- 更新日 : 2026年5月12日
リース債務
「リース債務」は、リースした物品に対するリース料などのことを指す勘定科目です。リースを行った際には、このリース債務をはじめとしたリース会計と呼ばれる処理を行う必要があり、その際に気をつけるポイントが多数あります。
今回はリース債務を中心に、リース会計において注意しなければいけないポイントを学習していきましょう。
リース債務の種類とは?
リース会計やリース債務について学ぶためには、まずリースの取引にどんなものがあるのかを理解することが大切です。
リースの取引には主に、以下の2種類があります。
・ファイナンス・リース取引
・オペレーティング・リース取引
このうち「ファイナンス・リース取引」にはさらに以下の2種類があります。
・所有権移転ファイナンス・リース取引
・所有権移転外ファイナンス・リース取引
例えばパソコンをリースした際に、中途解約ができず、使用中の修理費用は使う側持ちである契約と、契約期間が柔軟に変更でき、使用中の修理費用は貸した側持ちである反面、リース期間が終了した場合にパソコンを返却するという契約があります。
この場合、前者のような契約がファイナンス・リース取引、後者の方がオペレーティング・リース取引です。
さらにファイナンス・リース取引であっても契約後にパソコンを返却するか追加料金を払って買い取るような契約であれば「所有権移転外ファイナンス・リース取引」、契約後にパソコンを返却する必要がない場合には「所有権移転ファイナンス・リース取引」となります。
リースの期間による違いとは?
リース債務を考える際には、期間についても考えましょう。リース債務はいわゆる「1年基準(ワン・イヤー・ルール)」によって短期・長期に分けることができます。
1年基準は資産や負債(今回の場合はリース資産やリース債務)が「流動」か「固定」かを判断するものとなります。貸借対照表の翌日から数えて1年以内に契約が満了するものに関しては、「流動」として扱います。この「流動」として扱うものが、短期リース債務にあたるのです。
そして逆に、1年を超えて契約が続くものは「固定」として扱います。この「固定」として扱うものが、長期リース債務です。この2つの違いについても理解しておき、混同しないようにすることが大切です。
この記事をお読みの方におすすめのガイド3選
続いてこちらのセクションでは、この記事をお読みの方によく活用いただいている人気の資料・ガイドを簡単に紹介します。すべて無料ですので、ぜひお気軽にご活用ください。
※記事の内容は、この後のセクションでも続きますのでぜひ併せてご覧ください。
新リース会計基準丸わかりガイドブック3点セット
本資料は、2025年3月から順次公開した「新リース会計基準と主要論点が丸わかり!対応ガイドブック」のPart.1〜Part.3の3点セットになります。
新リース会計基準への対応を進めるにあたって「何を」「どのように」運用変更する必要があるか、基礎から実務まで、じっくり見直すことができます。
新リース会計基準に最短距離で対応するなら?
2027年度から適用される新リース会計基準に対応した、クラウド型のリース会計システムです。すでにご利用中の会計システムはそのままに、業務影響を最小化しながら利用することが可能です。
本資料では、特長や各種機能についてご紹介いたします。
リース契約のデータ化・リース識別・契約管理、大丈夫ですか?
リース契約の洗い出しに時間がとられていませんか?
マネーフォワード クラウド契約なら、契約書を取り込むだけでAIが新リース会計基準の要件に基づいてリース契約を自動で識別。
リース契約のデータ化・リース識別・契約管理をサポートします。既存のシステムとも連携してご利用いただけますので、他社会計システムや固定資産管理システムをご利⽤の企業もお気軽にご相談ください。
リース債務は財務諸表でどう扱う?
では、このような特徴があるリース債務は、実務の中でどのように会計処理を行っていけばよいのでしょうか。
実務上では所有権移転ファイナンス・リースの場合、資産の取得とされる取引ですので、通常の売買取引と同じようにリース資産とリース債務を扱います。
逆に、所有権移転外ファイナンス・リース取引と、オペレーティング・リース取引の場合、資産の取得とはみなされない取引になりますので、リース料は「賃借料」として考えます。
これらを踏まえたうえで、実際の計上方法についてまとめると、以下のようになります。
仕訳例:営業車を5年リースで契約し、1年目のリース料金50万円を小切手で支払った。
仕訳例:所有権移転外ファイナンス・リース取引、およびオペレーティング・リース取引の場合
資産の所有権が移転するか否かによって処理が変わりますので、混同しないように注意が必要です。
減価償却費はどのように計上する?
さて、リースによって得ている資産も、当然減価償却を行う必要が出てきます。この場合にも、資産の所有権が移転するか否かによって、処理方法が変わりますので注意しましょう。
資産を最終的に返却する必要がない所有権移転ファイナンス・リース取引の場合には、自社にある資産の減価償却と同じ方法で減価償却費を計上してしまって問題ありません。
所有権移転外ファイナンス・リース、およびオペレーティング・リース取引の場合、平成20年4月1日からは、税務上では売買取引として扱われています。ですから、支払うリース料がそのまま減価償却費として扱われ、リース料を支払い終わった段階で、減価償却限度額と累計のリース料が合致します。
このようなことから、リース取引の減価償却費計上方法は、以下のようになります。
■例:年間50万円の支払いで5年リースしている営業車の、1年分の減価償却費を計上する。
仕訳例:所有権移転ファイナンス・リース取引の場合(直接法)
仕訳例:所有権移転外ファイナンス・リース取引、およびオペレーティング・リース取引の場合
仕訳例:年間50万円の支払いによる5年リース(所有権移転外ファイナンス・リースもしくはオペレーティング・リース)が終了した段階の減価償却費の計上
まとめ
リース債務は、ファイナンス・リース取引、オペレーティング・リース取引によって処理方法が変わります。さらに、ファイナンス・リース取引は所有権が移転するか否かという部分でさらに扱いが異なるということを押さえておきましょう。
さらに、資産が「固定」か「流動」かという部分で、長期・短期の違いが生まれることも忘れてはいけません。1年基準に照らし合わせて、分類の仕方を誤らないようにしましょう。
そして、実務上におけるリース取引の計上に関しては、所有権が移転するか否かで計上方法はもちろん、減価償却費の扱い方についても全く変わるという部分まで押さえることが重要です。
リース取引の分類を正しく理解したうえで、その分類に則した会計処理ができるようにしていきましょう。
関連記事
・リース料
・生産性向上設備投資促進税制|リース品は使える?生産性向上設備投資促進税制で最先端の設備を手に入れよう!
・減価償却累計額はどんな勘定科目?考え方と仕訳のルールを解説
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
会計の知識をさらに深めるなら
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
関連記事
-
# 勘定科目・仕訳
会社経費を個人のクレジットカードで立替えた場合の仕訳・勘定科目は?
法人の場合、クレジットカードでの支払には、通常その法人名義のカードを利用します。しかし、急な支払いなどで担当者が個人名義のクレジットカードで会社の費用を立て替えることがあります。こ…
詳しくみる -
# 勘定科目・仕訳
名刺代を経費として仕訳する場合の勘定科目まとめ
業務上で必要な名刺を作成する場合、名刺代を経費として計上ができます。名刺は配ったらなくなるものなので、勘定科目は「消耗品費」が適当でしょう。 また、名刺を広告活動の一環であると考え…
詳しくみる -
# 勘定科目・仕訳
小口現金の勘定科目は?仕訳例や廃止して管理を効率化する方法を紹介
小口現金とは、会社の経費を精算するために用意しておく少額の現金のことです。小口現金のやり取りの仕訳をする際は、交通費・消耗品費・通信費・新聞図書費・雑費などの勘定科目を用います。 …
詳しくみる -
# 勘定科目・仕訳
パソコンやマウス購入時の勘定科目と仕訳例まとめ
IT関連の企業をはじめとして、事務処理などのためにパソコンやマウスを購入する会社や個人事業主は多いでしょう。パソコンの購入は金額によって勘定科目が異なり、その後の会計処理も変わって…
詳しくみる -
# 勘定科目・仕訳
資本連結の考え方や仕訳を基本から解説
実質的な支配関係がある会社を企業グループとし、ひとつの組織体として行う決算を連結決算といいます。連結決算では、投資と資本の相殺消去など一連の処理である資本連結を行い、企業グループ全…
詳しくみる -
# 勘定科目・仕訳
診断書費用の勘定科目は?個人事業主の場合についても解説!
従業員が休職の手続きのために診断書を医療機関で受け取り、その費用を会社側が負担する場合、福利厚生費などの勘定科目で仕訳ができます。年に何度もあることではないので、雑費の勘定科目で仕…
詳しくみる
会計の注目テーマ
- 勘定科目 消耗品費
- 国際会計基準(IFRS)
- 管理会計
- 会計帳簿
- キャッシュフロー計算書
- 予実管理
- 損益計算書
- 減価償却
- 総勘定元帳
- 資金繰り表
- 連結決算
- 支払調書
- 経理
- 会計ソフト
- 貸借対照表
- 外注費
- 法人の節税
- 手形
- 損金
- 決算書
- 勘定科目 福利厚生
- 法人税申告書
- 財務諸表
- 勘定科目 修繕費
- 一括償却資産
- 勘定科目 地代家賃
- 原価計算
- 税理士
- 簡易課税
- 税務調査
- 売掛金
- 電子帳簿保存法
- 勘定科目
- 勘定科目 固定資産
- 勘定科目 交際費
- 勘定科目 税務
- 勘定科目 流動資産
- 勘定科目 業種別
- 勘定科目 収益
- 勘定科目 車両費
- 簿記
- 勘定科目 水道光熱費
- 資産除去債務
- 圧縮記帳
- 利益
- 前受金
- 固定資産
- 勘定科目 営業外収益
- 月次決算
- 勘定科目 広告宣伝費
- 益金
- 資産
- 勘定科目 人件費
- 予算管理
- 小口現金
- 資金繰り
- 会計システム
- 決算
- 未払金
- 労働分配率
- 飲食店
- 売上台帳
- 勘定科目 前払い
- 収支報告書
- 勘定科目 荷造運賃
- 勘定科目 支払手数料
- 消費税
- 借地権
- 中小企業
- 勘定科目 被服費
- 仕訳
- 会計の基本
- 勘定科目 仕入れ
- 経費精算
- 領収書 経費精算
- 交通費
- 勘定科目 旅費交通費
- 電子取引
- 勘定科目 通信費
- 法人税
- 請求管理
- 勘定科目 諸会費
- 入金
- 消込
- 債権管理
- スキャナ保存
- 電子記録債権
- 入出金管理
- 与信管理
- 請求代行
- 財務会計
- オペレーティングリース
- 新リース会計
- 購買申請
- ファクタリング
- 償却資産
- リース取引


