起業家が実際に倒産に追い込まれており、せっかく起業した会社が倒産するだけでなく、多額の借金を抱えて終わることも少なくないのです。

そこで今回は、黒字倒産の意味と原因を正しく理解し、黒字倒産を防ぐために注意すべき2つのポイントを解説していきます。

黒字倒産とは

Photo by Dave Dugdale

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そもそも「倒産」とは、返済しなければならない債務の返済ができず、借入もできずに会社の経営が行き詰まった状態のことです。では、黒字倒産とは何でしょうか。黒字倒産とは、損益計算書上では利益が出て黒字の状態であるにもかかわらず、企業などが倒産してしまうことを言います。
損益計算書では、1事業年度(4月~翌3月など)の売上から経費を差し引いて利益を計算することができ、その1事業年度で会社が儲かったのか、損をしたのかを知ることができます。
損益計算書上では黒字で利益が出ているにも関わらず、会社が倒産してしまうのは奇妙に思えますが、お金の流れの仕組みを知れば、黒字倒産が起こる理由を理解できるようになります。

黒字倒産が起こる理由

では、黒字倒産はどうして起こるのでしょうか。これには、会計上の記録ではなく、実際のお金の動きが関係しています。

商品売買の決済では、通常1ヶ月から3ヵ月後の決済となるため、その期間の利益が損益計算書に計上されても、現金がすぐに入ってこない状態になります。この現金が入ってこない期間に、実際のお金の入金と出金が一致せず経費の支払いなどで資金繰りが困難になることがあります。

仮に損益計算書上では黒字であったとしても、自己資金で支払いができず、銀行からの借入もできなくなると、仕入代金が払えなくなるため、倒産状態となってしまうのです。

その後に、銀行取引の停止処分を受けたり、裁判所に破産手続きを申請したりすることで倒産が確定してしまいます。こうした黒字倒産をする会社では、倒産状態に陥っているにも関わらず、会計上では黒字決算となっているのです。

注意点はココ!損益計算書、貸借対照表で気をつけて確認するポイント!

Photo by kev-shine

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では、黒字倒産を防ぐためには、どんなことに注意すれば良いのでしょうか。重要な要素となるのは、「損益計算書」と「貸借対照表」に関する正しい知識を身に着けることです。ここでは、損益計算書と貸借対照表で気をつけて確認するポイントについて、解説していきます。

損益計算書で注意すべきポイントは「収支」に注意を払うこと!

黒字倒産を防ぐために、企業の利益や損失に関する情報が記載される損益計算書で、注意すべきポイントは何でしょうか。重要なポイントは、実際にお金が入ってきた、出ていったという収支に注意を払うことです。

なぜなら、損益計算書上の利益や損失と、実際のお金の動きが必ずしも一致しているわけではないためです。損益計算書において利益が出ていたとしても、実際のお金の流れである収支を正しく管理することが大切です。

お金の収支のことをキャッシュフローといい、収支の情報はキャッシュフロー計算書に記載されます。この収支を表すキャッシュフローが赤字になっている時には、収入以上に支出してしまっていることを意味しており、特に注意が必要になります。

このように、損益計算書の利益だけでは安心せず、キャッシュフロー計算書で実際のお金の動きを管理することが、黒字倒産を防ぐための重要なポイントとなります。

貸借対照表で注意するポイントは「自己資本比率」

黒字倒産を防ぐために、企業の財政状態を把握できる貸借対照表にも、注意すべきポイントがあります。

一般的に企業は、株主からの出資と金融機関からの借入で資金を調達していますが、この借入が多いほど倒産する確率が高くなります。なぜなら、借入が多いと返済ができなくなった時に、倒産に追い込まれることになるからです。そこで注意すべきポイントが、貸借対照表において倒産の度合いを測ることができる自己資本比率なのです。

自己資本比率は、純資産÷(純資産+負債)で求めることができます。株主からの出資は純資産として、借入は負債として計上されます。

つまり、負債が少なく自己資本比率が高いほど倒産の確率は低くなり、負債が多く自己資本比率が低いほど倒産の確率が高くなるのです。上場企業の場合には自己資本比率の平均が40~50%ですから、20%以下であればかなり低く注意が必要だと言えます。

まとめ

以上が黒字倒産を防ぐために、損益計算書と貸借対照表で注意すべき2つのポイントとなります。

損益計算書において利益が出ていても、実際のお金の動きである収支が黒字になるように管理することで、黒字倒産を防ぐことができます。

また、貸借対照表においても借入を少なくし自己資本比率を高くすることで、黒字倒産を避けることができます。このように、黒字倒産が起きる理由を正しく理解し、損益計算書と貸借対照表で注意するポイントを抑えることで、黒字倒産という大きなリスクを防ぐことができるでしょう。

監修:土屋 英則 (税理士)

税理士法人ゆびすい
ゆびすいグループは、国内8拠点に7法人を展開し、税理士・公認会計士・司法書士・社会保険労務士・中小企業診断士など約250名を擁する専門家集団です。
創業は70年を超え、税務・会計はもちろんのこと経営コンサルティングや法務、労務、ITにいたるまで、多岐にわたる事業を展開し今では4500件を超えるお客様と関与させて頂いております。
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